第六十一弾 おまけ 黄泉の国2025秋撮影秘話
前編「デュラハン先生の首が見つからない!」
アシスタント
「本日は――黄泉の国から2025秋・総集編の撮影舞台裏を紹介! 今回は、あの文法修行の鬼、デュラハン先生の首が消えた! 事件についてお届けします!」
(カメラ:文法修行セット。黒板の前に立つデュラハン先生〈胴体だけ〉)
スタッフ小鬼
「カメラリハ入りまーす! 先生、首の位置合わせお願いしまーす!」
エリック
「先生、今日もお元気そ――えっ? 首が……ない!」
(スタジオがざわつく。観客の鬼たちが「ざわ…ざわ…」)
ホタル
「えっ、お父さん……じゃなかった、先生の首、どこ行っちゃったの?」
五朗
「ん~、こりゃあ……秋風に飛ばされたんでねぇか。首も文法も、風通しが命だぁ」
デュラハン先生(胴体のまま腕を組む)
「落ち着け、皆の者。首を失うのは職業病だ。確か……スタッフが小道具袋に――」
(スタッフ小鬼、青ざめた顔でダッシュ)
スタッフ小鬼
「す、すみません! 文頭空白保存協会の資料と一緒に……倉庫にしまっちゃいましたぁ!!」
五朗(ため息まじり)
「ほらみな……文頭空けすぎの祟りだ。」
ぽん吉
「なんやそれ!? 余白に吸い込まれたんか」
(ズズン! 照明が落ち、煙の中からキラキラしたスーツの3人組が登場!)
???
「呼ばれて飛び出て――!」
三人同時に
「三点リーダー戦隊☆ドットレンジャー!!」
エリック
「出たぁ! スタジオ壊すほどの勢いで出たぁ~!!」
半角レッド
「首が消えた? つまりこれは――構文崩壊事件だな!」
半角ブルー
「余白の渦に吸い込まれた可能性が高い……フォント波長の乱れも確認できる」
半角ピンク(キラキラしながら)
「キャー! 首って、メイクどこでしてるの? すっごい演出~!」
デュラハン先生
「誰が演出だ! 本物の首喪失だ!!」
(レッドが天を指差す)
半角レッド
「よし! ドットレンジャー、出動! 首を探しにゆくぞ!」
(BGM:♪ドット・ドット・パトロールマーチ)
――その頃、三途の川のほとり。
(餓鬼たちが笑いながら何かを投げ合っている)
餓鬼A
「いくぞー! ボールパスッ!」
餓鬼B
「トライィィィィ!!」
餓鬼C
「あちゃー、やられた~!」
鬼五郎丸
「コンバージョンキック決めるぜ!」
餓鬼A
「行けー! 五郎丸!」
(鬼五郎丸のキックが炸裂し、デュラハン先生の首が宙を舞う)
半角ブルー
「あれは……! 現行犯、確認!」
半角レッド
「よっしゃ、首確保ォォォ!!」
(レッド、飛び上がりゴール寸前でキャッチ!)
半角ピンク
「キャー! レッド~! ジャンプ一番、輝いてるぅ~♡」
(拍手と歓声。BGMフェードアウト)
アシスタント
「こうして首は無事に回収! しかし、餓鬼たちは、スポーツ魂を発揮しすぎたとして閻魔庁に呼び出され――」
(場面転換:閻魔庁。玉座の上、雅閻魔大王)
雅閻魔大王
「おぬしら、デュラハンの首でラグビーとは何事じゃ……!」
餓鬼たち(正座してしょんぼり)
「す、すみません……でも、盛り上がりまして……!」
雅閻魔大王
「……ふむ。じゃが、鬼五郎丸のキックは見事! おもしろかったから、許そう!」
(スッと現れる影)
半角魔人
「閻魔様、それが……黄泉のユーモアっすよね」
雅閻魔大王
「お主は誰じゃ?」
半角魔人
「オレ? オレは半角魔人。半角の呼吸を越え、今は全角と共に生きる者さ……」
半角レッド
「裏切り者ぉぉぉぉッ!!」
エリック
「なんの勢力図? どんどんややこしくなってる!!」
デュラハン先生
「全員落ち着けぇぇ!! 今は収録中じゃぁぁ!!」
(スタジオ爆笑、テロップ「※このあとちゃんと撮り直しました」)
アシスタント撮影メモ
NG回数:17回(うち首紛失3回)
半角レッド、ドットポーズずれ:5回
エリック、笑いすぎてセリフ飛ぶ:3回
ぽん吉、感動して泣く:1回
半角ピンク、デュラハン先生を「首なし系イケオジ」と呼び炎上:1件
(エンディング。閻魔大王が満足げに腕を組む)
雅閻魔大王
「……首でスポーツ、半角で友情、余白で平和。よし、次は提供テロップ地獄を放送するのじゃ!」
(カメラズームアウト、黄泉スタッフたちが再びバタバタと走り回る)
アシスタント
「次回――後編『提供テロップ地獄、終わらない編集会議!』黄泉の国から2025秋、撮影秘話をお楽しみに!」
提供
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『魂屋本舗』~想い出、高価買取いたします~
『文頭空白保存協会』~その一文字、守ります~
そして――
『三点リーダー戦隊☆ドットレンジャー』と、雅閻魔大王の気まぐれ一喝でお送りしました。




