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魔法で世界を救います!  作者: 黒川紗音
1章 : 魔法の世界
13/129

12 : 怪物

 魔物を倒して3人が油断していた時、突然空にヒビが入り、空間が割れる。


 空間が割れて黒い空間が見え、3人がそちらを見ていると、中はブラックトレントと同じくらいの大きさの手が4本付いた赤色のゴリラが現れる。


「なんだあれ……?」


 ミナトがそう呟いた瞬間、ゴリラが2本の腕でドラミングをする。


「〜〜〜〜!!?」


 ドラミングの音が聞こえると身体は潰されたように地面に倒される。

 マリナ達は起き上がろうとするが強い力で押さえ付けられており、起き上がることが出来ない。


(あれは、ランクAのエンタペスって魔物だね。ドラミングで重力魔法を発動させて動きを止めてくるやつだね)


 マリナは力を入れるが起き上がれそうにない、そして、身体が上から潰されているようで、呼吸も上手くできなくなっていた。


(マリナ…ボクに任せて)


 エルがマリナにそう言うと、重力が消えて身体は一気に楽になる。

 マリナは呼吸を整えながら起き上がると周りを見る。

 少し先にはミナトとシャルルは倒れたままの状態で起き上がろうとしているのが見えるが、倒れたままだ。

 その2人の近くにエンタペスは降り立った。


(マリナ!早く逃げないと!)


「……!! エンタペス!あなたの相手はわたしよ!」


 エルの声を無視して、マリナはウォーターランスをエンタペスに放つ。

 エンタペスはマリナの方にに顔を向けると空いた手で魔法を弾く。

 マリナはエンタペスと目が合ったような気がした。


「グォオオオオオオ!」


 エンタペスは吠えながら更に激しくドラミングをすると身体が少し重くなってくる。


「逃げろ!マリナ!!」


 倒れながらもミナトは大きな声を出してマリナを逃がそうとする。


(逃げないと死んじゃうよ?あの2人は諦めて早く逃げようよ)


「わたしは…諦めたくない!!2人は殺させない!!」


 マリナはエンタペスを睨む。

 エンタペスを睨みつけていると、エンタペスは空高く跳んだ。


(マリナ!避けて!)


 エルの声に、マリナは今居る位置から横に飛び跳ねる。

 その直後爆発音がして、先程までマリナが居た場所は大きなクレーターが出来ている。

 エンタペスは自分に重力魔法をかけて急降下攻撃をしてきたみたいだ。


「反則でしょ……」


 マリナは直前で跳んだことで直撃は避けたがエンタペスの着地の衝撃で飛んできた石が身体に当たっており、全身の至る所にダメージを受けた。

 頭は手でガードしていた為、腕は血で赤く染っている。


(痛い……けど……)


「ヒール…!」


 マリナは回復魔法を使って傷を治し、痛みを癒す。


(来るよ!)


 怪我を治したところでエンタペスは土の塊を投げてくる。


「アースウォール!」


 マリナは土の壁をだして、ガードする。

 土の塊はアースウォールに当たって

 砕け散る。

 土が飛び散りることで土煙となっており、視界が悪くなってしまう。


(マリナ!右から来てる!)


(右!?見えない…っ)


 周りは土煙で見えないが、エルの言葉を頼りに魔法を放った。


「タイダルウェーブ!」


 どこにいるのかが分からなかったため、水魔法の範囲攻撃を行い、巨大な波が発生してマリナの右側を水で埋め尽くす。

 水で洗い流した先は何も無い。


「やった………?」


 そうマリナが思った瞬間に視界の左側からエンタペスが現れる。



(今度こそ…死んじゃう)



 エンタペスが勢いよく近づいてくると目を閉じてしまう。


「頑張ったわね、マリナ」


 後ろから声が聞こえると、猛烈な風が来てエンタペスだけを吹き飛ばす。


 この人は………


「アオイさん」




 ___________



 遡ること10分前


「これは………!?ランクAのエンタペス!?なんでこんな所に!?」


 突然現れたランクAの魔物に中四国支部内は慌ただしくなっている。


「アオイ!行きなさい!」


 支部長のリコは待機していたアオイに指示を出す。


「………リコ、あなたが行きなさいよ」


 アオイは先日起こった出来事を思い出して躊躇する。


「あなたが行くべきだよー。心配なんでしょ?」


 リコの言葉にアオイは口を紡ぐ。


「私が出てもいいけどねー、その間アレの対応は任せるわよ?」


 リコはとびっきりの笑顔をアオイに向ける。


「………………ありがとう」


 アオイは直ぐに引き締める。


「ん…早く行きなさい。転移先はもうあなたに送ってるから」


「いってくる」


 そう言うとアオイの姿は消える。


「ちょっと妬けちゃうけど、ちゃんと守ってあげてね。アオイなら大丈夫だよ」


 アオイが居た空間に向かってリコは呟く。

 リコはそのまま支部長室へと戻っていく。

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