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転生悪魔は戦いを仕掛ける


「捕らえろ!」

その一声で動いたライナー率いる三人がアリーシャに襲いかかる。ライナーが率いるチームに女の人がいなかったら悪漢に襲われているようにしか見えない。役どころとしては白豚ラナックはさながら悪徳奴隷商というところか。

「アリーシャはラ…山猿の仲間ではなかったのか?」

「ええ、彼女は今回の護衛にソロで参加した自称天才魔術師です」

「なるほどな」

俺とラナックがのんびり話すなか、4人相手にアリーシャはなかなかの抵抗を見せていた。


「《獄園より来たれ地獄の焔よ!我が正義の前に跪くが良い!"火魔術/ファイアースプラッシュ"》!!!」


いや、防御姿勢してないで詠唱中に斬りつけろよ。ポケ○ンか、ターン制じゃねぇだろ。


空中に現れたオレンジ色の魔方陣より放たれる無数の焔。それを盾役が4人を守るようにで防いで行く。


「ふむ、弱すぎてどうも、人間の魔術師の強さがよくわからないが、どうだ?あれは強い方なのか?」

本当は知ってる。あんなの雑魚だ。天才を名乗るなら隕石でも降らせてみせろ。

出来ないけど。


「いや、たしかに魔術師の"素質"はありますが、天才というにはおこがましい限りです。天才といえば魔導王マルモーンが人間の中では有名ですが、ラプラス様から見れば大差ないでしょうな」


魔導王、ね。強そうだ。光武器を持っていそうだし近くのはやめよう。

それにしても、ここに来てから始めて聞く言葉が多いな。頭がパンクしそうだ。

素質ってなんだよ。悪魔と契約して終わりだよ。契約中の悪魔が不要になったらぶっ殺して乗り換えればいいだけだろ。


「見てないで手伝ってくれ」


えー……だだ働きはやだなぁ。

そうだ、神木を折った謝罪の貢物と魔法で娘の命を救った礼、あとは毒物をのんで死にかけたライナーを救った礼に加えて手伝った礼ももらおうか、そうしよう。こいつ金持ちそうだし、搾り取れそうだ。


「よかろう、離れよ愚民共」


アリーシャに肉厚していた剣士が離れる。杖で剣を抑えていたアリーシャがガクンとバランスを崩した。


「咎に抗う愚かな民よ、地の束縛、天の戒律鎖となり彼のものを縛り上げよ!《黒き地獄よ開け踊れ"召喚魔法/咎の鎖"》」

「させないっ!!《おお大いなる我が祖霊よ、深き慈悲を与え給え、我が身を守り給え、強き幻夢の輝き空を制し地を飲み込め"奥義/無限回廊"》!!!」

俺の放つ魔法と同時にアリーシャの魔術

も展開された。メタ発言するとさ、させないっ!!っていらなくね?言わなければ俺より早く打てただろうに。

まぁ、そんなことを考えている俺とて意味のないロマン詠唱をしているわけだし。

空に不自然に空いた四角い穴、風がトンネルを通る音かそれともうめき声か。不気味な音を立てた四角い箱から何かがはい出そうとしていた。

それを白い靄が、いや俺たちを、荷馬車も森も全てを包んで行く。

奥義/無限回廊といったか。

こいつの契約している悪魔がわかった。

こいつは幻魔ファントムと契約しているらしい。無限回廊という魔術は幻魔系の悪魔が使う無幻回廊の下位能力で、幻術から逃れるまで精神を出口のない迷宮に閉じ込めるという悪質な魔術だ。しかし事前に幻術対策をしておけば問題ないのだがどうやらやらなかったらしい。

幻魔系の魔術師の術を解くのは面倒だしここは退くとしよう。

当然俺も術にかかると思ったのか余裕の笑みを浮かべるアリーシャに向けて空に空いた黒い穴から湧き出した鎖が無慈悲

にも、彼女に襲いかかったのも同時にだった。


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