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妖ノ森  作者: 天ノ照
1/1

〜忘れられない記憶〜

皆さんこんにちは、天ノ照と申します。

私は昔らか本を読むことが好きで、あまりにも好きすぎたあまりに自分で、お話をかいてみようと思いまして、チャレンジさせて頂きました。

不出来な私の作品ですが、全力でかいたお話なので少しでも良いので、読んでいただけると幸いです。

タイトル:妖ノ森


【第一章】鬼の面を付けた男


これは,私の小さな頃の話。

私はとある小さな村に住む子供だった。

そして、この村には絶対に立ち入ってはいけない森があり。そして、少しでもその森に入ったものは二度と帰って来れないという昔からの言い伝えがあった。そのため、誰もその森に立ち入る者はいなかった。

とある晴れた日に私が遊んでいると、ふらふらしながら歩く女の人が真っ直ぐ森に向かっているのを見かけた私は、森に入ろうとする女の人を止めようと思いその女の人を追いかけた。そして、女の人と同じように森に入ってしまった。

森の中は薄気味悪く、日が入らない所為か、やたらと暗く、見通しが悪かった。

そのまま、歩いていると何かにぶつかって、私は尻餅をついた。


『いたたた…ごめんなさいよく見てなかったの。』


そして、ぶつかった相手を見ると、顔に四つの目があり、その開いた口にはギラギラと光る歯が生えていた。私は、驚きのあまりに声を発することを忘れてしまい。目を閉じて、心の中で助けを求めた。


(だ、誰か助けて〜!)


すると、『ギャーーー!』という乾いた声だけが森中に響き渡った。そして、少し目を開けて見ると私の目の前には、誰かが立っていた。


『っち、妖風情が調子に乗りやがって。俺の目が届く範囲内で暴れるなんて良い度胸してるじゃねぇ〜か。』


そう言い放った私の目の前の男は、腰のあたりから引き抜いた剣で化け物を切り裂き、そして振り抜いた際に血が飛び散る。

そして、切られた化け物は叫び声だけを残し黒い霧となって消えてしまった。

そして、私の目の前の男はこちらを振り返る。そして、顔には鬼の面を付けておりその面にも、先程の化け物の血が飛び散っていた。思わずその怖さに私は泣きそうになる。

すると、鬼の面を付けた男は面を外し、すんすんと私の匂いを嗅いだ。


『な、何!』


私は、驚いて後ろに下がって身を守る体制に入った。


『驚かせたか済まない、まさか人間がこんな森に入って来ようとは思わなくてな。』


私は、それを聞いて森に入った理由を思い出した。


『っは!そ、そうだ私女の人を追いかけてこの森に入ったの!探さないと!』


『そうか、成る程な。そうか、誘い神につられて入って来たか。』


『誘い神って何?』


『誘い神とは、そうだな…簡単に言うと先程の妖の事だ。奴らは、誘い込む相手の最も近いものに姿を変えて、釣られたものを喰らう妖だ。だから、貴様は運が良かったなチビ助。』


そして、その男は私の頭をぽんぽん叩いた。

その手の平は大きくてそして、温かったのを今でも覚えている。


『だが、ここに、何時迄も居てはならない。出口までは案内してやろう。そこから先は、自分で行けるなチビ助?』


『チビ助じゃないもん!私には飛鳥って名前があるもん!』


『そうかアスカか名を覚えておこう。』


そして、その後の記憶は私には無かった気付いた時には森の出口に私は立っていたのだから。

空はとても澄んでいて心地の良い朝を迎えていた。こんなに良い天気だと外に遊びに行きたくなるのだが、仕方なく、私は布団から出て何時ものように家の手伝いをするために服を着替える。


『はぁ〜またあの夢か〜』


私は、小さい時に森に入った時に起きたことをたまに夢として見ていた。しかし、最近ではその頻度は日に日に増していっており、スッキリとした気分で起きたいなと、今日のような天気だとなお強く思ってしまう。そんな事を思うくらいで済んでるのだからこれはこれで私の心の広さに感謝して欲しいものだ。夢の内容くらい選べないのはやっぱり可笑しいよね。そして、もたもたしている内に母の私を呼ぶ声が聞こえたから、急いで母の所に向かった。


【第二章】その再会は意外にも呆気なかった。


私の名前は、北條(ほうじょう) 飛鳥(あすか)

母のやっている神社で巫女として手伝いをしているのだけれど、巫女らしい事なんてさせてもらえてない現状だから、まだまだ半人前なの。という自己紹介なんて面白風味があって良いんじゃ無いかと思って考えてみた。だからと言ってそれを話す人がいないので心の中にしまっておくことにした。

