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魔法学校の中の刀使い  作者: シェイフォン
1章 彷徨う者
15/29

苦悩

物語が迷走気味です。

 昔から僕は深く考えなかった。


 何故なら、僕は直感に従って行動していたから、反省はもちろん後悔もした記憶がない。


 まあ、普通ならそんな生き方をしていれば必ず壁にぶち当たるのだけど、幸か不幸か僕は壁に当たらずにここまで来た。


 そんな僕が始めて苦しんだのは神崎さんを救いたいと本心から願った時。


 おそらくあの時が僕の第二の誕生なのだろう。


 魔力を失ってからようやく僕は真剣に考え始めたのから。


「知らない方が良いという事実もあるのだな」


 自室で僕は一人呟く。


 未だ妹がこちらに引越していないのでこの家には僕一人しかいない。


 一軒家なので気兼ねなく大声を出せるけど、出す理由がないので結局何もしない。


「今、振り返れば僕は結構な人数を絶望させて気がする」


 勉強でも剣道でも当初は僕をライバル視して挑んできた者が多数いたが、時が経つにつれ一人減り、二人減り、ついには誰も僕に挑んでこようとはしなくなった。


 彼らは僕を別として扱い、仕方ないと言葉を濁して諦めていった。


「不思議なことに僕は何とも思わなったんだよな」


 孤独になればなるほど。


 皆の輪から除外されるほど僕はますます強くなっていった。


 そのせいか僕は一人になることにさほど苦痛に感じず、むしろ後腐れがないという理由で進んでその道を選んでいた。


「転機が訪れたのは神崎さんとの出会い」

 

 神崎さんは今までの人と違い、どれだけ衝突しても全然変わらなかった。


 それどころか益々勢いが盛んになっていった気がする。


「だから神崎さんに惹かれたんだよな」


 初めて出会った対等な者。


 それに僕は嬉しさを感じ、神崎さんと長くいたいと考えるようになったがそれは僕にとってはマイナスだった。


 僕は一人の時が最も力を発揮する。


 誰かと共にいる行為は気付かない内に僕の力を削ぎ、そしてついには魔力が枯渇してしまったと考えている。


「自分だけは違うと思っていた」


 孤独で居続ける行為は社会的動物である人間の本能から逆らう行為。


 世の中の少数派の者がそれに該当し、彼らを総称する呼び方が。


「僕は社会不適合者か」


 そう口に出すと何故か気分がすっきりする。


 心なしか自分の魔力が以前よりも上がった気もする。


「……泣きたくなってくるよ」


 自分は周りと違うことを薄々と感づいていたが、いざそれを突きつけられると悲しくなってくる。


 そして僕は日付を確認する。


 二月二十一日。


 進級試験まであと一週間。


 今の自分なら確実に突破できるだろう。


 しかし、二年になれるから何になる。


 多くの生徒がいる中で孤独に過ごせということか。


 残り二年間誰とも解り合えずに学生生活を送るのか。


「嫌だなあ」


 魔力を失う前はそれほど気にはならなかったものの、挫折を味わってからは一人でいることに心細さを覚える。


 これは一体どういうことだろう。


 何故以前より不安定なのに魔力は上がっているのか?


「……まあ、考えても仕方ない」


 魔法ないし魔力については未だ解明されていない事柄が多い。


 こういうのは学者が調べるべきだろうと判断して思索を終わらせる。


「けど、実際問題どうしようか」


 実家と連絡しても、僕が退学することを認めてもらっていない。


 夢宮学園を卒業しろの一点張りでこれ以上何を言っても聞く耳を持ってくれなかった。


「とりあえず進級試験に合格しよう」


 わざわざ選択肢を狭める必要はどこにもない。


 まだ自分の道が決まっていないのに、生活費と住居が与えられる夢宮学園の生徒の身分を捨てるのは馬鹿だろう。


 まずは進級試験。


 それが終わってから今後のことでも考えようか。


 僕はそう決めた。

次話が進級試験です。


……ここまでキャラクターを掘り下げたのに、どうしてプロット通りに進んでくれないのかキャラに問い詰めたい気分です。

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