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ティアの家

読んでくださった皆さん本当にありがとうございます!

初心者ですが頑張ります。

 ティアについて行き大通りに出る。

 石畳の街道を挟むように様々な商店や旅館が立ち並び、路上にはいくつもの屋台が広がっていた。観光地であるだけあって行きかう人々も様々だ。商人や観光客、明らかに上流階級の集団から、見たことのない異国の衣装をまとう者と文化民族宗教や身分などによって多岐にわたる。 

 さらにそれらに加えいくつも幟が立てられており建物や屋台が華やかに彩られて、どこからともなく陽気な音楽が流れてくる。木々や花壇にも飾り付けがされていた。

    

「何でしょう、すごく街が華やかですね。何か催し物でもあるんですか。」

「あっ、ええ今週はお祭りが開かれんですよ。夜になると街の飾り付けが光り輝いて、それは、それはきれいなんです。」

 そういったティアの口調は内容に反してどことなく暗かった。

「そういえば、お時間は大丈夫ですか?もしかしてお仕事中なのでは。」

「いえ、今はお昼休みですので大丈夫です。」

「それはお時間を取ってしまってすみません。」

「気になさらないでください。」

    

 ティアの家は街の裏手の斜面の方向らしく幾度か通りを曲がり、大通りから離れ脇道に入る。どうやら大通りほどの盛り上がりが見られないので、おそらく各々の従業員の居住地域なのだろう。大通りの建物よりも簡素で背の低い建物が立ち並んでいた。

    

「着きました。ここです。」

 ティアがそう言って立ち止まり振り返る。そこは周囲の家々に増して簡素なつくりの家だった。複数人用なのだろう長屋形式の背の低い建物だった。

「すみません。やっぱり汚かったですよね。」

 ティアが申し訳なさそうにいう。

 確かに一般的な感覚ではティアの家はお世辞にも綺麗とは言えないものだ。しかしシノにとってはそもそも建物に入ることができないので関係なかった。そういうわけでなんとも言えないでいると、ティアが

「どうぞ、お入りください。」

 そういって家の扉を開けた。

「いえ、おうちの中までお邪魔するわけにはいきません。そこまでしていただくのは申し訳ないです。」

 シノは家に入れないので断るしかなったのだが、そのシノの言葉にどう思ったのか、少し悲しそうに「そうですか……。」とうなずいた。

「ではお風呂は裏になりますので、先に行っててください。私は必要なものを取ってきますね。」

 そういうとティアは家の中に入っていった。


 案内された露天風呂はシノにとってこれ以上ないほどに素晴らしいものだった。屋根も天井もないが後ろは崖になっており、前は家があるため人目もない。まさに特別な事情を抱えたシノにとっては理想的な露天風呂だった。複数人で使用しているのだろう。一人で使うには十分以上に広く、いくつも風呂場用の椅子が重ねられていた。つい、子供のように歓声を上げてしまったシノを見てタオルなどを持ってきたティアが笑いながら言った。

「そんなに喜んでいただけるとは思いませんでした。私は家の中におりますからどうぞ、ゆっくりなさってください。」

「本当に何から何までありがとうございます。」

    

 その後シノは久々のお風呂をゆっくり堪能した。



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