107 : Sランク アリス
12/15 魔法名を少し変更してます
「この娘…?……………ああ、そういうことか」
マリナがその場に倒れ、ミナトは男に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
男は倒れているマリナへと近付こうとする。
「…サモン・シルフィード」
アリスは風の精霊を召喚する魔法を使う。
小さく渦巻いた風を纏った人の形をした緑色の小さな光がアリスの空間魔法から現れる。
アリスの魔法に男は再び大きな岩を作り出し、アリスの魔法へ岩を振り下ろしていく。
「…お願い」
風の精霊はアリスの言葉に頷き、岩に風を叩きつける。振り下ろされてくる岩は風によって押し返され、空中で割れる。
岩の破片は風で飛ばされ、男に当たるが、男の身体に当たった破片はそのままの勢いで通り抜けていく。
「…サモン・ノーミード」
アリスは次に土の精霊を召喚した。茶色の砂が空から落ち、丸い形をした小さな黄色い光がアリスの空間魔法から現れる。
「…覆って」
土の精霊は出てくるとアリスの意図を汲み取り、男を砂で覆い、男は砂の中に閉じ込められる。
「…サモン・サラマンダー」
アリスは更に火の精霊を召喚する。空間魔法から赤い火が広がり、火で燃え盛ったトカゲの形をした小さな赤い光が現れる。
「…焼き尽くして」
火の精霊は、口を開け、炎のブレスを放つ。炎は砂に当たると溶岩のように赤く溶けていく。溶岩に変わっていく砂は中に閉じ込めた男を溶かしていく。
風の精霊は熱を逃がさないように閉じ込め、土の精霊は溶けていく砂を留め、中にいる者を逃がさないようにしている。
精霊達の力で砂が熱に溶け、真っ赤に燃える。
燃えた砂は徐々に溶け落ちていき、中から男が現れる。
「そんな攻撃効かないなぁ?」
現れた男は熱の影響すらも感じさせない姿であった。
「サモン・ウンディーネ」
アリスは更に水の精霊を召喚する。空間魔法から水が流れ落ち、人の形をした小さな青く、暗い光が現れる。
「…押し潰して」
水の精霊は上空から水を出現させ、男へと水の塊を落としていく。地面は土の精霊が足を土で固めて逃げられないようにし、風の精霊が落ちてくる水を風に乗せ、威力をあげる。
どぉぉん。と水とは思えないような威力の塊が男に複数も落下し、水しぶきをあげる。
「こんなもんかぁ?」
水の中からは傷一つ無く、さらには濡れてすらいない男が現れる。
ランクSの魔物、ランクSSの魔物ですらダメージを与えられそうな攻撃であったが、まるで攻撃が届いていないような現象にアリスの中に居るリタが気付く。
(もしかして)
リタが魔法を使う。アリスから黒い小さな弾が飛び、男へと当たる。
男に当たった黒い弾からは黒い糸が根を生やすように大きく拡がる。リタが魔力を込めると糸は男へとくい込みながらどす黒く変色し、くい込んだ場所から魔力が流れ出ていき、その部分の反対の景色が見えている。
「おぉ…気付かれてしまったかぁ」
更に糸はくい込んでいき、その部分の魔力は流れていくと男の姿は完全に消えた。
「…もしかして…あれって偽物?」
「もっと持つかと思ってたんだけどなぁ」
アリスの後ろから声が聞こえ、アリスはすぐに振り返る。
アリスが振り返るとマリナは男に抱き抱えられていた。
「マリナちゃんは渡さない!」
空間魔法を使おうとした瞬間に、更に横に出現した男に右腕を掴まれる。
「お前の魔法は空間魔法かぁ?」
「ぁ………っ、ああぁぁッ!」
男の手に力が入り、アリスの掴まれた右腕は骨が砕け、アリスは痛みによって魔法が使えなかった。
「動作が遅いなぁ?魔法に慣れていないのかぁ?」
男はアリスの魔力の流れから、空間魔法の練度が低い事に気付いていた。そして、アリスの中にいる妖精の存在にも気付いている。
男は魔法を使おうとしている妖精を魔力で押さえ込みながら、捕まえている右腕ごとアリスを背中から地面に叩きつける。
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「か……………は…………」
衝撃は内蔵へと届き、アリスは痛みで意識が飛びそうになる。
(もう………失いたくない)
このまま意識を失ってしまったら、マリナも居なくなってしまう。
(アリスが…護る!)
途切れそうな意識が繋がり、感覚が戻ってくる。
神経に空間魔法を使い、痛みだけを遮断する。
男の分身は上空へと転移させ、足に力を入れて立ち上がる。
「もう奪わせない」
左手を下に向けて魔法を使う。
男の分身が抱き上げていたマリナをアリスの足元へ転移させた。
「アリスインワンダーワールド」
第3覚醒となったアリスの空間魔法は、何をどこにでも転移ができる。
アリスだけが支配するアリスの世界。




