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行方不明の自転車

作者: 佐藤佑

駅前に出たついでにゲーセンに寄ろうと思ったのに

計画停電のせいで午後からしか開店しないらしい。

「はぁ。」

ため息を一つつき俺は家に帰ることにする。


家に着くとまだ親は帰ってきてないようだった。

そしてふと思い出す。

すぐそばの河原で友達と掘り起こした壊れた自転車のことを。

あれから、呪われるだとか、ラノベ展開だとか、ことあるごとに出てくる自転車だが、

つい先日友達が見に行ったときにはなくなっていたらしい。

ほんとなのかどうか?

それを確かめるいい機会だった。


駅の方向に最近かかった大きな橋の向こうからは、

かすかに工事の音が聞こえていた。


俺はその河原へ向かうことにした。

歩くのがじれったくて走り出した。

何が起こるかと思いをはせワクワクしていた。

そして河原につく。


上から見た感じ自転車は見当たらない。

もっとよく確認するために河原に降りることにした。

砂の多く積もっているところまで行き飛び降りる。

そして自転車を掘り起こした跡のある砂を見つけた。

しかし


そこに自転車はなかった。


だが俺たちの足跡が消えている。

もしかしたら川の増水で流されたのかもしれない。

俺はもう一つ駅の方向に降りられる河原があったことを思い出して、

ここの河原から離れ、そこに行ってみることにした。


もう一つ下流の河原にも、

簡単に上り下りのできる砂の多く積もった場所があった。

工事の喧騒を聞きながら飛び降りる。

やはり自転車は見つからない。

ここの河原にも排水口からの水で河原が削られている場所があった。

俺はその向こうも確認することにして、

その場所ラインを飛び越えた。


向こうの河原よりかれた笹のような植物が生い茂る場所。

そこに予想外のものがあった。

掘り起こした自転車にはついていなかったもの。

そこにあったのは


自転車のサドルだった。


怯えたわけではないが、なるべく早く戻ることにした。

河原から上がり家の方向へと走る。


後ろから聞こえてくるのは工事の喧騒だけだと、

俺は信じたい。

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