108 : 男の魔法
前話あたりから今まで絡ませまくってた伏線を解き始めました。
できるだけ伏線回収忘れないように、ここに明記しときます。
でも、絶対に忘れてる伏線だろうなー…
「…はっ!」
ミナトは意識が戻ると周りを見渡して状況を把握する。
マリナはアリスの足元に居る。そして、アリスが男を押さえ込んでいるように見えた。
それを確認するとミナトは剣を取り、分身の一体に斬り掛かる。
流れるように切り刻むと分身は消滅するが、分身はまだ大量にいる。
次の分身に狙いをつけようとした瞬間にアリスの魔法が発動し、アリスの元へと転移させられる。
「本物を叩かないと意味無い」
ミナトは一瞬で移動したことにビクッと驚くが、アリスの魔法であると理解する。
「………本体は?」
目の前には何十体も男が居り、そのどれもが攻撃を始めている。
「…………わからない。けど、ここには絶対に居る」
アリスの魔法によって岩は転移させられ、分身達に直撃し、岩が当たった分身は消滅する。分身は消滅したが、更に分身が現れて総数は変わっていない。
アリスの魔法によってこの空間は外から干渉されなくなっている。分身が現れるということはこの場所に本体もいる事は確実だった。
更にアリスが魔法を使うと分身達は全て胴体を分断されるが、何事も無かったかのように復活する。
「本体は俺が探す。少し魔法を使うから、アリスは魔法を止めてくれ」
「……………………………わかった」
ミナトがそう言うとアリスはミナトを見つめる。そして、ミナトの力を感じ取ると、頷き、魔法を一旦止める。
ミナトは目をつぶり、意識を自身の中へと沈ませる。
ミナトが目を開けると、瞳が綺麗なライトブルーへと変わっている。
「アース・ドレイン」
ミナトが剣を地面に突き刺し魔法を使う。
地面が脈打ちながら、緑色の光が拡がる。
途端に分身が揺らめき、分身が消える。先程とは違い、分身は復活しない。
「分身は消したが…本体はどこだ?」
本体は隠れていると思い、ミナトが更に魔力を使うと地面からツタが生え、地面を覆っていく。
「見つけた」
ツタが地面を覆う先にツタはちぎれ、空を舞う。
ミナトが見つけた瞬間にアリスは魔法を再開させる。
見つけた男を空間ごとねじ切る。空間は手で握りつぶしたように歪み、男ごと捻れていく。
「……ッ!」
捻れていくだけだと思っていた中、アリスの空間魔法が突破され、男を中心とした衝撃波が発生する。アリスは咄嗟に魔法で防ぎ防御し、男の頭を空間魔法で消し去ろうとするが、発動した空間魔法は位置がズレ、頭の横の空間を消す。
ミナトもツタで男の足をはらうように振るわせるが、ツタはすり抜ける。
「アリス!」
アリスの頭上をツタで格子を作ると大岩が落下し、ミナトが魔法で受け止め、一瞬遅延させた。
アリスはその遅延を見逃さず、空間魔法で大岩を男の元へと転移させる。
転移した大岩は勢い良く地面に激突するが、男とは遠くかけ離れた位置にズレている。
「言っただろぉ?俺には効かないってなぁ?」
分身を止めたら次は本体を分身と同じように倒すだけだと思っていたが、ただ当たらない。それだけだが、ミナトもアリスも突破ができない。
「わたしがやる」
「マリナちゃん!?」「茉莉奈!?」
いつの間にか起き上がっていたマリナは魔法を使う。
「エンシェント・ホーリー」
雲が割れ、太陽が姿を現す。キラリと光が照らすと、
白い光の束が左右に稲妻のように折れ曲がりながら落ちていき、地面へと当たる。
「ぐああああ!?」
男とは離れた位置に落ちたはずだったが、男は声を上げ、地面に膝をつく。
男の周りには光の檻が出来上がり、男を中に捕らえる。
男は膝をついた状態でマリナを見る。マリナの瞳は金色に輝きながら男を見つめ返す。
「久しぶりね、ダンタリオン」
「ダンタリオン…?俺の事かぁ?」
マリナが声をかけ、ダンタリオンと呼ばれた男はマリナを見ながら首を少し傾げる。
「あなたもわたしも前と姿が少し違うけど…わたしは魔女。一緒に旅した事…覚えてない?」
マリナはダンタリオンに近づき、手で触れられる距離となる。
「………そんな記憶はないなぁ?」
ダンタリオンが魔法を使おうとするが魔法は不発となる。マリナの光魔法の檻によってダンタリオンの魔法は浄化されてしまった。
「やっぱり…忘れてるのね………あなたの魔法、借りるわね」
マリナはダンタリオンの肩に手を置き魔法を使う。
「フラグメント・メモリー」
「これ…は……………ぁぁ」
マリナはダンタリオンに記憶を流し込む。魔女であった時の記憶、そしてダンタリオンと出会った記憶、別れてしまった記憶を。
まあ、全員想像ついていたかと思いますけど、『魔女は』マリナです。




