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魔法で世界を救います!  作者: しゃのん
2章 : 師匠と弟子
24/93

23 : 2人とふたり

 エルの話だと、力を妖精に分けているためエルの力が弱くなっており、魔法も弱体化し、小さい身体にしかなれないとの事だった。

 エルは見た目も性別も明確には無く、好きなように姿を変えられる。

 生き物と言うよりは天使ラミエルという『存在』とのことようだ。




「リース、モネ。ボクがマリナと契約してることは黙ってて欲しい」


 リースはエルのお願いに素直に頷いた。リースもモネがいることを公表していない。妖精と契約している人達はみんな黙っていた。1人を除いて。

 その人は当時、魔法局でも、テレビでもネットでも話題となり常時人に囲まれてしまっていた。

 それ以降は誰も公表していない。


「バレたから言うけど、魔法局にも妖精は何人かいるから。ちなみに、マリナさんの知ってる人に契約してる人がいるよ」


 リースはその言葉を聞いても驚かない。リースもモネに教えて貰っているからだ。

 モネは魔力の匂いで妖精の判断ができる。妖精と契約した人には多少なりとも妖精の匂いがしていた為、モネには誰が契約しているのか把握出来ていた。

 風の妖精だからこそ出来た事だった。


「でも、誰が妖精と契約していることは秘密だからね、必要になった時には伝えるよ」


 エルはそう言いながらリースとネモを見る。マリナには言うなと言っている。

 リースとモネはエルに頷いた。

 エルはそれを見るとマリナの中に入っていった。




「リース…。妖精以外にもマリナさんに言うこと…ありますよね?」


 エルが消えるとモネはそう言いながらリースの中へと消えていった。

 モネの言葉に、そうそう!と言いながらマリナの方へと向く。


「中四国支部にシノノメが就くって聞いたの。表向きは、魔物探知機の故障の可能性の為の臨時待機、になっているけど、マリナさんの監視だと思う」


 シノノメとはSランクの男の土魔法使い。硬い岩で守りを固める、防御寄りの魔法使いだ。


「あまり良くないことだけど…ウチの弟子だからいいよね?

 シノノメの魔法は土魔法と身体強化魔法。身体強化の方が脅威ね」


 シノノメの身体強化魔法は魔法局には登録されていない。

 他人の情報を教えるのはマナー違反ではあるが、リースはマリナに教えた。


「アイツが身体の周りに赤色の魔力を纏った時は身体強化魔法を使う前兆だから。大丈夫だとは思いたいけど、何かあった場合は直ぐ転移して。転移先はここに設定変えておくから」


 リースは最悪の予想をする。

 マリナはランクAのエンタペスとの戦いでは魔法で倒している。威力だけで言うとSランクの魔法だった。

 マリナは大きな弱点がある。リースとの戦いでも露見していたが、接近戦が弱く、魔法を放つまでに隙がある。

 エンタペス戦では接近時は大雑把な魔法で、アオイが助けなかったら死んでいた。

 そして、倒す時もアオイが足止めしていたことで魔法を放てた。

 リース戦でも、マリナが詠唱している中でリースはその場で留まっていた。詠唱中に攻撃すれば直ぐに倒せる状態であったが、リースは魔法を撃たせてくれただけだ。


 もし、シノノメがマリナと戦うことになった場合は相性が悪すぎる。

 土魔法による堅い防御は魔法を詠唱しないと壊せないだろう。だが、詠唱すると身体強化魔法で接近戦を強いられてしまう。

 マリナには勝てないだろうが、転移すれば良いだけ。

 リースは最悪の事態を想定して身体強化魔法についてマリナに教えた。


「あと、アイツは見た目だけは良いから気をつけて。そういう被害があったのも聞いてるから騙されないようにね」


 顔が良く、ファンクラブまであるという噂を聞いたこともあるが、良くない噂も聞いていた。

 実際にリースは、他の人がシノノメの被害にあったことを聞いていた。魔法局にリースが直訴したが、Sランクからの直訴であっても対応して貰えなかった。


 マリナはリースの真剣な表情に、何かあった時には直ぐに転移しようと決めたのだった。



 ___________



 マリナが帰り、リースは部屋の中で独りに…1人とひとりになっていた。

 ソファーに座り、ジュースを飲みながらリラックスしていた。



「リース………… 。エル…さんはマリナさんに全てを伝えていなさそうです………」


 エルはモネに本当の名前ではなく、「エル」と呼ぶようにお願いしていた。そのため、モネもリースもエルと呼んでいる。


「………というと?」


 リースはモネの言葉の意味が分からなかった。小声になりながらも聞き返す。


「マリナさんのことですけど____________。多分…______」


「え……………………」


 リースはモネの言葉に衝撃を受けて持っていたコップを落とす。

 中に入っていたジュースが床に広がるがリースは固まったままの状態だ。


「わたくしだからこそ分かりました。匂いとエル…さんの話とマリナさんの言葉、間違いありません」


「そう………」


 リースはその言葉を聞いて目を瞑る。


「あとは__________________」


 更に続くモネの言葉に驚愕する。


 マリナは運命に選ばれた


 リースはモネの言葉を聞いてそう思った。

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