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第七・五弾 地獄のコーヒーカップ!地獄からのエリック救出大作戦

『おしえて!エリックさん』


~地獄のコーヒーカップ? エリック救出大作戦~


【天空門・屋敷ロビー】


ぽん吉

「なぁ空はん、“あんころ餅”の“あん”って“ころも”の意味らしいで!」


「へぇ~、“餅の衣”かぁ。語源を知ると味が深まるね。やっぱ日本語って奥が深いなぁ」


(ドタバタとカメラマンが駆け込む)


カメラマン

「大変だーッ!! エリックが黄泉の“地獄の門”にスライディング土下座で吸い込まれて帰ってこないんだ!」


「はあ!? 何やってんのアイツ!?」


ぽん吉

「そりゃショックや……空はん、急いで助けに行こ!」


「よし、急行だ!」




第一章:賽の河原ゲート


(冷たい風が吹く灰色の荒野)


ぽん吉

「心まで凍りそうや……ここが“賽の河原ゲート”か……」


「音がない……景色も灰色一色で、息苦しいくらいだ」


(石を積む子どもたち。その近くでゴブリンたちが跳ね回る)


ゴブリンA

「サブマリン投法~!」


(小石がぽん吉の股間に直撃)


ぽん吉

「うぎゃああっ! おのれ! “あんころ封じの術”かけたるぞ!」


ゴブリンA

「わぁーぽん吉が怒った〜逃げろ ε=ε=┏(゜ロ゜;)┛」



(霧の向こうに舟着き場が現れ、黄ばんだおにぎりを食べる老船頭が現れる)


船頭

「……天使に妖怪とは、珍しい組み合わせだな」


「友人がここを通って黄泉の国に行ったと聞いて……」


船頭

「……あぁ、記憶にある。“カメラマンより我が身大事”言うて、全力スライディング土下座じゃ。ズザーっとな」


ぽん吉

「もう呆れて何も言えん……」


「お願いします、彼を追わせてください!」


船頭

「……ふむ、ならば乗るがよい。だが、黄泉の風は冷たく、道は平坦ではないぞ」


(舟が音もなく動き出し、鏡のような水面を渡る)


ぽん吉

「待ってろよ、エリック……」




第二章:雅閻魔大王の庁舎


(岩造りの巨大な庁舎。赤黒い空と沈黙)


「音も光も吸い込まれてる……ここが黄泉の中心か」


(裁定の間。気品ある大王・雅閻魔が登場)


雅閻魔

「よぉ来たのう、空にぽん吉……あの男、ええ見ものじゃったぞ。土下座で突入する姿、わらわも思わず評価したくなったほどじゃ」


「彼は今どこに?」


(扇を振ると幻影が浮かぶ)


雅閻魔

「ふむ……無間地獄で“地獄解説”しておるわ。勝手に番組撮りながら落ちてしもうたな」


ぽん吉

「よりによって最下層やん!」


雅閻魔

「通常の道では二千年かかるが、“オモイカネ様の釣鐘エレベーター”で直行できる。許可証を出してやろう」


「ありがとうございます!」




第三章:特別便・釣鐘エレベーター


(地獄特急便と刻まれた巨大な金属製釣鐘)


ぽん吉

「初めて見たけど……釣鐘というか、兵器やな」


「揺れそうだけど、もう乗るしかない!」


(許可証を確認する獄卒)


獄卒

「……確かに閻魔様の直筆。ご乗車ください!」


(低い音を響かせて扉が閉まる)


獄卒(外)

「では、発進――!」


(ゴォォン……!!)


(鐘の中が赤く光り、重力が歪む)


ぽん吉

「うおおお……胃が口から飛び出しそうやあああ!」


「浮いてる! でも前に進んでる気もしない!」




第四章:無間地獄・救出劇


(暗黒と業火の地獄。重力も時間も狂っている)


ぽん吉

「あれ見て空はん! 中央で何か回ってる!」


(「地獄のコーヒーカップ」が秒間百回転の速度で回転中)


エリック

「まわる~ま~わるよ、時代はま~わる……げぇっぷ……」


「エリック!? なにしてんの!? 」


(操作盤にいた巨大なオーガが会釈)


オーガ

「……ルシフィス様のご関係者でしたか。すぐ止めます」


(停止レバーをガコン)


エリック

「ぐはぁ……地面が……上下する……」


(よろよろ歩くエリックが“地獄の炊飯ジャー”へ)


ぽん吉

「おいっ!? 今度は炊かれに行くんか!?」


エリック

「ほかほかぁ……お米の精に……抱かれたい……」


(ドボン)


「やめろーーっ!! 脳みそ蒸れるぞ!」


(引き上げると、頭から湯気がぷしゅう)


ぽん吉

「炊かれた……完全に炊かれてもうた……!」



エリック(炊きあがった後、ふたが開いて)

「……ふっくら三割増しの“地獄めしエリック味”、ただいま蒸気と共にご提供~! つーか誰だ、“追い地獄だし”かけたヤツはぁぁぁっ!?」


――地獄の炊飯ジャー、※炊きあがりに叫び声が出ます。




最終章:帰還!天空門


(その後、釣鐘エレベーターで帰還後、雅閻魔様に芸人ポイントもらい、三人は天空門に帰って来た)


ぽん吉

「やっぱ“帰ってからのあんころ餅”は格別やな!」


「命あってこそ、だね」


エリック

「助けてくれてありがとう……もうスライディングしません……」


カメラマン

「エリック~助かって良かったな! 朗報だぞ、初の視聴者リクエストが来てる!」


エリック

「えっ!? マジ!? 感動ぉぉぉ!!」




次回予告


『おしえて!エリックさん』

~森の湖畔に!? ガブリールを追え!~




【提供】


《未練バンクYOMI支店》〜後悔で資産形成を〜

《魂屋本舗》〜思い出、そろそろ手放しませんか?〜


※本作はフィクションです。実在の宗教・団体・人物とは一切関係ありません。



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