クイズ『ツアーラ・ソアルレイ』とはどんな国? ジョークから見る個性とは?
(* ̄∇ ̄)ノ 奇才ノマが極論を述べる。キャラ作りの参考になるかも? ならないかも。
クイズです。
『ツアーラ・ソアルレイ』
これは国の名前です。ツアーラ・ソアルレイとは、どんな国でしょうか?
あなたもよく知る国の筈です。
語感だけでなかなかカッコいい響き。何やら巨大ロボットの秘密兵器のようにも聞こえます。
『ツアーラ・ソアルレイ! 発射!!』
とか言いたくなりますね。
ツアーラ・ソアルレイとはルーマニア語です。
意訳すると『太陽の国』『日出ずる国』と、なります。
ルーマニア語では、日本の事を、ツアーラ・ソアルレイとも呼びます。
ルーマニア人は日本のことをカッコ良く読んでくれているようですね。
ツアーラ・ソアルレイ、と聞いて日本と答えた方はルーマニア語を知っておられますね。
そして日本のことを『ツアーラ・ソアルレイ』と呼ぶと、何やらこれまでの日本、ジャパン、ヤポン、ジパングとはまるで違う雰囲気が出てくるから不思議です。
ツアーラ・ソアルレイ人、と言うと手から何か発射したりしそうです。
イヤな事があって落ち込んでいる人には、
「大丈夫、君もツアーラ・ソアルレイ人だから」
と元気づけてみたくなります。
試しに言ってみたら、オマエ中二病か? と言われました。
■個性とは?
個性とは、個人や個体の持つ、それ特有の性質・特徴。特に個人のそれに関しては、パーソナリティと呼ばれる。
以上、ウィキペディアより。
物語において、人に印象付けるキャラクター、ヒーローやヒロインが重要になります。印象に残るセリフを口にする個性というのが大事です。
記憶に残るキャラクターとは名言や迷言と共に憶えている、という人も多いのではないでしょうか?
マンガやアニメでは見た目の見映えも重要になりますが、小説においては描写される言動や行動、配役や役割というのが大事なところ。
落語では、『物知りのご隠居』『うっかり者の熊八』といった人物を、語り口で表現したりします。
映像やイラストなど、ビジュアル表示が無いジャンルのテクニックですね。
ゲームのキャラクターメイキングのように、髪型、髪の色、肌の色、目の色、服装や装備品と見た目をデザインしても、小説ではキャラクターのビジュアル面の個性の表現とは難しいのではないでしょうか。
言動に会話、行動と動機。何を考え何を悩み何を選択しどんな行動をとるのか。
その人物ならではの動きをデフォルメし、大げさに演出することで、個性的なキャラクターとなるのではないでしょうか?
ツアーラ・ソアルレイ、とは、これまでと違う面から見た日本を表現するのに、面白い例として紹介しました。
無理なキャラ付けをしなくとも、これまでと違う視点、違う角度で見ることで、らしさ、というものが見えて来ます。
■反個性
個性的の反対は、類型的、画一的、というところでしょうか。
他人と違うことを白い目で見る風潮のあるところでは、個性的という言葉はマイナスイメージで受け止められることもあります。
個性的とは変人に対する罵倒と受け止められることもあります。
また、真に個性的な人を見たければ、精神病棟に入院した人を見ればいい、とも言われます。そこには社会を逸脱するほどの個性が揃っていると。
個性的、というものは見方次第で差別だ、イジメだ、村八分だ、ともなってしまう概念です。意外と危険物なのです。
しかし恐れてばかりでは個性的なキャラクター作りに進みません。
■ユニークを求めて
ユニークは独特なものを指して言います。
英語では、unique
ユニークは面白いという意味ではありません。
英語の、unique は『他に類のない』という意味です。
『唯一無二の』『比類無い』など。
相手の発想や人柄、動作に対し、普通とは違う、変わっている、という意味合いを含みます。ユニークとは尊敬の念を込めて使われることが多いです。
英語で『You are very unique』とは『君は変わっているね』というニュアンスの誉め言葉となります。
■参考になるのはエスニックジョーク
エスニックジョークとは、人種や民族の行動の差異を比較し、それを笑いのモチーフとするジョークとなります。
人の個性とは、並べて比較することでより違いがハッキリとします。エスニックジョークには、個性的なキャラクターをいかに演出して見せるか、これを短い文章で表現するという点でとても優れています。
もとになるのも現実のものなので、リアリティも感じられるという、参考にするに良い例です。
『世界の日本人ジョーク集』
著者 早坂 隆 中公新書
個性を再発見するのに面白い書籍です。
では最も有名なエスニックジョークから。
■タイタニックジョーク
エスニックジョークで最も有名なものはこれではないでしょうか?
