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勇者一行の人助け

今回、天道視点です。

「さて、今日はここで一休みするか」


 オレたちは聖剣を探す旅の中で、とある村に来ていた。

 それなりに設備は充実しているが、のどかな雰囲気が崩れない……正直に良い場所だと思えるような所だった。

 今日はもう夕暮れ時だしこの村で休む事を決めた。


 だが今この村ではある事件が起きていた………。


「あんたら、旅人かい?悪い事は言わん、今すぐこの村から出ていくんだ」

「どういう事だ?」


 そう思って辺りを見回すと、酒場から怒声が聞こえてきた。

 気になったので酒場の窓から中の様子を覗きこむ。

 すると店員らしき人と……鎧を着た騎士らしき集団が言い争う光景が見れた。


「なっ…お代は……!」

「我々は正義の騎士団だ!無償で我等に提供するのが当たり前だぞ!」


 凄いぶっ飛んだ理屈だな。所謂クズの集まりか?


「……亮、オレをあいつらの死角に転送できるか?」

「おい天道……まさか……!」

「ま、たまには勇者らしい事でもやってみようじゃないか」

「……分かった」

「お前らはもしオレが逃がした場合すぐに動ける様に外で待機だ」

「よし、転送するぞ」


 オレは亮のワープホールの能力で奴らの後ろから……怪我させたら流石にマズイので盾で一人の頭を殴る。


「あがっ……!」


 上手く失神したな。


「何者だ!」

「どーも、勇者です」

「なっ……!」


 何だ、てっきり変な奇声を上げた後勇者なんで?って言うと思ったんだが。

 まあいい。


「お前らのやってる事はクズのやることとなんら変わりない」

「なんだと!?」

「我等をジャスティツナイツと知っての発言か!」


 ジャスティツナイツ?ああ、噂で聞いたな。

 なんでも正義を掲げて好き放題するクズ集団だろ?


「ああ知ってるよ……クズの集まりだってな!」


 だから、こいつらに言ってやる。


「どうやら死なないと理解できんと見える」


 一人剣を抜いてそう言い、他の者も剣を抜いていく。

 普通に殺す気か……さて、どうしたものか……。


「死ぬが良い!」


 どうやら考える暇も与えてくれないらしい……これじゃ回避も防御も出来ない……こうなったら仕方が無い……。

 オレは向かってくる剣に対して、能力を発動させる。


「……な、何……!?」


 奴の振った剣はオレの目の前に出現した魔法陣に受け止められていた。


「どうだ?オレの魔導陣ウィザードスクエアは?」

「な……全く破れん!」


 それもそのはずだ……オレの魔導陣ウィザードスクエアは物理に強いのは勿論の事……魔法に対しては魔法無効化という素晴らしいものが備わっている。

 というかこいつは何で魔導陣にしか攻撃してこないんだ?バカか?


「おい!横から攻撃しろよ!」

「そ、そうだった!」


 仲間に言われてやっと魔導陣を無視しようとして横を通り過ぎてオレに剣を振る……が。


「おわぁ!」


 オレは魔導陣ウィザードスクエアを動かして敵にぶつける。 


「こいつは自在に動かせるんでな……しかも」


 オレは魔導陣ウィザードスクエアの形態を変化させる。


「こういう事もできるんだ」


 そう言うと同時に魔導陣ウィザードスクエアから多数の光線が出る。


「ぐわぁ!」

「ガッ……!」


 瞬く間に敵共の足や腕を貫き、戦闘不能にさせた。勿論奴らの体だけを貫いた。店内をあまり荒らしたくは無いからな。


「後はこいつらを拘束して……」


 よし、後は役所なりに突き出せば良いだろ……。

 しかし店員は微妙な表情を浮かべている……一体どうしたんだ?


「どうした?役所にでも出さないのか?」

「……すみませんが役所に出しても意味が無いかと……」


 どういうことだ?どうやら詳しく話を聞く必要がありそうだ。


「何かこの村で問題でも?」


 オレは村に入って第一村人に言われた事を思い出す。

 もしかしたら厄介事に足を踏み入れてしまったか……まあここまで来てしまったんならもう進むしかないが。


「つい先日、ジャスティツナイツという騎士団がこの村に来たんだ」


 店員が話しだす。


「そして我々に施設を開放しろと要求してきたのだ」

「なんで断らなかったんだ?殺されるからか?」


 だがそれもおかしな話だ。普通皆殺しなんて事まではしないだろ……特にこういう店員とかは殺される事は無い気がする。


「いや、彼らは我々を利用する気だから殺しはしない……だが」

「何だ?」

「人質がいるのだ」


 ……小物かよ。全然問題ないんじゃないか?

