出会い②
初心者なので至らない点がありましたらすみません。
ご意見いただければ改善するよう善処します。
「あの、大丈夫ですか」
声をけられたシノが顔を上げるとメイドの女の子がシノを見つめていた。
「あ、はい。なんとか。」
「あの、ここへは何をしに来られたのですか。」
「えっと、観光です。露天風呂が有名なので……」
「どうして塀からいらっしゃったんですか。」
「それは……、」
とシノが答えに困っていると、
「もしかして身分証をお持ちでないんですね。そうですと旅館の露天風呂は利用できないと思います。」
シノは身分証を持っていたし、呪いの関係から旅館の露天風呂を利用するつもりはなかったのだが、事情を説明できないので話を合わせることにした。
「そうですか、ありがとうございます。」
「ええ、見たところ旅人さんですよね。旅人さんの中には身分証をお持ちでない方もいらっしゃいますから。」
どうやらメイドの少女はすぐに門兵を読んだりする様子は見られなかった。
「ええ、旅人には温泉の温かみは得難いものでして。どこか身分証を持たなくても入れるお風呂を知りませんか。」
と聞いてみた。もっと庶民向けの簡素なつくりの露天風呂はないかと思ったのだ。
するとメイドの少女は、
「申し訳ありません、それは難しいかと思います。ここは観光地なのでどこの温泉も身分証なしには入れないかと思います。」
と答えた。
「いえ、仕方ないです。ありがとうございます。」
シノは景色でも見てからここを発とうかとと思いその場を後にしようした。
すると、メイドの少女が呼び止めた。
「あの、もし従業員用でよろしければ、我々用の露天風呂をお貸します。狭いですし景色も良くありませんがですが、せっかくここパムッカレまではるばる来たのですしお風呂に入られませんか。」
突然の申し出にシノは困惑する。
「いえ、いくら何でもそこまでしていただくわけにはいきません、あなたにご迷惑になります。お代もそんなに多くは支払えませんし、何より私は不法に立ち入ってるんですよ。」
するとメイドの少女は
「お代をいただくつもりはございません。それにあなたが悪いことをなさる方とは思えませんし、旅人の方々にはお風呂に入る機会もそうないでしょう。そしてパムッカレの温泉を楽しんでいただきたいのです。」
という。
シノもメイドの少女がシノを騙しているようにはみえなったし、温泉の誘惑に負けて好意に甘えることにした。
「では、お言葉に甘えさせてもらいます。私は旅しながら薬師をしておりますシノといいます。本当にありがとうございます。」
「いえいえ、私はこの旅館でメイドをしております、アプロデューティアと申します。ティアとお呼びください。あと、一応関係者用となっています。ですので、私たちはこれからお友達ということにさせていただきますね。」
屈託なく自分を友人といったティアにシノは少し照れくさく感じた。