表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナカザワ・ゴブリン  作者: 吾妻 俊海
3/4

ナカザワ・ゴブリン 3番

携帯で表示するとちょうど1ページ分になるように収めています。


3話目は戦闘がメインです。苦手な方はご遠慮ください。

 森がポカリと口を開けたような広場に出た、月明りを遮るものがない、視界の狭いヒューマンにとってはチャンスだった。みっちゃんが突如、私との間を詰めスペルを発動した。鎖の光が身体を包む、チェーンだ。間合いを取り直そうとして走り始めたが身体が痺れ足がもつれた。効果が甘く完全に動きを封じられることはなかったが、足がもつれバランスを失い地面に膝まずいた。チャンスとばかりにサッチャンが隠し持っていたスティングを投げ、膝まずいている私の右腕をかすめ、緑色の腕を裂き、その裂かれた傷口からは紫色の液体が溢れた。しかし私は止まることなく膝まずいた反動を利用し、傷口をかばいながら地面を転がり、目の前にあった身体が隠れる大きさの岩の影に飛び込んで二発目のスティングが岩に弾けた。


 私は岩の背にもたれチッと舌打ちをした。不覚を取った。駆けてくる足音で距離を測りながら奥に見える雑木の茂みに身を隠す事に決めた。私は二人を少し甘く見ていたようだ。特にスティングは想定外だった。このままではスペルの射程距離を抜けることができない。チェーンの効果が完全に決まれば確実にスティングの餌食になってしまう、足音が迫ってくる、もたついている時ではない。もたれていた岩を蹴り、その奥にある月桂樹の影に右腕をかばって身体を転ばした時、再び鎖の光が身体を包み強い痺れが走って、私は勢い良く地面に仰向けになって倒れた。


 幸い月桂樹の陰で暗く、二人は慎重で自分達の最善の距離を保ち必要以上には近づいてこない、私はまだ効果の切れていない不自由な身体をなんとか起こして雑木の茂みの中へ潜りこんだその時、狙い済ました三発目のスティングの風を切る音が聞こえ咄嗟に胸をアックスでかばった。スティングはアックスに当たり鈍い金属音が響いた。その金属音の不快で鈍い音は不協和音として森へ響き渡り静粛な森の眠りを覚まし、同時に少し強い風が吹き、月桂樹が、雑木の茂みが、菜の花の群が、ススキの原が、リンドウの花が、風と不協和音と共に揺れ、森がざわめき一斉に二人のヒューマンに振り返った、ように感じた。


 弾いたスティングをとっさに拾い雑木の陰から二人を睨んだ時、みっちゃんは走りながら矛を回し三度目のチェーンを発動したが失敗し二人は立ち止まった。身体の痺れが切れていく。森が二人を意識し、二人が森の様子を伺っている。私はここぞとばかりに同化というスキルを発動し闇に溶けた。サッチャンは森の様子を伺いながら四発目のスティングを放ったが、スティングは雑木の茂みを抜け、月桂樹に突き刺さりドスッと鈍く太い音が振動となって月桂樹を揺すった。月桂樹に止まっていたフクロウの光る目がヒューマンの二人をうつろに眺め、コウモリの群れが一斉に飛び立った。遠くでは地鳴りにも似たオーガーの声が聞こえ、ドワーフがコウモリの群れが舞う空を振り返り、コボルトの群れが月桂樹の陰から現れた。


まだまだ力不足の駄文ですがお許しください。


アドバイス、メッセージ、率直な感想を聞かせていただけるとうれしく思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