魔族の年齢
さて、もしかしたらメイから何か命令があるかもしれないな……っと。
「あらぁ?ジョーカー君じゃなぁい?」
この声は……いつもエロい喋り方をし、エロい格好をしている歩く十八禁……。
「ああ、サリエウムか」
「反応が薄いわねぇ?こぉんな綺麗なお姉さんが声を掛けたのよぉ?」
そう言ってウィンクして何かアピールしてきやがる。
おいBBA無理す……
「何か失礼な事を考えてないかしらぁ?」
「いやいや、何も?」
「もしかしてぇ、わたしの年齢が気になったのかしらぁ?」
そう言えば実際魔族ってどうなってるんだろうな。人間よりも長寿だろうし老化も遅そうだ。
「いや、魔族って平均寿命どれくらいかと思ってな」
「遠回りに年齢を聞いてるわけじゃないでしょうねぇ?」
「どうせにひゃ……」
「あら?何か言ったかしらぁ?」
ヤバい……つい口に……!しかしこの反応……もしかして確実にこの歩く十八禁の年齢は二百歳を超えてるはず……。
「まあ良いわぁ、魔族の…というより魔人の平均寿命は千歳よぉ」
「なるほど、長生きする人間の約十倍だ」
実際百歳まで生きる人間は珍しいから人間の平均寿命からいうと十倍以上になるがな。
「それともぉ、ジョーカー君は魔王様の年齢が気になるのかなぁ?」
「……俺の予想だとメイは…まだ十代なんじゃないか?」
「なんでそう思うのかしらぁ?まさか、そうあってほしい願望とかじゃないわよねぇ?」
「ちなみに俺は十八歳だが……メイは俺より年下な気がする……子供っぽいしな」
負けず嫌いだし、ぬいぐるみ好きだし……どうも子供にしか感じないな。それにジャックの様なバカ丸出しでもちゃんとした知識があるのにメイには無い……つまり生まれてからあまり期間がったってない……だな、俺の予想は。
「……フフッ」
「何を笑ってるんだ?」
「貴方ってぇ、意外に魔王様の事を良く見てるのねぇって思っただけよぉ」
「つまり……?」
「貴方の予想、当たってるわよぉ?少なくとも貴方よりは年下ねぇ」
……マジか。いや、本当かどうか分からんけど。
「あ、そうだわ、あとぉ、言っておくけど貴方の体も魔族化してるんだからぁ、千歳まで生きられると思うわよぉ?」
だろうよ。それに長生きできないとメイの側に居てやれなくなるしな……。
「ジョーカー君、魔王様の事考えてるでしょぉ?」
「そうだが?」
「あらつまらない、そこはもっと恥ずかしがってうろたえながら違うって言う所でしょぉ?」
知らんがな。というか人差し指を立てながら頬を膨らませていかにも可愛く怒ってるように見せてる……おいBBA無理すん……。
「あらぁ?何か失礼な事考えてなあぁい?」
「や、やだなぁ、そんなこと無いに決まってるじゃないですかー……ハハハ……」
「ふぅん……だと良いのだけれど……そ・れ・よ・り!」
おいバ……いや、やめておこう。今の言い方が随分若づくりしてるみたいに聞こえたからといって……さすがにこれは反省が無さ過ぎるからな。
「ハア……何だ?」
「貴方、魔王様の事、どう思ってるのかしらぁ?」
「……好きですよと言えば良いのか?まあ、実際好きだが……俺は……」
実際、メイの事は…まあ好きだ。だが、メイは俺の事を恋愛的な意味で好きだと理解してるが俺は違うな。俺はまだそこまで思って無いって感じだ。
というより、俺はあれ以来二度と恋愛する気にはなれない………。
……嫌な事を思い出してしまった。
「魔王様も苦労するわねぇ」
「まだ何も言って無いが察してくれたようだな」
「まあもし付き合う事になるんなら……しっかり考えないとダメよぉ?」
「まだどうなるか分かって無いがな……」
さて、そろそろメイの所に行って何か仕事無いか聞かないとな……。
……で、なんでお前が付いてくるんだ?歩く十八禁。
「魔王様の所に行くのよねぇ?わたしも魔王様に用があるのよぉ」
