あとは見守るだけ(第8話)
間章 嘆く神々の試み④
我々にできることはやった。
今しばらくは我々にも休養が必要である為、今はただ見守る事しかできない。
我々が管理している世界は他にもある為、それぞれ自分達の世界を見守る為に戻って行った。
まだ滅びに瀕している世界はいくつも残っているのだ。
それを滅ぼすわけにはいかない。
現在、融合した世界を見守る役目を負って居るのは融合の提案者と、元となった四世界の管理者である我々だ。
提案者は世界融合において最も重き役割を負って居た為に消滅の憂き目に遭い、休眠状態に陥っている。
我を除いた三人の消耗も大きく、休眠までと行かなくとも、活動に難ありという事で静養中だ。
我は比較的消耗が少ない方であったが、先述の通り、見守る事しかできない。
無論、この世界に異常があれば動くつもりではあるが、他の者達も消耗している以上、出せる手は限られる。
なので、今は提案者の言を信じてしばらくは何事も起きないことを祈る外ない。
……否、我々が祈られる側だった。
もっとも、我が見る限りでも世界は非常に安定しているように見える。
穏やかな光を湛える世界からは、静かでいて力強い生命の波動を感じる。
そして、そこに住まう生命達の祈りの力も。
……祈られる側とて、やはり祈らずにはいられない。
どうか、この世界に祝福を。
短い