 いや、結構戦力は多いらしいから面倒な相手であるのは確かか。


「その人質というのは?」

「リーティアという村娘でね、とてもいい子なんだが……ついさっき、騎士団の連中が彼女を攫っていったのだ」

「今彼女がどこにいるか分かるか?」

「村の外れにある廃古屋……やつらはそこを拠点にしている……あの場所で囚われている」

「………分かった」


 オレは話を一通り聞いて、その場を立ち去ろうとする。


「待ってくれ……まさか……?」

「そのジャスティツナイツって奴らを潰してきてやる」

「おお……しかし何故……?」

「オレが勇者だからだ」


 オレはそう言うと店を出た。

 外では亮と彩香さんが待っていた。


「亮、彩香さん、話しは聞いていたな?」

「ああ」

「……聞いた」


 さて、早速助けに行くか………。


「待てよ天道」

「なんだ?」

「なんでこんな厄介事に首を突っ込む?らしくないぞ」

「おいおい亮、お前はオレをどう見てるんだ?」

「少なくとも他人の為に何かするような奴じゃないだろ……」


 失礼な、オレだって人間だ。困った時はお互い様だろ?

 それに………。


「この世のクズは消した方が世界の為だろう?」

「おお、それでこそ天道だ」

「褒めてんのか、それ?」

「おう、んじゃ、早速行こうぜ」


 全く調子の良い……まあいい。早く行かないとな……リーティアって娘に会ってみたいし。

 

 オレたちは村の外れにある廃古屋に向けて、移動した。



「……結構多いな」

「……後ろに魔法部隊がいる…」

「彩香さん、目が良いな」


 オレは暗くて正直良く見えない。今はもう夜だし。

 しかし魔法部隊か……連中、案外しっかりしてんな。


「オレはてっきり力押しのバカだとばかり思ってたよ」

「……どうする?」

「勿論勇者らしく正面突破だ、彩香さん」

「理由…それだけ……は無いでしょう?」


 お、鋭いな……というか彩香さん少しテンション高めじゃない?


「ああ、正面から圧倒的な力を見せつければ相手の士気を大幅に下げられるからな……だから派手にやろうかと思っている」

「……分かった」

「お?彩香さん、今少し笑っ……」

「何の話?」


 おお怖い……どうやら彼女をからかう事は一生無理なようだ。しかしどうもこの笑顔が引っ掛かる。

 何か彩香さん、楽しそうだ……戦闘狂?いやいや、それは無いか。

 そういやあいつに砦を吹っ飛ばされた時も彩香さんが楽しそうに微笑んでいたな。


「おーい、天道、そろそろ行こうぜ」


 っと……とりあえず今は人質救出とジャスティツナイツの殲滅だ!


「ああ、そうだな」

「分かった……」


 オレたちは戦場へ真っ直ぐに駆け出した。



「ウォオオオオ!」

「クッ、何だこいつら!?」

「村に立ち寄った冒険者か何かか?」

「いや、オレたちは……勇者だ!」


 オレは騎士団の連中に剣を振るう。

 こいつらクズだし殺してもいいよな?答えは聞かないが……なんてな。


「グゥウウ!?」

「喰らえ!フレイムタワー!」


 亮の放った魔法が敵共を次々葬っていく……ここまでは順調だ。


「クッ、増援を、増援を!」

「魔法部隊何してる!とっとと援護しろ!」

「魔法部隊との連絡が取れません!」


 敵も相当混乱してるな……。というか魔法部隊の方からものすごい爆発がしたんだが……あっちで何かあったのだろうか?


「よし、このまま建物に行き人質を……」


 そう言おうとした時、空から巨大な火炎弾が降って来た。

 普通に防御する事も出来ず、範囲も分からなかった為、つい能力を使ってしまった。


「おお、我々の守護魔獣、ワイバーンが!」

「こいつらを葬ってしまえ!」


 オレは空を見上げる……そこには巨大な空飛ぶ竜が居た。


「厄介なものを使役しやがって……!」


 まさか人間が魔獣を従えるとは……完全に魔族と同じ所業だな。

 しかもこのワイバーン……上位種だな……今のオレたちでは分が悪い……か?


「アイスボルト……」


 彩香さんがワイバーンに魔法を放つ。

 だがワイバーンの火炎弾がその魔法を破り、彩香さんに向かってくる。


「彩香さん!」

「大丈夫……」


 どうやら直前で避けられたようだ……しかしこのままではマズイな。

 

 しかも……ワイバーンは一体だけでは無かった。


「囲まれたか……」

「おい天道!ヤバいだろ!」


 ワイバーンと敵の騎士に囲まれている状況……勝てないわけではないだろうけど厳しいものがあるな。

 さて、どうしてものか……。

 

 そう考えてる時だった……ワイバーンの更に上空から巨大な光線が降って来た。


「ギャアアアアアアア!」


 それはワイバーンの一体に命中し、断末魔の雄叫びを上げながら消滅した……一体誰だ?

 まさかオレたち以外にも味方が……?


 そう思っていると空から聞きな慣れた声が聞こえてきた。

 というかその声を聞いただけで虫唾が奔る……何故ならその声の主はオレが殺したいほど憎い奴……。


「何か面白い事になってんな?」

「てめぇ……!」


 そう、一条和馬が空からオレたちを見下していたのだった。


 


 

 


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