オーパーツはなおも残る
「生徒の皆さん、ご覧なさい。これが今よりほんの百年前に作られたネジです」
「おお」
「見ての通り、ガリプトヌ鉱物による旧式の技術が使われています。お陰でこのネジは今後数億年……いえ十数億年後もなお地球上に残り続けるでしょう」
「嘆かわしい事です」
「ええ、まったくです。今や我々サゴダの民の使う道具は全て、土や風に還る物で構成されています。故郷たる地球への徹底的な環境保全、これこそ技術の発展と叡智の象徴とも言えましょう。他のガリプトヌ鉱物による加工物は既に無害化されていますが、このネジだけは後世への反面教師として残し続けることが決定されました」
「はい、先生」
「この百年、我が民は大きく進歩しました。皆さん、よく覚えておいてください。一世代前の後進的な過ちは歴史の中に消え、地球を愛した我々の功績と名は永遠に残り続けるのだと」
――十五億年後、現代。
「先生、こちらが今回ロシアで発見されたオーパーツです。話によれば、数トンの圧力を与えてもビクともしなかったとか……」
「おお、それは楽しみだ。ぜひこの機会に調べてみよう」
「しかし、なんと素晴らしい技術でしょう。かつてこんな人達がいたなんて信じられません。もっと資料が残っていれば良かったんですが」
「はは。そうだな」
「我々による数々の功績も、このネジのように後世に残るといいのだが」




