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ひまわりになりたい  作者: 水瀬花
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木下日向の日常

昔から「感情を表に出さない」と言われてきた。

感情を表に出すことは苦手。むき出しの自分の感情が嫌いだから。醜い感情を他者にさらけ出してしまうから。そんな感情しかもたない自分のことを嫌いになりたくないから。

私の友達はなぜか素直で天真爛漫に感情をだせる子がおおかった。自分にないものに惹かれるとかよく聞くから不思議ではないのかもしれない。彼女たちは素直な感情を出してもきれいだと思う。内面のきれいさがよりまっすぐに伝わってくる。そんな彼女たちと交わりながら、私は今日も、自分がそうはなれない虚しさを抱えて、知られたくない自分を守る殻を厚くしていた。

朝--。

目覚ましの音が鳴る。時間通り。今日も授業開始の2時間前にセットした目覚ましで起きれた。実家に居たときは全然目覚ましの音なんて聞こえなかったのになぁ…。

大学の授業なんてほとんどみんなサボってるのにな。なんでこう変なとこ真面目さがでちゃうんだろうね。

「ひなちゃん!おはよう!」

ひときは大きな声。あかるい笑顔。

「…あっ…おはよ」

うん。えがおえがお。

「眠そうな顔だなぁ~?ちゃんと寝たの?まーた夜中まで起きてたんじゃないの?」

「そんなことないもん~。昨日はちゃんと寝たよ。」

「そうか?なんか顔色悪いぞ?しんどかったらはやめに帰るんだぞ。」

そう言って彼は人の輪のなかに戻っていった。

彼は由布光。そんなに見た目がチャラいわけでもないけど、キラキラ集団にいて誰にでも好かれる優男って感じだ。

元々、彼とわたしはこんなふうに話をするような関係じゃなかったんだけど、偶然授業のグループが一緒だったから、彼の持ち前の誰とでも仲良くなるスキルで話すようなったという感じだ。

よくこんなその他大勢の地味な女子の顔色までみてるなぁ。とは思うんだけど、こういうところが、(この人わたしのこと特別に気にかけてるんだな)って思わせてくれて、いろんな人から好かれるポイントなんじゃないかとかまた私はめんどくさい分析をいちいち始めてしまった。


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