シンデレラ
私はクラスでシンデレラと呼ばれている。
毎日シャンプーをしているんだけど、フケが出やすい体質だから。灰かぶりのシンデレラみたいだって。
掃除当番も押し付けられる。
シンデレラだからって。
今日は上履きを隠されちゃった。
どうしよう。もう、泣いちゃおうかな。
「ほら」
私の後ろから、ま新しい上履きが差し出された。
振り返ると、幼なじみのタケルくん。
「ごめん。これからはクラスの奴には俺が言ってやる」
「でも、私シンデレラだよ?」
私は泣きべそをかきながら、タケルくんに言った。
「だから、俺が王子様になるよ」
私は泣きべそをかいたまま、タケルくんがくれた上履きを履いてみた。
私の足にその上履きはぴったりとおさまった。
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この日から暫くして、彼女は病院で処方を受けました。強いシャンプーと精神的なストレスがフケの大きな原因でした。彼女がシャンプーを変えると、またたくまにフケは収まりました。
もう彼女をいじめるものは誰もいません。
彼女のあだ名は、シンデレラのまま。賤しいあだ名は、羨望のあだ名になったのです。
シンデレラと王子様は末永く楽しい学園生活を送りました。
おしまい。