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キモオタ魔人

「じゃ、ジョーカー君借りていくわねぇ」


 今俺はサリエウムに腕を掴まれ胸まで持ってかれてる状況だ。


「ちょっ!アンタ何してんの!カズマもなんでされるがままなのよ!」


 だって、結構力が強いんですよこのおば……。


「痛い……」


 なんか締め付けてきたんだが……やっぱり地味に心の中でも読めるんじゃないだろうか。


「し、心配するな、メイ……間違いは起こさないようにするさ」

「本当に頼むわね……」

「というかお前俺の事どんだけ……」

「別にアンタなんか好きとかなんかじゃないんだからね!」


 はいはい、ツンデレ乙。分かりやすくてバレバレなのにまだ隠そうとするとは……。


「魔王様、安心して良いわよぉ」

「な、何がよ?」

「魔王様の大好きな子に手を出すなんて事はさすがにわたしでもしないわよぉ」

「いやっ…だから好きなんかじゃ……!」

「はいはい、そう言う事にしとくわよぉ」


 俺はそのままサリエウムに連れてかれた……しかし力が強いな。流石は四天王だけあるという事か……。

 そういえばこいつはメイに敬語をあまり使って無いよな……ジャックもちゃんとした敬語じゃないし……俺とメビウスに関しては完全なるタメ口だぞ……しかも俺は公の場では魔王様と呼んで敬語で話すのも何か段々と関係なくなってる気がする……メイって尊敬されてんのか?


「なあ、サリエウム」

「あらぁ、何かしら?」

「メイって……部下から本当に慕われているのか?」

「それはどういう意味かしらぁ?」

「いやお前、メイに敬語使って無かったから……」

「それは貴方もでしょう?」

「いやそれはメイから許可を貰ったから……」


 いや待て、他の四天王もタメ口許可されてるのか?


「まぁ、わたしたちは……魔王様を家族みたいに……思ってるわね」


 ……はい?


「この前言った通り魔王様はかなり若いのは分かるわよねぇ?」

「ああ……」

「簡単に言うとぉ、みんな魔王様を可愛がっているのよぉ!」


 ……親バカかよ!?もしかして今の魔族の兵士達って頭ん中お花畑になってんじゃないだろうなぁ……!

 あ、そんなこと考えてたらクーデター起こした奴らの方がもしかして思考回路はマシだったのかよと思ってしまったぞ……。


「どうしたのかしらぁ?微妙な顔をしてぇ」

「いや……何でも無い……」


 ああ、メイは魔力量に関しては最強最大だ。それを見抜けなかった反乱軍が無能だ……そうだ。そう思わなきゃやってられんぞ……。


「さて、そろそろ行くわよぉ」

「ああ、さっさと行くか」

「もちろん貴方の転移で……ねぇ」


 そうですか……もしかして現場まで行く足が必要だったから俺を呼んだんじゃないだろうな……!


「わたしの部下はもう砦で準備もしてるし……後は貴方がわたしを飛ばすだけよぉ!」

 

 何もする気が無いのかこいつは!


「まあ、仕方ないな」


 俺はサリエウムの案内の下、今回の拠点である魔族軍の砦へと転移した。



「おああ~!サリエウム様!」


 転移した瞬間凄い勢いで部下の一人がサリエウムの前に来て……跪いている。


「あらぁ?何かしらぁ、ギークオウル君?」

「踏んでくださいブヒィ!」


 キモい……見た目も何か見た事あるなと思ったら……太っていてメガネ掛けてて……典型的なキモオタの容姿そっくりじゃないか……それも相まってかなりキモい……。


「フフ…良いわぁ、それっ!」

「ブッ…ヒャッ!ありがとうございますブヒィ!」


 うわぁ……サリエウムも何容赦なく踏んでんだよ。人間なら即死レベルなんじゃないか?

 しかし果てしなくキモい野郎だ。見てるだけで不快になる。


「デュフフ……それでこちらの方はジョーカー様じゃないですか?」

「ええそうよぉ、今回手伝ってもらうのよぉ」

「ジョーカー様、サリエウム第一部隊隊長のギークオウルですデュフフ……」


 しかもこいつが第一部隊の隊長かよぉ!?マジでか!?


