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推しは遠くから見守りたい!  作者: レーゴ。
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推しができました。

どうしよう。あの人の半径1m以内に入ってしまった…!

推しは遠くから見てたいのに…!

「佑亜、手繋ぐよ。」

やばいって…!

手繋ぐなんて、無理無理。私がやってはいけない行為…!

「これはルール。」

「…はい。いやいや、でもこれは!明らかにカップルというか、その…」

「じゃあ付き合うけどいい?」

ダメダメ!こんなに尊い存在、手なんか繋いだら速攻死んでしまう…!

「死にますよ…?」

「大丈夫、俺は殺さない」

あーもう!この状況で死んでない私がすごいわ!


あー…。告白…断らなければよかった…!



私は高橋佑亜。高校一年生。

恋愛経験は0。全く無し。勉強に尽くしてきた。

でも、高校は普通の高校を選ぶことにした。

制服が可愛くて、楽しそうな写真部もある。

だから、恋なんて私とは遠い存在だと思ってた。

「ねえやばくない?」

「それなー!超かっこいい!」

同級生の女の子達が、体育館で騒いでいた。

何事かと思い見に行ったら、イケメンの高身長男子がバスケをしていた。少女漫画でありがち。

でも、私は本気でかっこいいと思った。

恋をすることはないけど、かっこいいと思った。

「何?俺の話?」

とイケメンが同級生女子達に話しかけていた。

同級生女子達は倒れた。

「あれ。倒れちゃった。おーい。大丈夫ー?」

イケメンが話しかけると、同級生女子達はスパッと立って

「大丈夫です!」と言ってキャーキャー言っていた。

すると、ニコニコしているイケメンがこっちを見て

手を振ってきた。

「!」

私はびっくりした。

「これはアイドルのファンサ…?!」

「なんか言った…?」

私に言った言葉なのに同級生女子達が「世界一かっこいいなって言いました!」と反応していた。

「あ、ありがとう。」

私はすぐに後ろに振り返って走って帰った。

「はぁ…。」

「どうした佑亜。」

教室で友達の奈々のところに行って大きなため息をついた。

「あのイケメン男子は、推しという存在に近い。」

「なになに急に。」

「さっきイケメン男子がこっちを見て手を振ってた、私が見すぎてたから。これはアイドル、推しからファンサを受けた時に近い感情…。」

「推しか…」

私は「love littles」という少しマイナーなイケメンアイドルグループが大好きで推している。前に、そのグループのライブでファンサを受けた。その時の感情に近い。

「どうしましょう…」

「推しね…」

「さっきから同じ反応…どうすればいい…?」

「遠くから見守ってた方がいいよね…」

「それだーー!!!!!」

私は教室内で大きな声を出してしまった。

「あ…ごめんなさい…。」

「なになに急に…」

「遠くから見守る、そうだよ!いつもそうだったよね!遠くから見守ろう!」

私は新しい推しができた。

次の日から推しを見守る冒険は始まった。

推しの名前は高山樹新。樹に新しいで「きさら」と呼ぶらしい。珍しい名前だ。

推しは同じ一年生で、仲良い先輩が50人以上いて、

友達がたくさんいる。

誕生日はちょうど来月の8月16日。

女子達が祝う準備をしている。

来週末に校外学習がある。そこでたくさん観察する。


1週間後…

私と奈々は校外学習の準備をしながら電話をしていた。

「奈々ー。私推しの沼にハマってしまったわ。」

「お。いいことじゃん。しかも明日は校外学習。推しと一緒の班。」

そう。先生達が勝手にくじ引きして

私達2組と推し達5組が合同で行くことになった上に、

また先生達が勝手にくじ引きして、

推しと一緒の班になった。奈々と一緒になれたのはすごく嬉しかったが…これは…。遠くから見守ってたいのに!

「奈々、私やっぱ休む!」

「えええ、ちょ、それはダメ!私1人になる!」

「香澄とか、桜とか。たくさんいるじゃん!」

「やだ!!」

「…なんか嬉しいから行くわ」

「はい。まあ2人で楽しみましょう!」


次の日。

「なんで…」

出席番号順で推しと隣になった

「出席番号順なんて聞いてない…」

奈々は渡瀬奈々だから、一番後ろにいた。

周りはあまり喋ったことのない女子と男子。

女子は私を睨むし。

唯一、1人だけ仲良い男子が目の前にいる。奈々が思いを寄せている男子、染橋彗。関西出身で、関西弁を使っている。少しハスキーなのがチャームポイントらしい。

そしてすんごい優しい。

「彗、先生に何とか言えない?」

「何が。」

「隣がモテモテ男子で睨まれるので好きな人と組むの有りにしてくださいって!」

私は推しに聞かれないようにコソコソっと言った。

「別にええやん!モテモテイケメン男子の隣やで?最高やん!」

「全然最高じゃない!彗、いつも先生に頼み事して成功してるじゃん、その能力使って好きな人と組むの有りにしてもらえませんか?って頼んでくれないかな…その分のお礼はする!」