「まだ何も言ってないが……」
「だってぇ、なんで付いてくるんだよって言いたそうな目つきでこっちを見てたんだからぁ、すぐ分かっちゃうわよぉ」
「そうかい」
俺たちは玉座へと向かった。
「そろそろ来るかと思っていたわ、カズ……アンタ、なんでサリエウムと一緒に居るのよ?」
「こいつが勝手についてきただけだ……メイ」
「そ、そう……」
ここには俺とメイとサリエウムしかいないからタメ口でもいいだろ……多分。それにこの反応は別に怒ってるわけでは無さそうだしな。
「魔王様、お願いがあるのだけどぉ?」
「何かしら?サリエウム」
「明日からファグノリア国の砦を落としに行くんですがぁ、ジョーカー君借りていって良いかしらぁ?」
「なっ!なんで!?」
おいおいメイ、取り乱し過ぎだ。ただ手伝いに行くだけだろう……サリエウムの事だから何かありそうで怖いが……な。
「魔王様可愛いわぁ……」
「ちょっ……サリエウム!?アンタ何を……てかどこ触って……あんっ!」
今俺の目の前には歩く十八禁がメイに過激なスキンシップ(意味深)な光景が広がっている……なにこのキマシな雰囲気。
というかメイのさっきの喘ぎに不覚にもグッと来てしまった俺は変態だろうか。てか胸は……普通の大きさだな。どちらかと言えば貧乳っぽい気もするが……かなり小さいわけでも……やっぱ俺は変態か?こんな事を考えるとは……。
まあそろそろ引き離してやるか。
「そこまでだ、年……」
「あら?何か言ったかしら?」
危うく年増って言いそうになっちまった……というか怖いですサリエウムさん。
「そろそろ本題に入れ、サリエウム」
「ああそうだったわねえ、力を貸してほしいのよぉ」
「……あまり本格的に介入するつもりは無いぞ」
というかここではっきり言っておくか。
「サリエウム…それにメイも聞いてくれ」
「何かしら?」
「俺は…あまりみんなに頼ってほしくないんだ」
「それはなぜ?」
「あらあら…なるほどぉ」
サリエウムは俺の狙いを理解したようだがメイは分かって無いな。意外にアホの子なのか?
「メイ、もし魔族の奴らがみんな俺を頼ったらどうなるか分かるはずだが?」
「え?つまりどうい…………あ……」
メイも気づいたようだ。というかすぐ分かるんじゃないか?
「そうね、頼り切ってしまえば魔族の戦力は低下するわね……」
「ああ、ジャックの時だって砦に直接攻撃仕掛けたのはあいつらの部隊だからな」
「だからさっきあんなことを……分かったわ、つまりサポートに留まると」
「ああ、サリエウム、俺はサポートしかしないがそれでいいなら手伝ってやる」
「ええ、分かったわぁ」
ふう、これで後は部屋に……何かメイとサリエウムが言い争いをしているな。。
「サリエウム、ジョーカーに…いえカズマに手を出したら許さないんだからねっ!」
「もちろん心掛けるわよぉ……事故なら仕方ないけどぉ?」
「ぐぬぬ……」
仲がいいんだか悪いんだか……まったくもって分からん二人だな。
「さて、俺はそろそろ部屋に戻るよ」
「ええ、不安だけど……とりあえず頑張んなさいよ」
サリエウム警戒しすぎだ………さすがに手は………出さないよな……な?
「あらぁ、わたしを変態扱いする気ぃ?」
どの口が言うんだよ、どの口が……全く。
お前は紛れもない歩く十八禁だ。
「カズマ…何かあったらすぐに帰って来るのよ……じゃあ頼んだわよ!」
「ああ、任せておけ……」
「じゃあ、わたしも準備するものがあるからぁ何かあったら呼びなさいな」
「ああ、まかせた」
とりあえず……あと今日は俺は部屋でゆっくりしておこう。まあ、緊急の時は俺仕方なく出るしかないんだが……なんか今日は疲れたな……この歩く十八禁のせいか?こいつと話すとかなり疲れる気がするからな……どうやら俺はこの女が苦手なようだ。
さて……明日の仕事はどうなる事やら……。




