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魔法で世界を救います!  作者: しゃのん
5章 : 魔法使いの運命
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78 : 魔女は動く

 魔法局の局長室の中、老人が1人だけ部屋の中に居り、他には誰も居ない。

 老人は1人でチェス盤に向き合い、相手側の盤面のクイーンを動かす。


「ラミエルよ、お前の選択はそれか。悪くは無いが良くも無いな」


 盤面は相手側が優勢。と言うよりも老人側の盤面には駒がほとんど無い。老人側の勝利は絶望的だ。


「さあ、このポーンがどうなるか、ポーンのままか、ナイトやビショップに変わるか、クイーンになれるか。見ものだな」


 老人はポーンを進める。最終段まではあと1マス。ポーンの近くにはルークとナイトが居るだけ。

 あとは相手の駒しか居ない。


「さあ、マリナ。人類の未来は君達にかかっているよ。人間達の力を見せてくれ」


 老人は自身の髭を触りながら、窓を開けて外を見る。青い空、白い雲。そして、緑豊かな自然までここからだと見える。まるで平和であるような風景が広がっている。


「俺の愛しているこの世界。魔女が勝つか人類が勝つか、それとも妖精か。見ものだな」


 老人は外を見ながら呟き、遠くを見つめた。見つめた先は中四国支部がある方向。


「開幕だな」


 その方向を見ていると空の色が黒くなっていく。魔女が動き出した。



 ___________




「魔物の反応!?しかも大量!?」


 魔物が大量に現れる。

 それは中四国支部の近くだけではなく、日本全国、更には世界同時に発生した。


 魔法使い達は各地に散らばりながら魔物を倒しに向かっていった。


 マリナはひとりで魔物を倒しに向かい、魔物と対峙する。

 相手はランクCのデスサイス。大きな鎌が特徴のカマキリの魔物である。

 デスサイスはマリナを見つけると鎌を振り上げて威嚇するが、そこはマリナの間合いである。


「スーパーノヴァ」


 マリナは爆発魔法を使って魔物が何かをする前に爆発させる。魔物は爆発で粉々に吹き飛び、光の粒子となって消えていく。


「数が多い…」


 マリナはこれでランクCを5体目、ランクDも5体倒している。

 終わらない戦いに疲れが溜まりながらもふと顔を上げて空を見る。

 この高台から見える空は格別で、街の景色も合わさり、いつもなら絶景である。


(あれ?空の色ってあんな色だったっけ?)


 空の色は鈍色になっており、雲に閉ざされ、暗くなっていく。

 雲の隙間から、何かが1つ、ゆっくり落ちてくるのが見えた。


「あれは…何?」


 その何かは数が増え、雲の隙間から大量に出てきてゆっくりと街の方へと落ちていく。

 遠くからであるため、小さい何かに見えるが、遠くから見ているため、実際は大きい事が分かる。


「あれは魔物だね。見た感じはキラー・ビー・ナイトかな?強さで言うと…ランクB~Sくらいになるはずだね」


 エルは魔物と言った。つまりは倒さないといけない相手だが、数が多い。マリナ一人では全部を倒すことは難しいかもしれない。


「倒すんだったら急いだ方が良いよ?あの魔物は_______________」


 エルの言葉にマリナは顔を青くさせ、マリナは街の方へと飛び出した。



 ___________




 俺はブルース。Cランクになったばかりだ。大切な仲間であったパルラを失いながらも俺はあいつに顔向けできるように魔物と戦っている。

 俺の剣はまだまだ弱いが、自分に出来ることをする。ランクDの魔物であれば俺の剣一振で倒せる。


「あれは何?」


 魔物を倒して一息つこうとした矢先誰かが空を指して言う。俺も指を指す先を見上げると黄色の何かが複数個降ってきているのが分かった。


「もしかして…魔物?」


 近くには俺以外にもCランクの魔法使いが2人も居る。しかも、俺よりも強く、歴も長い。安心の出来る人達だ。


「だとしたら数が多いな。どうなってるんだよ」


 黄色い何かは沢山見えていたが、今は5体がこちらの方へと落ちてきており、残りは別の所へと進路を変更していった。3人で5体の魔物と戦うことになる。しかも、多分ランクCくらいの大きさに見える。魔物はランクが上がれば基本大きくなる。そのため、魔法使いは遠くからでも何となくのランクは分かっている。

 俺達3人は背中を預け合い、固まる。

 そうすることで、自分の死角は他2人のどちらかが見えているはずであり、後ろからの攻撃は防げる。近付くことで、声もかけやすくなり複数の魔物であっても戦いやすくなる。

 魔物は更に落ちてくる。そして、魔物の姿がしっかりと見える。

 蜂の魔物であり、西洋風の鎧みたいなものを纏いながら剣と盾を持っている。

 蜂の魔物は5体で俺達を囲った。

 俺は剣を構える。相手の力量は同じくらいに見える。油断はしない。絶対に倒す。


「この魔物…まさか!?ダメだ!逃げ___!」


 その瞬間、背中に生暖かいものが触れ、鉄の匂いがした。

 何かが足元に転がる。

 俺はそれが何かを分かりながらもそれを見ないようにする。見たら俺は動けなくなるのが分かるからだ。

 見なくても足が震えてくる。

 後ろで何が起こったのかは分からない。後ろにいた2人のうち確実に1人は死んだだろう。熟練のCランクが一瞬で死んだと言うことは俺よりも強い。


「まだまだ死ぬつもりなんてないんだよ!!パルラの分も俺は生きるんだ!!」


 身体が熱い。今なら何でも出来そうな気がする。持っている日本刀に魔力を流し込むと日本刀は風が纏う。


「抜刀・波切(なみきり)


 前にいた魔物2体に日本刀が当たると真っ二つに切れて、目の前にいた魔物は粒子に変わっていった。

最近また仕事が忙しくなってるので更新が少し遅れます。すみません。そして、来週は出張なのでストック作らないと…

次の更新予定は金曜の予定です。

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