7 : ランクEの魔物
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今更ながら主人公の本名を追加。
そして、一部主人公の名前を間違えていたことに気付き、修正
「そして、魔法局が作られました」
マリナが思考の海に沈んでいたところ、先生がこちらを見ていることに気付く。
マリナは目が合うと直ぐにその目を逸らして授業に意識を戻す。
(考えても答えは出ないし、授業聞かないとね)
魔法局とは、魔法を使って人間を守るために戦う団体だ。
マリナが所属しているところである。
魔法局に入っている場合は、魔物を倒すと討伐報酬としてお金が貰え、上位魔物だと討伐すると億単位のお金が貰える。
さらに、魔法局に登録されてない人が魔法を使用した場合はいかなる場合でも犯罪者として指名手配されるため、所属だけしている人もいる。
登録されている人も、緊急以外で許可なく魔法を使用した場合は指名手配される。
入るメリットはあるが入らないメリットは少ない。
【緊急連絡 緊急連絡 魔物が出現します】
授業に参加していると突如アラームが鳴る。
魔物がこれから出現する時になるアラームだ。
詳しい仕組みは公開されてはいないが、魔法局は魔物の出現を予測する機械を持っている。
出てくる魔物の種類、強さ、位置を正確に予測でき、予測率は脅威の99.9%となっている。
「おっと………緊急連絡があったから今日はここまでにする。これから外に出るやつもいると思うが、死ぬなよ」
先生が教室から出ていくと強制的に教室から退出させられる。
教室から出ることでバーチャルから現実世界に戻ってこれる仕組みとなっている。
マリナは現実世界に戻ってくると直ぐに腕輪の呼び出しに答える。
「マリナです」
「魔物の出現よ。ランクCが1体とランクEが2体出てるからランクEを1体お願い出来る?」
腕輪からはアオイの声が聞こえる。
ランクEは今ならマリナでも余裕である。
「大丈夫です」
答えながら、マリナは気を引きしめる。
油断することで負けることもある。
「なら転位位置を送信するから直ぐに飛んでね」
「わかりました」
返事をすると直ぐに腕輪が光る。
転移準備が出来たことを確認するとマリナは深呼吸をする。
これから戦いになる。
マリナがボタンを押すと河原へと転移される。
________
マリナが転移して直ぐに魔物も光の中から現れる。
アオイのの連絡通りランクEの魔物で、キリンのような長い首を持った見た目。
この魔物は長い首をムチのようにしならせて攻撃してくる。
魔物とマリナの距離は50メートル程。
マリナの魔法の攻撃範囲。
「ノヴァフレイム!」
先手必勝ということで、マリナは5メートル程の炎の塊を魔法で作り、魔物に向かって発射する。
魔物は首をしならせて弾き返そうとするがマリナの魔法の方が強い。
弾き返せずに魔物は魔法に直撃し、身体は燃えていき光の粒子になった。
「もう終わったのね」
魔物を倒すと、後ろから声が聞こえる。
振り返るとアオイがいる。
「……なんでアオイさんがこんな所に?」
アオイはランクCの魔物のところに行ってると思っていた。
何故こんな所にいるのかが分からない。
「もう一体のランクEを瞬殺してこっち来たの。あっちにはミナトとシャルル行かせたから大丈夫」
アオイはマリナの考えていることが想像出来ていたため、マリナにそう答える。
(あの2人だったら大丈夫かな。2人ともCランクだし。)
名前が出た2人はCランクで、ミナトは幼馴染の三上湊斗。
シャルルは同級生の明星悠真。
魔法使いとしての登録名は本名と変えてる人が多い。
アオイは本名で、リコは本名から変えているとマリナは聞いている。
マリナは本名は金森麻里奈で、アオイと同じく本名と同じにしている。
本名以外が付けられるようになったのは、過去に助けられなかった民間人の身内による事件があり、名前で判断できないようになった。
そして、法律では仕事中は魔法使いとして登録された名前以外では呼ばないようにとされている。
さらに、魔法使い達が持つ腕輪には、素顔が認識できなくなる魔法がかけられている。
名前と顔、それを分からなくすることで魔法使い達を守っている。
腕輪には更に仕事用の防御魔法のかけられた服が収納されており、仕事はそれを着て行っている。
マリナは膝丈スカートタイプの水色のフリル付きのロリータ系の服を登録しており、小柄なマリナには良く似合う。
魔法局に入った時に登録した服だが、お気に入りではあるためこのまま使っている。
魔術師と言うよりは魔法少女という雰囲気だ。