豪華客船が沈みます。
船長は沈没しかけた船に乗り合わせる様々な国の人たちに、急いで海に飛び込むように説得します。
どの国の人に、どんな説得の仕方が有効なのでしょうか?
アメリカ人には
「今、飛び込めばあなたはヒーローになれますよ」
イギリス人には
「ここで飛び込むのがジェントルマンというものです」
ドイツ人には
「飛び込むのはこの船の規則です。規則を守って下さい」
イタリア人には
「ここで飛び込めばあなたは女性にモテます」
フランス人には
「飛び込まないでください」
ロシア人には
「あそこにウォッカの瓶が流れていますよ」
日本人には
「皆さん飛び込んでますよ」
民族や国の特徴を捉えて簡単に表現するエスニックジョーク。ただ、受け止める人の許容量が狭いと、差別に抵触すると怒らせてしまうこともある、ブラックジョークの一種です。
ありがちなところでは、その国の人のイメージで使われやすいのが。
アメリカ人
傲慢、独善的
イギリス人
紳士、食事が不味い国
ドイツ人
合理的、真面目、規律に従う
フランス人
天の邪鬼。イギリスが賛成ならフランスは反対。ドイツが賛成ならフランスは反対。
イタリア人
情熱的、ナンパ、パスタ
ロシア人
酒が好き、ウォッカを飲んでいる
ユダヤ人
狡猾、議論好き
日本人
排金主義、ビジネスマン
という感じです。これは時代の変化とともに変わったりします。昔の日本人は勤勉のイメージがありました。
このエスニックジョークを歴史と絡めた傑作が、
『Axis Powers ヘタリア』
作者 日丸屋秀和 幻冬舎コミックス
こちらも実に個性的な国が揃ってます。
さて、豪華客船が沈んで、様々な国の人達が今度は無人島に流れつきました。
■無人島にて。
男二人、女一人、という組み合わせで各国の人が無人島に流れつきました。
無人島ではなにが起きたでしょうか?
イタリア人
男二人が女を取り合いケンカを始めた。
ドイツ人
男と女が結婚し、残る男が戸籍係を務めた。
フランス人
女は男と結婚し、残る男とも浮気を楽しんだ。
アメリカ人
男と女は結婚し子供が産まれる。離婚して子供の親権を争うために裁判を起こす。残る一人の男に弁護士を依頼する。
オランダ人
男二人がゲイであり結婚する。女は無視される。
日本人
男二人は女をどう扱えばよいか解らず、東京の本社に問い合わせる。
ロシア人
女は愛して無い方の男と結婚してしまい、三人でいつまでも文学的に嘆き悲しみ続ける。
こうして見ると、無個性と言われる日本人もなかなかに個性的でキャラが立ってます。
男女の関係で言うと。
■妻が浮気をしたら?
男が仕事から帰ってきたら、妻が他の男と浮気をしている真っ最中でした。
それを見た男はどうするか?
アメリカ人
浮気相手の男を銃で撃ち殺す。
フランス人
服を脱いでそこに参加する。
日本人
浮気相手を正式に紹介されるまで、交換用の名刺を準備しておとなしく待っている。
■各国の人が集まると?
各国の人が二人集まると?
ドイツ人、三つの規則と四つの法律が生まれる。
ユダヤ人、三つの意見と四つの政党が生まれる。
日本人、三つの銀行と四つの会社が生まれる。
アメリカ人、三つの諍いと四つの正義が生まれる。
■幸福論
あるとき、神さまがいいました。
「金で幸福が買えると思うか? もしも幸福が金で買えるならば、どうする?」
フランス人
「私はワインとチーズがあれば幸福です。それ以上は望みません」
イタリア人
「私はサッカーとパスタさえあれば幸福です。それ以上は望みません」
日本人
「もちろん金で買いますとも。あと、領収証を下さい」
では、それぞれの国の幸福とは何でしょうか?