「ああ見えて意外に彼、優秀なのよぉ?」

「全くそう見えないが」


 俺の目の前に居るのは果てしなくキモいキモオタだ。というかオタクというよりただのドM変態野郎だろう。


「デュフッ、まあこれからよろしく頼みますよデュフッ……」

「あ、ああ」


 握手を求めてくるがスルーだ。絶対脂ぎってるだろ!


「つれませんねぇ、あ、自分の部屋見てみます?デュフッ……」

「もちろん断る……」

「良いじゃないのぉ?行きましょう」


 何でお前が引っ張ってるんだよ!?というか離せ!


「多分、ジョーカー君も気にいるわよぉ?」

「んな訳あるかぁ!」


 クソッ!本当に力が強くて抜け出せん!

 そうこうもがいている内に部屋の前まで連行された……こうなったら覚悟を決めるしかない……。


「デュフフ……さあ!これが自分のコレクションです!」


 俺は扉の先にあるこいつの部屋を見た………これは!

 

「お、おお……」


 俺の目の前には可愛い女の子(二次元)のポスターがずらりと張られている壁面があった。


「ギークオウル……これはどこから?」


 所謂萌え絵だ……なんでこんなものがここの世界に………。


「過去の勇者が描いていたらしいですよ?デュフフ……」


 俺ははっきり言ってあいつらのせいで勇者が嫌いだ………だが!


「今この瞬間だけは過去の勇者にグッジョブというしか無い!」


 俺はこいつをキモオタと罵っていたが俺だって元の世界でオタクだった……特にこういう二次元の女の子が……大好物だっ!


「さらに言うと過去の勇者がそれを広めこの世界にもこういう絵を描く絵師が!」

「過去の勇者……ありがとう!」


 ここは!まさに!楽園だあぁ!………ッハ!


「………」

「…どうしたんすか…サリエウム…さん?」


 ……まさかマイペースを貫き通しているようなサリエウムがこれ見て興奮してる俺たちを見てこんなにも引くとは……!


「…予想外に食い付き良いわねぇ……?」

「すまん、取り乱した……」


 だって!これ見て興奮しないオタク男子は居ないぞ!しかも欲しくなってきたな……。


「ギークオウル……金は払うからいくつかくれ!」

「ジョーカー君……?」

「それはいくら四天王の頼みでもできないですねデュフフ……」


 クソ……こういう時コピー機があれば……いや待て?


「わ、分かった、ちょっと待ってくれ……」


 俺はある物をイメージする……そう、コピー機だ。俺の能力さえあればコピー機を創りだすことも不可能ではない!

 

「電源はないが代わりに魔力を使うタイプにすれば……フフ……」


 サリエウムが珍しくドン引きしてるが気にしない、気にしない……。


「よし……これで完成だ!」


 俺がそう宣言すると同時に俺の目の前にはあのコピー機が出来上がっていた……やはり俺のマジックイマジネーションに狂い無し……!


「ギークオウル、あそこにいるピンク髪の幼女を!」

「フラワたんはあげませんよ」

「そのポスター貸すだけで良い!」

「貸すだけなら…まあ……」


 俺はフラワたんを受け取りコピー機で画像をコピーする。よし、成功だ……。


「ジョーカー様これは……!」

「フッ、コピー機さ、こいつは返す、というわけでフラワたんは頂いたぞ」

「これ…他のもできるんですか?デュフフ……」

「ああ、何ならコピーして売れば儲かるぞ?ククク……」


 フハハ……なんか気分がい……あ。


「……うわぁ」


 ……あの歩く十八禁と言われるほどの(言ってるの俺だけ)サリエウムが……ドン引きしている……。


「あまり変な事は考えない方がいいぞ、ギークオウル、サリエウムに嫌われるぞ」

「そうでしたあ!サリエウム様!どうか自分に罰を!」


 ……うわぁ、少し気が合うかもと思った俺がバカだった。やっぱりこいつはただのドM変態キモオタ野郎じゃないかああ!


 ……まあフラワたんが手に入ったし良しとするか。

ええ、主人公は年下好きのロリコンですとも!

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