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【BL】いつも側に  作者: Ag/あぐ
第1話「これが王道ってヤツですか?」
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06・噂と情報

あれから一週間。

学園内では、転校生について様々な噂が飛び交っているらしい。


例えば、彼は同室の一匹狼にしつこく付きまとっているとか。…これは相手が総スルーらしい。次に、クラスメイトの人気者達をたぶらかしたとか。…あのイケメン二人の事かな?だったらあながち間違いじゃないね。さらに、生徒会役員にまで媚を売って取り入ろうとしたとか。…媚は売られてないかな。あと、呼び出したのは俺達の方だ。


生徒会役員に関しては他に、会長に殴り掛かろうとしたとか。…これは真実だね。それと、あのブラックコンビに気に入られたとか。…ん?ブラックコンビ?気に入られた?なんだそれ。そして最後に、毎日あの方々を侍らせているとか。…へー侍らせるってなんか凄いね。ん?てかあの方々って誰。…え?ちょっと?あの方々って誰だよ!?毎日!?


「修ちゃんどういう事!?」


「落ち着けハル。やっぱ気付いていなかったんだな。噂のあの方々ってのは、俺達と会長以外のメンバーの事だ」


「!…あ。うん…そっか、会長は違うのか。確かに緒方達いないわ。通りで最近ちょっと静かだなって思った」


「その感想はちょっと可哀想だな」


会長は転校生を気に入った訳ではなかったのか。そうだったのなら安心なんだけど。


「そう言えば、この前調べてくれるってやつ、なんか分かった?」


“ブレイク”についてと、転校生について頼んでいたんだった。


「ああ、少しだけな。俺は王道作品に出てくる情報屋じゃねぇし、そんな知り合いもいねぇから、そこまで詳しくは無理だったけど良いか?」


「うん、お願い」


「了解。えっと、そうだな。実は、俺とハル以外の生徒会役員は全員“ブレイク”って不良グループのメンバーで、彼らは幹部クラスの人間らしい」


「不良グループで幹部…。へぇ、そういうのって本当にあるんだ。あれ?でもなんで転校生はそんな不良グループの名前を知ってたのかな。修ちゃんでさえ調べるまで知らなかったのに」


「それなんだよ。もしかしたら王道君も、不良とか族とか、そっち関係の人間で、“ブレイク”とも関わりのある人物なのかもしれない。あの喧嘩慣れしてそうな感じとか絶対そうだろ」


「なるほどねぇ。じゃあ会長は、自分達が不良グループだってバラされないよう口止めする為か、転校生が敵かもしれないから突っ掛かっていた訳か」


「んーいや、それはまた別の理由があるっぽいんだよなぁ」


「あれ?」


「まず、ハルは“ブレイク”のトップが誰だか分かるか?」


「えぇ?そんなの知らないよ」


興味ないし、分かる訳ない。


「結城会長なんだよ」


「!」


俺は吃驚しすぎて固まった。

え?会長が?不良グループのトップ?


「理由は分からない。でもその”ブレイク”のトップ、つまり会長が、ある人物を探しているらしいんだ」


「会長が、探してる人…」


「その名も“黄金”」


コガネ…?


「…誰、なの?」


「そいつが何者なのか、まだ俺には分からねぇ。どうやら会長達もそいつを見つけ出すのに相当手こずっているらしい。そんなもんだから“ブレイク”を知っていた、もしかしたら同じ人種かもしれない王道君が何か知ってるんじゃないかと、会長も思ったんじゃねぇか?」


「…そっか」


会長がそこまでして探してる人。誰だろう。なんだか今、ちょっとだけ不安がよぎった。


「…ん?ていうか修ちゃん、それらの情報源どこよ?」


「ああ、いやちょっとな。俺ってば形から入るもんだから。情報屋の基本といえば、一つは盗聴器だろうと試しにこの生徒会室に取り付けてみた訳よ。そしたら偶々、そう丁度偶々“ブレイク”メンバーの皆様方が、俺達の居ぬ間に堂々と話しててさぁ」


「へ、へぇ」


修ちゃんって、実は本気を出せば情報屋にもなれるかもしれないね。


「あのさ、修ちゃん」


「ん?なんだハル」


「パソコンはお得意ですか?」


「そうだなぁ。苦手ではないかな。それにこれもまた情報屋の基本として、ハッキングは必須だろうと独学で勉強して出来るようになったくらいかな」


「この一週間で!?」


「プロには負けるぜ?」


いや、そういう問題じゃなく。でもやっぱ、なんだかなれそうだね。


+++


「俺、今からお菓子を作って来ようかと思います!」


「おお、久々だな」


「ここ最近急に仕事が増えてたからねぇ。区切り良いとこまでいったし、ちょっくらストレス発散してくるわ!」


行事が近付いてきているとはいえ、まだそんなに忙しくない筈なのに何でこんなに仕事量多いのかと思ったら、原因は誰かさん達が転校生に会いに行って仕事サボっていたからだとはね。俺ってば無意識に後輩達の分までやっちゃってたんだ。一通り出来るもんだからやってても気付かなかったよ。まぁ本人達がいない事さえ気付かないくらいの俺だから仕方がないよね。うん。


「今日は面倒だからホットケーキミックスでドーナツを作ってくる」


「揚げんの面倒じゃね?」


「粉類を振るったりするのが面倒なの!それに揚げる事よりも片付けの方がより面倒なんだよね油もんて。ドーナツだと捏ねるのも面倒だけど」


「面倒尽くしじゃねぇか。だったらやめりゃいいのに」


「食べたいんだよっ!」


「あーはいはい。じゃあ、さっさと行ってこいよ。そして俺にも食べさせろ」


「了解でありますっ」


修ちゃんに敬礼してから、俺は気軽に生徒会室の扉を開いた。思い切り。


「ッ!!」


うおぅっ!?


「か、会ちょ…」


そう。会長が来ているとは気付かずに。


向き合う会長は驚いた表情で固まっていた。ノブを握ろうとした瞬間に俺が開けちゃったらしく、手を伸ばした状態で止まっていてちょっとマヌケな姿。だがそれが可愛い。


って、そうじゃなく。危なっ!さっきの俺ちょっと素だったよね!?


「…君は、今まで仕事サボって何処に行っていたんだ?」


誤魔化そ。きっと気付かれてない。大丈夫大丈夫。


「…あ?ああ、悪ぃ…て、はぁ!?誰がサボりだ!別に何処だって良いだろ!てめぇこそ何処行く気だよっ」


会長今一瞬謝ったよね。かわわ。

それよりヤバい。なんか会長が俺の顔ジロジロ見てくる。何かしくじった?

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