■各国の幸福論
イタリア人の幸福とは、愛人とパスタを食べながらサッカーを見るとき。
イギリス人の幸福とは、ブラックジョークが決まったとき。
アメリカ人の幸福とは、アメリカンジョークが決まったとき。
ドイツ人の幸福とは、計画通りに物事が運んだとき。
スペイン人の幸福とは、美味しい昼食を食べてから昼寝をするとき。
日本人の幸福とは、食事をさっさと終わらせて再び働き始めたとき。
日本人とはビジネスが好きで過労死するまで働く、というのが世界の認識でもあるようですね。
■過労死の国、日本
アリとキリギリスを各国のバージョンでお届けすると。
アメリカ版
ヴァイオリンの演奏がテレビプロデューサーの目に止まり、キリギリスは一躍有名人に。大成功をおさめます。
ロシア版(または旧ソビエト連邦)
アリはキリギリスに少ない食料を分け与えますが、アリもキリギリスも餓死してしまいます。
日本版
アリもキリギリスも過労死します。
■個性と民族性
個人を見てその個性を発見する、その個性を活かして伸ばす、という教育が現代では良いとされています。
しかし、個性と言ってもその個人には育てられた環境があり地域の民族性や産まれ育ったところの言語にも影響を受けています。
かつての日本のマンガでは、語尾に『アル』をつける中国人が出てきました。
「肉まん食べたいあるよ」
「肉まんもう無いあるよ」
「肉まん、まだあったはずあるよ」
「もう食べたある。無いあるよ」
「肉まんあるあるよ」
「肉まん無いあるよ」
「あるあるよー!」
「ないあるよー!」
これは横浜ピジン言語がもとになっています。ピジン言語は二つまたは複数の言語の交流するところで、商売に必要な単語でやり取りしたところから始まったとされます。
「牛、肉、500グラム、買う」
「1000円、売る」
「高い、500円」
という感じで、ビジネスに必要な単語が双方に理解できていれば良いというものです。
特徴的な語尾とはその民族の文化からできるという一例です。
語尾に『ござる』『のじゃ』『にゃん』などキャラ付けにいろいろなものが開発されましたが、その語尾が発祥する文化や歴史など考察するのも、キャラクターを濃くする一考になるかもしれませんね。
■イタリアの乾杯
言葉の違いからユニークとなるものもあります。
イタリア人
「私たちが乾杯と言うと、なぜか日本人は変な笑い方をするんだ」
イタリアやフランスでは乾杯をグラスの触れ合う音からチンチンと言ったりします。
言語翻訳チートを持った主人公は、知らずに放送禁止用語を言っているかもしれませんね。
■異世界転生
個性的なキャラクターを改めて作ろうとするのは難しく、また、個性的過ぎるキャラクターとは逆に引かれてしまったりします。
ツアーラ・ソアルレイを例に出したのは付け足しの他に、違う面から見て掘り下げるというのに面白い点です。
現実を見てもクローンでも無い限り、全く同じ人物というのは存在しません。そのちょっとした違いを拡大してデフォルメして表現する演出が重要なのではないでしょうか。
では最後にクイズです。
ある国が魔族の侵攻に悩まされ、魔王を倒すべく異世界から勇者を召喚しました。
その勇者は何処の国の勇者でしょうか?
「銃があれば魔王なんざ一発さ」
「ところで聖女様、このあとお茶でもどう?」
「ふむ、ところでその魔王は何の規律を犯したのかね?」
「この国にパスタはあるのかい?」
「報酬はいくらですか? 領収証はこの国の文字で書いた方がいいですか?」
「なに? イギリスが魔王討伐するって? なら俺は魔王の側につく」
「大丈夫だ。ウォッカを飲めばこの手の震えは止まるから」
「我が国に魔王などというふざけた者は存在しない」
「あ、皆が魔王討伐に向かうなら私も行きます」
「魔王討伐か、簡単だろうさ(できない、なんて言ったらわざわざ呼んだ人達がかわいそうだし)」
■おまけ
最近、私が感じることは小説やマンガでリアリティのあるキャラクターが登場することです。
特殊な能力とか魔法とかでは無く、思想がブレず思考が論理的。ものの考え方というのがマトモと言うか、現実的と言いますか。理解しやすく納得しやすいような気がします。
比べると現実の人間の方が言ってることもやってることもデタラメで、リアリティの無い人が増えたな、と感じます。
「これ、美味しいでしょ? 私は味見したことも無いけれど」
「俺は事故なんて起こさない。だってこれまで事故を起こしたことが無いから」