頑張った神々(第7話)
間章 嘆く神々の試み③
世界の融合は無事、何事もなく終わった。
我々が推測し考え得る限りの被害は抑えることができた。
世界の調整に奇跡を乱用し過ぎた為、我々の消耗度合いは酷いものだが、想定の範囲内で済んだ。
ともあれ、融合した世界は安定しており、力強さを取り戻していた。
見たところ、創世が盛んだった頃――全盛期における大規模な世界と同等と言ったところだろうか。
この様子であれば、十分に成熟するまで消滅することはないだろう。
融合時の世界の調整は、繊細な作業だけあって久方ぶりの緊張と言う物を我々に強いた。
あのように緊張するような事などそうそうにあることではないが、良い刺激にはなった。
そして、この充足感も素晴らしい。
大きな仕事をやり遂げたのだから当然なのだろうが、このような気分は初めて世界を育て上げた時以来だ。
凡そ感情と言う物が無いに等しい我々だが、今回ばかりは特別だろう。
とはいえ、喜んでばかりもいられない。
予後の様子を観察して、問題がないかを確認せねばならない。
あくまで現状は問題がないだけなのだ。
世界の調整はしっかりと行ったが、何分前例のない事なので、問題が起こらないとは思えない。
提案者もおそらく何らかの問題は起こるだろうと言っている。
さすがにすぐさま世界が滅ぶような問題は起こらないと断言していたが、長期的には分からないと言うことだ。
もとより、問題のない世界等と言う物が存在しない為、我々のやることは変わらない。
これも