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魔法で世界を救います!  作者: しゃのん
5章 : 魔法使いの運命
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97 : 魔法使いの運命

 時間は少し遡りリースが結界を壊す直前、

 結界を壊すために防衛局に侵入したレオンは奥へと進んでいた。

 レオンは何故か誰ともすれ違わずに更に奥へと進んで行き、突き当たりに到着する。

 レオンが手を差し出しながら前へと進むと壁が歪み、更に奥へと進む道が現れる。

 レオンは隠されていた道に進み、鍵のかかった部屋を見つけると魔法を使い鍵を破壊する。


「久しぶり、玲央」


 部屋の中には大きな装置。そして、女性が1人だけたっていた。


「香織か。防衛局に居たんだな」


 レオンは警戒をしたまま部屋の中に入る。


「うん。あなたのために…ね」


 女性はそう答えながら装置に手を置く。


「これは魔法を使えなくする装置。使った人は永遠に魔法が使えなくなるの」


 女性は置いていた手を装置から離し、レオンを見る。


「オレには必要ない」


「知ってるんでしょ?覚醒した魔法使いと魔物の関係を」


「ああ。知っている」


 女性の言葉にレオンは即答する。

 レオンの言葉に女性は動揺して声が震える。


「だったらなんでよ………覚醒し続けると魔物になるのに……………なんで戦うの………なんで魔法を使うの………」


「それはオレの勝手だ」


 レオンの言葉に女性は理解する。レオンは魔法を使うことを恐れていない。そして女性の言うことを聞くつもりは無さそうだった。


「あたしは嫌!!!玲央が死ぬところも、魔物になるところも見たくない!!!だからあたしは……あたしはずっと頑張ってきたのに………」


 女性の瞳から涙が落ちて床を濡らす。女性の涙を見てもレオンは動揺もせず、平常心のままであった。


「オレは死なない。魔物にもならない。だから、オレは魔法を使う」


 レオンは自分が最強であると自覚している。だからこその自信、そして余裕があった。それに、妖精がいる限りは魔物にならない。現時点では魔物になる可能性はほとんどないと分かっている。


「……………そう」


 女性はポツリとつぶやき、装置に触れる 。




 ___________



 あたしが装置に触れると装置が動き始める。


「玲央は変わったね。力を持ったからだよね?………だから魔法を消して元に戻すね」


 昔の玲央は優しかった。

 あたしが困っていた時はいつも助けてくれた。優しくて頼りのある幼馴染。


 そんな玲央も力を持って変わってしまった。

 表面上は優しく見えるけど、魔法を使うことを楽しんでいる。そして魔物を倒すことを楽しんでいる。

 あたしが玲央を昔のように戻す。どんな手を使ってでも…


 これは近くの者の魔法を消す装置。

 起動すれば玲央の魔法は消え、玲央が魔物になる可能性は無くなる。

 効果は実演済だから確実に魔法は無くなる。



 魔法の無い平和な世界。


 魔物は防衛局にある武器で倒せる。魔法が無くなれば新たに強力な魔物が出ることは極端に減る。魔法による力の差はなく皆が平等。平等だからこそ争いは無くなる。


 あたしの願いの為に装置は動く。地面に蜘蛛の巣のように光の線が伸びていく。





 あと少し


 あと少しで魔法が無くなる


 魔法の使えないこの結界の中なら、この装置は止められない






獄炎(ごくえん)


 玲央の剣は炎を帯び、その炎が装置を包み込む。


「なんで………魔法が使えるの………」


 なんで?

 結界では魔法が使えない。実験してそれは確実なのは分かってた。Sランクですら魔法が使えなくなるはずだった。


「さてな」


 玲央は燃える装置を更に切り刻む。



 その瞬間、装置から光が膨れ、大爆発した。


「…ごめんな」


 衝撃が襲いかかり、あたしの意識は飛んでしまった。





 ___________





「草野さん、大丈夫ですか」


 長瀬君の声が少し遠くからきこえる。


「大丈夫と言いたいけど、ダメそう」


「……………分かりました、良くなったら来てくださいね」


 そう言って長瀬君は去っていく。



 あたしの瞳からは涙が止まらない。




 ___________





 あたしは小さい時は魔法使いになるのが夢だった。

 悪である魔物を倒し、日本を守るヒーロー。

 玲央と同じ夢だった。


 夢は叶い、あたしは魔法局でAランクになった。

 でもあたしと玲央は目の前で魔法使いから魔物になった人を見てしまった。



 魔物は人間だった。人間が魔物になった。



 魔法局に隠されていた資料では、上位の魔法使いが突然強力な魔物に変わった例が何件もあった。

 覚醒すると魔物に近付いていく。そして突然魔物へと変わる。

 資料にはそう記されていた。


 あたしは玲央と一緒に辞めようとするが玲央は辞めなかった。

 あたしは怖かった。

 魔物なんかになりたくない。魔物になる人を見たくない。

 そして魔法局を辞め、防衛局で魔物と魔法の研究を行った。


 魔物になりたくない。魔法使いを魔物にさせたくない。そうして魔法が使えなくなる装置を完成させた。

 あとは玲央を誘い込んで装置を使うだけ。


 魔法を使えなくする結界を使えば確実に防衛局に来る。その予想通りに玲央は防衛局まで来た。

 でも、魔法を使われ装置は破壊されてしまった。



「なんでわかってくれないの」


 魔法に未来は無い。

 魔法を使えば使うほどに死に近づいていく。抗えば抗うほどに変えられない運命に気付く。




 魔法なんて無くなれば良いのに


ちょっと強引な感じがしますけどどうにかまとまりました。

あと2章の予定…

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