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転生悪魔は蘇生する

ライナーァぁ!!

駆け寄る3人。

「ライナー……」

「すまない……ぐぶっ……俺は」

「喋るんじゃない!今助けるからなぁ」

「ラ、ライナー……私…そんなつもりじゃ……」

「いいって……お前の…好意だって……わかってい……たぜ」

「兄上…悪かった。山猿って言ったこと謝罪する」

「いいっ…てもんよ……ハハっ」

「アタシ、アタシねっ!ぐずっ……アタシ……」

「わかったから……泣くなよ」

「おい!しっかりしろよ!ライナーァ!ああああ!お前俺たちと一緒にドラゴン倒すって約束したじゃねえか!勝手に死のうとしてんじゃねぇよ!おいってば……ああ……」

「泣きたいのはこっちだぜ……はは。ああ、俺はこんなところで……力つきるのか……でも…悪くは、ないな……。

俺のこと……こんなに思ってくれる仲間がいて……それで……ぎょべっ!?!」


仰向けになって虚無をみて死にかけているライナーの腹を思いっきり踏んづけた。

空気の読めない精霊様だからな。


「いつまでもその下らない茶番をやめろ、我が時間は貴様の命より価値があるものだ」


囲む仲間を押しのけて腹を抑えて横に転がったライナーは四つん這いになってゲロを吐いた。


「おっ…おぅええぇえええええ」


びちゃびちゃという不快な音と酸っぱいような酸系の異臭が鼻を付く。


先ほどまでへりくだっていたラナックまでが非難的な目を向ける中、ゲロを吐きつつけたライナーは起き上がるとスッキリした顔でこちらを見た。


ほらな。毒系は吐かせればなんとかなるんだよ。


「良かったな山猿、どうだった?こいつの"凄い"魔法薬とやらは」


「ああ、凄い魔法薬だった……。巷で蔓延しているドラッグより一瞬でヴェルハラまでいけたな…」


「アリーシャ…」


「は、はい。なんですかラナックさん」


「あなた、私の娘にあんなものを飲ます気だったのですか?」


「えっ、いやその……」

頰をかきながら後ろに下がるアリーシャ。

誤魔化しても解決しないぞ。


「はぁ、わかりました。あなたは解雇します」


「え?!ちょっ、ちょっと待ちなさい!護衛中に護衛を解雇するのは王国の法に反するわ!」


法?王国?ねえ、報酬。どうなったの?

有耶無耶にされたら魔女を返却しちゃうよ?


「はぁ、いいですか。アリーシャさん。確かに法には"雇用した冒険者および傭兵を護衛中に解任するのはギルドと交わされた盟約に反する行為である"と記述がありますが。しかしね、"護衛が殺人未遂等護衛対象に危害を加えた場合"は別ですな。

今回は"護衛対象に該当する女児の毒殺未遂および魔術師という経歴詐称未遂の容疑"があなたにかかっている。

このことがお分かりかな?」


おおっ!なんか凄い。法律の専門家的な迫力があるな。行商人なんだよな?

できる……こいつっ!(本日3回目)


「おかしいわ!どうかしてるっ!」


話がよくわからない方向になってきたな。めんどくせえから皆殺しにしとくか?と悪魔のアルカナは言っているような気がするが、今は森の賢者。偉大なる大魔術師にして古代精霊のラプラスだ。

耐えなければ。


「どうかしているのはアリーシャさん、あなたです」


「なら、そいつ!そいつはどうなのよ」


「どなたですか?」


「そのエルフよ!」


ん?今こいつ俺を指してエルフと言ったか?どういうことだ?エルフを認知しているのか?俺の他にもエルフがいる……?いや、プレイヤーNPCあわせてもエルフのそっくりはいなかった筈だ。それ故、運営から【まんまエルフ】という称号をもらったのだ。

どういうことだ。古代精霊とエルフは何か関連があるのか?古代精霊のカタカナ読みがエルフということか?

いや古代とわざわざつけるくらいだし、普通の精霊とやらもいるのだろう。精霊というものはゲームにはなかったし、なんなんだろうか。


「ラプラス様…この罪人が無礼なことを申していますがいかがいたしますか?」


「無礼?ふむ、まあ無礼だな」

もしかして古代精霊とか言うのはエルフとは違うのか?

それとも口調のことか?


「そのエルフだって得体の知れない魔術を了承なく護衛対象に放ったじゃない!それに苦しんでいるライナーにトドメを刺すが如く蹴りを入れたわ!同類よ!2つよ!私より悪いじゃない!」


やけになってるな。困ったやつだ。


「フッ。一つ間違っていることがある……ここに来る前、森の木々に隠れて我を覗き見していた愚かなラナックに向かって矢を突き立てたのだから3つだ」


「はぁ!?アンタ正気かよ!」

いや、ここでライナーに言われるとは思ってなかったわ。お前、あんなやばそうな薬を飲んだやつの方がいかれてるわ。


「いいか。王国だか法だか知らないが、我に従う義理はない。そもそも聞いたことのない田舎の国なぞ。ましてやそこのルールなどなぜ我が守らなければいけない?」

知らないとか言えないので知ってるけど人間より偉いから守りたくないという程で話す。


「でなんといったかな?この国は」


「え?ああ、英雄シューシュルが築いた国アルトハランです」


あっ……やっべ。ギルメンの作った国じゃん。後で謝ろ。


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