私の母の仕事は、この村にある入っては行けない森から出ようとする妖を外に出さないように結界を張るお役目を果たしているのだ。

その仕事の内容も私が森から出て来て叱られた時に教えてもらった。

私が誘い神に連れて行かれた時は、私の母の結界がまだ十分では無かったからということだったらしく、やはり自分の運の強さを誇りたくなる。

そして、私の手伝いというと、母の仕事に使うものを準備したり、床掃除したり、食事作ったり、鏡磨いたりをしている。

時折、これは手伝いではなくてただの召使い的な役割をさせられているのでは無いかと考えてしまう。私も、流石にこれは無いんじゃ無いかと思い何度か母に質問してみたけれども、私もやったから、頑張りなさいと言われた。この元凶を作ったのは、祖母なのだとわかり聞いてみると、私もやったよと言われてしまった。結論を出すとするならば、全て悪いのは、最初にこれをさせたご先祖様と伝統というなの因果の鎖の所為なのだと私ながらの勝手な結論を出した。そうして、日々の辛い試練(掃除)を耐えながら、私は日々学んでいるのだ…多分だけど、自信も無いけど。

お昼になり、母と交代する。私が唯一、結界に触れることができるのは、この時だけで触るといっても、ぼ〜としながら眺めているだけで良いのだ。流石にこれだけで、強い結界は維持出来ない。しかし、そのために魔力の高い聖水があり、これをおちょこ一杯分入れて、水円鏡と言われる水で出来た鏡にこれを流すだけで良いのだ。それに、とても簡単なので、意外に楽しい。そのため、交代のたびにこれを必ずやるのも私の日課になりつつあった。

食事の交代をしてから、30分くらいで母がやって来て、私と交代し。特に、何も無かったので、母にそう伝えて私を休憩に入った。

ご飯を食べようと台所に行くと、誰かの食事をする音が聞こえた。可笑しいなと思いそーと、中を覗くと白髪の男がもの凄い勢いでご飯を食べていた。

私は、その光景に驚き、母の元にダッシュで向かった。


『お、お母さん!台所に変な人いたよ!』


『こら、飛鳥この部屋にそんな風に入っては行けませんよ。』


私は、母にそう怒られたので、ごめんなさいと律儀に謝る。


『ってそうじゃなくて、台所に変な人がいたんだよ。』


『変な人?はて?誰のことかしらね?』


そういって、母はかすかに笑を堪えていた。

(この人、絶対知ってる‼︎)

すると、廊下を歩いてこちらに来る音が聞こえた。


『おい、阿須葉。飯が足らんぞ!』


そういって、部屋に入って来たのは先程の白髪の男だった。


『また、勝手にご飯を食べに来たの夜叉?』


『ふん、ここに飯を食べに来いと言ったのは、其方達の先祖から言われておるのだぞ。そのように、雑に扱われるの義理は無いのだが?』


『そうね、確かに私も母から聞いているからどうでも良いのだけれど。』


『そうか、弥生から聞いていたか、うむ。弥生は元気にしてるのか?』


『え〜母は元気にしているわ。』


そう言って、母と夜叉と呼ばれる白髪の男と楽しげに会話している。

そして、私は母に無言で助けを求めた。


『そういえば、夜叉お礼がまだだったわね。』


『お礼とはなんぞ?はて?俺が何かしたか?』


『え〜したわ。私の娘を助けてくれたお礼をし忘れていたわ。』


『娘だと⁈何処でだ⁈』


そう言って、白髪の男は頭をひねっていたが、私は母の話を聞いて察しがついてしまったのだった。そうか、この人が…と思い白髪の男に私は目線を向けた。


『まさか?この者か?』といいつつ、私に指をさしてくる。指さすなと私が無言の圧力をかけるがそんなのは御構い無しに話が進んでいく。


『そうか、あの森で会ったチビ助がお前だったのか。』


母からあの時の話を聞かされた夜叉は、私にそう言った。しかし、折角名前も教えてあげたのに、あの頃と同じようにチビ助で呼ぶとは失礼だと思わないのだろうか。こんな失礼なやつに助けられたのが少しシャクだった。


『まぁー確かに、俺のおかげで助かったようなものだったからなー感謝するといいぞ。』


と、調子こいたことを抜かす白髪の男に蹴りをいれる。流石に不意の攻撃をくらった所為で、白髪の男は顔面から床に激突した。


『痛ってー!!』と叫び、顔を真っ赤にして

私の方にやって来た。


『おい貴様‼︎俺のご好意がわからんのか‼︎折角助けてやったのになんだこの対応は‼︎』


『うるさい、人が折角名前を名乗ったのに、覚えてないあなたが悪いんです‼︎』


『っあー?‼︎なんだと…‼︎』


と私の白髪の男が睨み合っていると、母のげんこつが私と、白髪の男にクリンヒットした。こうして、あの森で私を助けてくれた男と再び再会したのだった。


【第三章】 突然の絶望と、予期せぬ来訪者


私と夜叉が再会して、1ヶ月が経った。彼との生活はとても大変だった。ご飯を食べた後片付けをしないし、部屋汚すしと、やりたいことだけをやる夜叉に対して、その後始末をする私がいるわけで、1日に溜まる疲労はとんでも無かった。しかし、そんな夜叉とも1ヶ月会い続けていると、意外にも彼のことが少しだけ分かって来た。