「うーん…わかった!任せとき!」

彗は走って先生のところに行った。

彗のニコニコの笑顔、あれは多分…

「佑亜!佑亜!」

「ど、どうだった?」

「OK!でもなんかその代わり、4人くらいで班組めって。」

「ありがとう!」

私たちが話していると、先生が前で手を挙げて注目!と叫んでいた。

「みんな、並べたか?ここでみんなに朗報だ。」

みんなが「え?なになに?」とざわざわしていた。

「好きな人と班を組むのがOKになった!でも、その代わり4人くらいで班を組むこと。」

みんなが「まじ!○○と一緒に行く!」とペアを組み始めた。

「じゃあ私は、もちろん奈々!あと…桜とか?香澄とか?」

「俺は?俺1人!?」

「じゃあ俺が組むよ。確か染橋彗くんだよね。」

と推しが彗の肩をポンと叩いて言った。

「そう。じゃあ私は香澄達と…」

「もう班組んじゃってるよ。」

「え。」

桜と香澄はもう友達と組んでいた。

「残ってるのは彗と君たちだけだよ。」

結果、私は女子から睨まれる羽目になった。

奈々はそんな視線を気にすることなく、推しと話していた。

推しは遠くから眺めていたい…。

「確か高山樹新だよね。」

「うん。君は渡瀬奈々さんだよね。こっちのクラスでめちゃくちゃ話題だよ。美人さんなのにめっちゃ怖いって。」

「えー、そんなこと言われてるんだ…。ずっと前にストーカーを飛び蹴りしたからかな…。」

「え。強いね。じゃあも高橋さんも安心だね。」

え、さっきから何でさん付け?しかも私だけ名前聞いてないよね?なぜ?

「みんなのこと下の名前で呼び捨てでいい?」

「うん!」

彗が満面の笑みで頷いた。

「うん、今日はよろしく。」

奈々も満面の笑みで頷いた。

「私は佑亜です、よろしくお願いします、えっと、好きな食べ物は肉で嫌いな食べ物はありません、好きなものは、ルービックキューブと勉強で嫌いなものは生きてる魚で、好きなことは本を読むこと、食べること、嫌いなことは走ることです。よろしくお願いします。」

「あ、ああ。そうなんだ。名前は知ってたよ。勉強すごいできるってことだけしか知らなかったけど、今だけで佑亜のこと少し知れた気がする。よろしくね。俺も食べること大好き。」

そう言いながら、推しは私の頭をポンポンした。

あー、このまま石になりそう。

これは逃げなければ…。

「あ、あのちょっとトイレに…!」

その時、目の前にあった木の枝に引っかかった。

その勢いで思いっきり転んでしまった。

「佑亜!」

奈々と彗がすぐに走ってきてくれた。

推しは、リュックの中を漁っていた。

「ちょっと樹新!手伝って!」

「うん。ちょっと待って。…あ、あった。」

推しが絆創膏を取り出した。そしてそのまま走ってきてくれた。そのまま私を軽々とおんぶして、そこら辺にあった切り株に座らせてくれた。

「あ、ありがとうございます…。」

そして、私の擦りむいた膝に絆創膏を貼り始めた。

「い、いいよ。こんなの。ただ擦りむいただけだし…」

「擦りむいたのも怪我のうち。怪我してるやつ放っとくとかできるわけないでしょ。」

絆創膏をくれたのはありがたかったけど、

転んだ時に思いっきり足を挫いていたみたいで歩けなかった。

「ここ、急な坂だしリタイアした方がいいんじゃ…私が先生に言ってくるか…?」

「俺にできることがあったら言ってや!」

彗も奈々もリタイアすることを勧めてきた。

でも、やっぱり諦めたくなかった。

「…大丈夫。私最後までやる。大丈夫!歩けるよ!」

「佑亜」

「ん?」

推しが私の座ってる足を持ち上げておんぶしてきた。

本日2回目のおんぶ。

流石に申し訳なかったから

「そ、そんな申し訳ないし!私リタイアするよ!ごめんね、ありがとう!」

と、足をバタバタさせたけど

「暴れないで、リタイアしなくていいから。今だけ甘えればいいじゃん。」

と、言ってきた。

流石に申し訳ないけど、ここでリタイアすると駄々を捏ねても逆に迷惑になると思って、静かにした。

「彗、彗。」

「ん?」

奈々がコソコソっと彗に喋った。

「佑亜と樹新さ、案外お似合いだよね」

「それ俺も思った。なんかええよな。キラキライケメン男子と平凡な女子。なんか少女漫画みたいやな!」

「ね!」

奈々と彗がくすくすと笑っていた

「聞こえてる!こんなキラキラモテモテイケメン男子と釣り合うわけがない。……あ。」

「褒めてくれてありがとう。このまま家まで送ろうかなー。」

「そんな!逆にやめてください…!」

校外学習終了後。

「佑亜、結局送ってもらう羽目になったんだ。私が肩貸そうと思ったんだけどなー。」

「寝ちゃったし、しょうがないな。帰りのバスで寝るのはええけど、そのまま起きないって…(笑)」

「送ってもらうのあんな嫌がってたのに。(笑)」

「私たち今日友達になったばっかりだよ?こんな距離近くなるんだね。佑亜のおかげだ。」

「だね。」

この時の私は緊張と疲れがのしかかってきて、起きることができなかった。ちなみに、朝まで起きなかった。


ぐぅ〜。とお腹の音が鳴る。

「お母さん…おはよう…」

「お腹空いたでしょ。なんかスーパー爽やかイケメン君と奈々ちゃんと彗くんが送ってきてくれてたよ。あんたがずっと起きないって。」

「…え。」


「行ってきます!」

とりあえずいつも通り奈々と彗と登校して、学校の玄関に向かった。

いつも通りなはずだった。

でも、

「何…この視線…」

女子たちの視線がすごい集まっていた、怖いくらいに。

昨日長い間背負ってくれてたのもあると思うけど

一番は…

「佑亜!おっはよー!」

と言いながらバックハグをしてきたからだと思う。

「佑亜、どんまい。」

奈々と彗がニコニコして教室に向かって行った。

「まって!今ひとりにしないで!」

推しは私の手を掴んで教室に歩いて行った。

「ちょっと、これはえっと…」

周りの女子が騒いでいた。

こ、これは…カップルの行動じゃないかー!!!!!


推しは…

推しは遠くから見守りたいのに…!!!!

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