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ナカザワ・ゴブリン  作者: 吾妻 俊海
4/4

ナカザワ・ゴブリン 4番

携帯で表示するとちょうど1ページ分になるように収めています。

 コボルトの群れがミャーミャーとヒューマンに罵声を浴びせ、駆けてきたドワーフが斧を振りかざしてヒューマンに向かっていく、サッチャンはドワーフなど物ともせず叩き切ると、それを見た月桂樹より背が高いオーガーが月桂樹を掻き分け、激情したように雄叫びを上げて斧を振り上げた。倒れたドワーフをかばう様に囲んだコボルトの群れはさらに大きな罵声を浴びせながら石や岩をヒューマン達に投げつけ、みっちゃんがそんなコボルトの群れをドワーフ共々スペルで焼き尽くしていく、オーガーの斧はサッチャンの盾に弾き返され、反動で後退し怯んだオーガーのわき腹をサッチャンのソードが深く刺し抜いた。オーガーは一段と大きな悲鳴にも似た甲高い雄叫びを挙げ倒れた。


 オーガーの雄叫び、コボルトの悲鳴、鈍い金属音、これらは全て森にとって不協和音だ、森のシンパシーはついにその不協和音に対し攻撃を開始した。森を侵略する者がいる。シンパシーはそう告げたのだ。森を侵略す者がいる。そうか、侵略する者がいるのだな。脅かす者がいるのだな。乱す者がいるのだな。吼える者がいるのだな。叫ぶ者がいるのだな。それは言葉ではなく目と目と目と目が振り向くように、雄叫びや悲鳴が月桂樹の葉を震わせ雑木の茂みへ伝わり、雑木の茂みはざわめきながら辺り一面に広がるススキの原に告げ、ススキは一斉に花粉を飛ばし、花粉は月の光を浴びてススキの原を金色に輝かせ、リンドウの花が不思議な臭いを放った。シンパシーが森中へ波紋のように静かに拡がり続けた。


 どこからかグノームが現れた、グノームはゴブリンとは種族が違う、キノコほどの背丈しかない、グノームは花の上をジャンプしながら、菜の花の葉を滑り落ちながら、傷ついたオーガーやドワーフへ近づいていく、通称森の小人とよばれ、その小ささゆえに戦闘は好まないが、保身の為に身を守る魔法を使う事ができる。グノームの両手が緑色のやさしい光を放つ、その光はオーガーを囲むように徐々に増えていく、まるで蛍の群れがオーガーを包んでいるようだ、切りが無いな。みっちゃんがつぶやいた。サッチャンは頷きながら再び立ち上がろうとしたオーガーに止めを刺そうとした時、いくつもの風を切る音がし、気を取られた隙にオーガーに殴り飛ばされた。


 エルフだ。みっちゃんがそう叫んだ時、蛍のような光が一斉に消えた。月はいつの間にか雲に隠れていた。闇だった。ヒューマンは一瞬にして視界を奪われたのだ。チッと誰かが舌打ちをしてそれが最後の言葉になった。風を裂く音と同時に、突き刺さったり、抉られたり、突き抜けたりする鈍い音と、弾き返すような金属音が響く、風を裂く音は増え続け、鈍い音は次第にピチャピチャと何かをこねる様な音へ変わり、風が止んだ。静まり返った闇にグノームは一斉にやさしい光を放った。そこにはおびただしい肉の塊と真っ赤に染まった月桂樹が立っていた。

まだまだ力不足の駄文ですがお許しください。


アドバイス、メッセージ、率直な感想を聞かせていただけるとうれしく思います。

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