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ナカザワ・ゴブリン  作者: 吾妻 俊海
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ナカザワ・ゴブリン 2番

携帯で表示するとちょうど1ページ分になるように収めています。


 私はゴブリンだ。ゴブリンはヒューマンと違ってデータイムであろうとナイトタイムであろうと能力的な差は発生しない。そのうえ肉体は強靱で、緑色の皮膚は厚く弾力性と硬質を併せ持っている。そのため軟弱なヒューマンのように重い鎧や衣をまとう必要がない。ゴブリンの特徴を挙げていくと、ゴブリンは森を中心にした生活を送り、緑色の肌と強靱な肉体が生み出す超人的な腕力と脚力で、森の守護族とも呼ばれ森で生活する生物の頂点として君臨している。ゴブリンには特定の生活文化はあるものの、職業という概念は存在せず、肉体的進化の過程によって違いが生じる。巨大化した者はオーガーやトロールと呼ばれ、また集団で行動し小型化して身を守ろうとした者をコボルトと呼び、ゴブリンの劣性遺伝から誕生した者をドワーフと呼んだ。そうした進化の中で原始的遺伝子を継承してきた者こそ誇り高きゴブリンなのだ。


 二人のヒューマンは念入りに準備をしている。みっちゃんが腕を振り上げオーラを放つとサッチャンの剣の光りが増していく。所詮お前達は何かに頼らなければ生きる事ができない弱者なのだ、お前達ヒューマンには小細工がよく似合っている。私は姿勢を低く構えながら二人のヒューマンをにらみつけた。

月桂樹の隙間からヒューマンの街を囲う高い城壁が顔を除かせている。テクノのオーラに包まれたサッチャンが待ちきれなくなったのか合図した。

「k?」

「k」

 私とみっちゃん サッチャンとの間には、立派に育った月桂樹が何本も立ち、伸びた枝葉が月明かりを遮り夜の闇を更に深くしていた。月桂樹を縫う様にゆっくりと二人は近づいてくる。私はスペルの射程に入らないように間合いを保ちながら森の奥へと二人を誘導する。


 ここはローリエフォレストと呼ばれる月桂樹の森で、この森で採取される月桂樹の葉や実は、薬、香辛料、食料として我々ゴブリンやヒューマンにとって欠かせない恵みの森だ。以前はヒューマンも森の下級住人であったが、所構わぬ繁殖力で爆発的に人口が増加し、下級弱者が生き残る為に形成した集落や、築いてきた文明の力を頼り勢力を持ち始めた。調子に乗った愚かなヒューマン達は森を我が物とする為に脅威や対立する生命体を排除し始め、我々ゴブリンを森の隅へ追いやった。すると今度は更なる高度な文明の構築の為に森を破壊し、農耕の安定とローリエフォレストの資源を獲得する為に必要の無い森を焼いた。我々ゴブリンの力の及ばない森は消え、ローリエフォレストへ続く必要のない森は切り開かれ拠点となる町が造られた。


 互いの呼吸を計りながら足取りは徐々に早くなっていく、おろかな話だ。お前達は『この世界』の中で自分達がどのような存在なのか、解らないのだ。私は渾身の力で吠え、戦いの時を告げた。いいか、俺が教えてやる。踏締めた大地は引き締まり、森はざわめき、遠くに見えていた城壁は闇夜に消えていた。

まだまだ力不足の駄文ですがお許しください。


アドバイスやメッセージ、率直な感想を聞かせていただけるとうれしく思います。

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