時々、夜になると彼は森の方を見るに、とても悲しげな顔をする。その理由を知りたいと思うが、そこは触れては行けないのだろうと、私の中で勝手に推測するのだ。本当、気をつかう私の身にもなって欲しいものだ。

そして、とある雨の日奴らは来た。

私が、訪問して来た者を対応した。

その男達は、帽子を深く被り、顔を見せないようにして体がすっぽり隠れる大きさのコートを着ていた。あまりの怪しい格好に私も恐る恐る母の元へ連れて行った。

部屋で母を呼び私は母と交代した。

外から、母と先程の男達の会話が聞こえる。

そして、会話を始めてから数分後異変は起こった。私は襖越しでしか姿を見ることが出来なかったが、男達の後ろの方から大きな腕のようなものが生え振りかぶったように見えた瞬間、襖を突き破り母がこちらに飛ばされて来た。


『あ、飛鳥…に、逃げなさい…。』


母は口から血を出しながら、私に逃げるように言った。


『そ、そんなこと出来ないよ…お母さん…見捨ててなんて…。』


『ば、バカなこと言ってないで逃げなさい‼︎』


そして、母は涙を流したがら私を突き飛ばした。私は、何も出来ない自分を悔しいと思いつつも、逃げることしか出来なかった。

私が、走って逃げた先はあの森だった。

そして、森の手前で喉が枯れるまで、あの人の名を叫び続けた。(お願い助けて…夜叉。)

すると、森の中から、誰が出て来た。


『うるさいぞ、小娘…。なんだ‼︎』


森から出て来たのは、夜叉とは違い髪は真っ黒な青年だった。


『や、夜叉は…。』


『っあ?夜叉だぁ⁈夜叉になんかようか。』


『夜叉に助けて欲しいの…早くしないとお母さんが…。』


すると、黒髪の青年の間から、銀色の風が一線した。

その風の正体は、私が助けを求めていたその人だった。


『夜叉…。お母さんを助けて‼︎』


『対価は?』


『対価ってなに?』


『願い事を叶えるための対価だ。』


『そんなこと言ってる暇無いのよ‼︎早く助けて欲しいの‼︎』


『対価がなければやらない。』


『っつ…。対価あなら、対価なら私をあげる‼︎だから、お母さんを助けて‼︎』


『承知した。』


すると、夜叉は鬼の仮面を付けてものすごいスピードで、私の家の方に向かって行った。


家では、阿須葉だけが残され2人…いや、二体の化け物がそこにいた。

一体は、部屋を荒らし、もう一体が阿須葉の体を大きな腕で掴んで逃げないようにしていた。その化け物の姿はまるで鬼のような姿をしては、いるのだが目が四つほどある珍見な姿をしていた。

阿須葉は、心の中で悔やんだ。もっと、飛鳥のことを見ていたかったと、いつかは自分を超えてくれることを願っていた。なのにこんな形で終わってしまうのかと思うと悔しくて悔しくて涙が人身柄溢れ出していた。そして、ここらの中で死を覚悟して目をつぶっていると、声が聞こえた。


