5 : 戦いの後で(side:アオイ)
「マリナちゃんは何か隠してるねー」
マリナとの戦いを終え、マリナを帰らせるとリコと2人きりの会議室内であるが、リコは小声で言う。
「そうね。でもあの子は変なことする子じゃないし…気にはしとくわ」
「アオイはマリナさんには優しいよね〜?大好きな妹だもんね」
うるさいリコの頭をとりあえず叩いておく。
「あんたみたいに力を制御してる感じに見えたわね。本気出せばAランクレベルの魔法使えるんじゃないかしらね」
「アオイがそう言うってことはそうなんだろうね。
なら…守るためには……………ね?」
「分かってるわよ。私が専属で付くから無茶はさせないし、守るわよ」
いきなり力を得た子がどうなったか…過去何人もそういう人がいた。
そして無茶をして死ぬ事もかなりの件数あったことも。
「気をつけてね」
「何かあったら直ぐに離脱するから大丈夫よ」
「それならよし。……じゃあ私は報告書作らないとかなー…」
何かイレギュラーがあった場合は報告する義務がある。
中四国支部長のリコの仕事になる。
「リコ…わかってるよね?」
「わかってるよー。マリナちゃんから聞いた事しか書かないから」
そのままリコは部屋から出ていく。
リコなら安心できるけどこれからどうなるか分からない。
あの子を守らないと…
魔物からも魔法局からも…
それが私の生きる意味だから…
私は涙を拭い、部屋から出る。