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見える景色

作者: 吉田友姫

 僕らには、見えないものがある。

 君たちにも、見えないものがある。

 僕らに見えないものは、この目で見えないものだ。

 君たちに見えないものは、この目で見えるものだ。

 しかし、君らにそれを見る“目”はない。

 それと同じように、僕らにあれをみる“目”はない。

 そう考えると、僕らも君たちも同じなのかもしれない。



 僕らは、空が紅色の綺麗な色に染まる中、学校帰りに寄り道をしていた。

 その中の一人が言った。

「ここから見る景色って、すっげー綺麗なんだぞ!」

 また一人が言った。

「確かに、いいな」

 一人。

「綺麗だね」

 その景色はとても美しく見えた。


 その時の話を、君たちに話して“あげた”。

 すると、その中の一人が言った。

「一度でいいから、見てみたいな」

 また一人が言った。

「でも、見れない」

 また一人。

「想像することもできない」

 君たちはとても悲しそうだった。

 だが、君たちは分かっていない。

 君たちにはあの綺麗な景色を見ることができなくても、別に見れるものがある。

 それは、僕らには見えないもの。

 君たちにも、目には見えないもの。

 だけど、目に見えないからこそ君たちにはよくわかるはずだ。


 君たちの誰かが言ったのかはわからない。

 しかし、誰かが言ったことだけはわかる。

「見ることができなくても、想像することができなくても。その景色は、とてもいいものだと“僕ら”にはわかる。

 その景色を見ている“君たち”は、仲がいいんだろうね。それのことだけは“僕ら”にも見える」

 目が見えない。

 景色がない。

 だからこそ、目に見える人には見えないものが“見える”。


 その時の話を、僕らに話して“みた”。

「目が見えないってさ、つまり光が見えないってことだろ。

 でもさ、この世界って光だけで理解できるほど簡単じゃない。

 だからさ、僕らには目が見えても、それは世界のほんの一部でさ。

「わかったつもりになれるだけで、なにもわかっちゃいない、何も見えていないのかもしれないな」

 そんなことを誰かが言った。

 また誰かが言った。

「君たちには、僕らとは違った何かが見えるわけじゃない。

 でも、僕らよりは想像しやすいのかもね。

 僕らには想像することすら難しい“人の心の景色”をさ」


 僕らは、世界の景色を見ることができる。

 だから、想像する必要がない。

 ただ、思い出すだけで良い。


 君たちは、世界の景色を見ることができない。

 だから、想像するしかない。

 ただ、思い出すことすらできない。

 でも、だからこそ、ずっと想像してきた君たちには、人の心の景色でさえも、想像することができるのかもしれない。

 それはもう“見える”といってもいいんじゃないんだろうか。


 僕らに見えるものは、君たちには見えない。

 君たちに見えるものは、僕らには見えない。

 だから、分かり合う必要なんてないんだ。

 だって、想像すらできないんだよ?

 分かり合えるわけがない。

 ただ、だからこそ、分かり合おうとする。

 わかり合おうとするその人の気持ちが、大事なんじゃないんだろうか。

 それなのに、分かり合えるはずがないのに、分かった気がして決め付ける。

 僕らは言う。

「“君たち”は可哀想だ」

 君たちは言う。

「“僕ら”は羨ましい」

 勝手に決めつけるなって、感じじゃない?

 僕らには僕らの見えるものがあり、幸せがある。

 それと同じように、君たちには君たちの見えるものがあり、幸せがある。

 どっちも、同じなんだ。


 だから“私”は思う。

「私は目が見える。

 目が見えない人の気持ちがわからない。

 だから、目が見えない人の気持ちが知りたい。

 私は“君たち”と友達になりたい」


 お互いがお互いをわかり合おうとする。

 それを、人は友達と言う。

「友達に、なろ?」

まず、読んでくださってありがとうございます!

初投稿です!

正確に言うと、2作目ですけど、元々あるのを同時に出しているので、ほぼ初投稿です!

色々至らないところがあるかと思います。

それでも、この「見える景色」を読んで楽しんでいただけたら嬉しいです!

うう…後書きって本編書くより何書けばいいのかわからない…

ええっと、感想待ってます!

批判も待ってます!(アドバイスとして受け取ります)

読んでくださってありがとうございました!

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