『何勝手に諦めてるんだお前は。』


すると、阿須葉は床に大きな鬼の腕と共に床の上落ちた。

『ギャーーー!』という声が部屋の中を響きわたった。

阿須葉は、自分の目の前にいる相手を見て驚いた。


『夜叉?』


『そうだ、まぁー俺の真名は白夜叉だがな。糞、鬼共随分と好き勝手やってくれたみたいじゃねぇーか。死ぬ覚悟ぐらい出来てんだろうな‼︎』


そう言って、白夜叉は再度鬼の仮面を付けて、鬼に斬りかかる。白夜叉に腕を落とされた方の鬼の足を白夜叉は、剣で切り落としその勢いで首をあっさりと奪った。

その凄みに、もう一体の鬼は戸惑っていた。


『驚愕しろ、糞鬼。俺の見える範囲でことを起こしたのを悔やんで死ね。』


そして、もう一体の体を剣で真っ二つに、叩き切ったのだ。


『ふー、なんとか間に合ったようだな。大丈夫か阿須葉。』


『え、え〜おかげで助かったわ。でも、夜叉何故貴方が此処に?』


『その話は、後回しだ。まずはお前の治療の方が先だろう。』


そして、夜叉が自分の掌を阿須葉に向けて力を込めると、みるみる傷が癒ていった。

私が、夜叉に追いついたのは、全て事が片付いた後だった。


『はー、はー。夜叉、もう倒したの?』


『勿論だ。二体の鬼を始末すればよかったのだろ?』


『っえ?二体…。私が、此処に入れたの三人だよ…。』


『何⁈では、もう一体は…。っは!阿須葉‼︎弥生は何処だ‼︎』


『へ、部屋にいたはずよ。』


それを聞いて、夜叉はすぐに立ち上がり走り去ってしまった。

夜叉が走り去って数分後に帰ってきた夜叉の腕には、驚いた顔をしている祖母が担がれていた。


『3人はここにいろ。三体目の鬼は俺が見つけて殺る。』


『駄目よ。危険だわ。』


『そうだよ、夜叉無理はおよし。』


祖母と母は、夜叉に行かなくていいと説得していた。だが、その説得は突然の来訪で不意となった。

私たちが話していると、ゆっくりと廊下を歩きながらこちらにやって来る床が鳴る音が聞こえいた。そして、部屋に入って来た者の姿を見た私達は驚きを隠せなかった。

私達の誰かが『に、人間⁈』と言葉を発した。すると、私達の前に立つ者が口を開いた。


『っふ、ふふふ。私は人間ではありませんよ。立派な1匹の鬼です。』


『鬼が、言葉を発するなんて聞いたこと無いぞ。』


と、夜叉が鬼と言い張る男の前に立った。


『えー、そうですよ。確かに低俗なただの鬼なら、言葉を発するなんてこと出来ませんからね、認識は間違ってはいないですよ。ただし、私のような存在は、少し違うのです。』


『だからなんだと言うのだ…。鬼には変わりなかろうが。』


『そうですね、確かに鬼には変わり無いでしょうね。まぁ〜しかし、妖ノ森に結界を張っている巫女と、妖を殺して回る切り裂き魔が共闘していようとは思いませんでした。実に都合が良い。』


『なんだ、意外に仲間思いじゃねぇーか。俺に殺された妖達の仇を打とうっていうんだからよ。』


『ふふふ…あははは。何を勘違いしておいでですか。私があんなゴミどもの仇を打とうなんて思うはずが無いでしょ。ふふふ、面白い冗談を言う人だ。実に滑稽ですね。私は、奴らよりも強いのですよ。あんな下等な種と同列に思われてしまうなんて…反吐が出る。この鬼神の力貴方に見せてあげましょうか』


そして、私達の目の前に立つ男が腰のあたりから剣を取り出しこちらに振りかかってくる。その剣を夜叉は躱し、自分の剣を横に薙ぎ払った。そんな夜叉の動きを見て、嬉しそうに相手は笑っている。


『ふふふ、ここまでやるとは思いませんでした。流石に鬼を殺すことが出来るだけはあるみたいですね。退屈せずに済みそうです。』


『ぬかせ、お前など俺の敵にもならんわ。糞鬼が、その首、差し出す準備だけしとけば良いんだよ‼︎』


そして、お互いに剣を交える。その速さは、肉眼で捉えるのもやっとなほどのスピードだった。しかし、押されているのは、夜叉だった。


『ふふふ、あれ程の大口を叩いておきながらこの程度とは、あんまりですよ。その面も殆ど効力を発揮出来ていないと見えますね。』


『バカだなお前、勝手にそう判断するのは早すぎるわ。見とけ!。』


そう言うと、夜叉は自分の付けている面に片手を当てて…何かをつぶやいている。

すると、みるみるの内に夜叉の体の周りに黒い霧のようなものが現れた。


『覚悟しろ。糞鬼、今からお前に絶望を見せてやる。』


そして、目にも留まらぬ速さで鬼の腕を切り落とした。腕を切られた鬼が夜叉に向かって叫び散らす。


『っぐ、殺す、貴様殺してやる!』


『だから、言ったろ?絶望を見せてやるってよ。』


そして、その刃を鬼の首あたりに食い込ませようとしていた。だが私は、夜叉を背中から抱きつき、静止させる。


『もう良いよ。夜叉…。これ以上はもう良いの。』


『そうか、わかった。』


と、軽い返事を返し、夜叉は、鬼から切り取った腕を放り投げた。


『それ、拾ったらもう2度とここに寄るな。』


そして、鬼は何処かへ消えてしまった。

私は、急に緊張感が抜け脱力した。

夜叉はそんな私を見て、何時ものように笑って見せた。


【第4章】新たな旅


鬼を撃退した。夜叉は、そのまま森に帰ると言い放ちここから出て行った。

そして、誰もいなくなった後で私は、久しぶりに母に甘えさせてもらった。鬼によって壊されてしまった部屋を直すために祖母は人集めに行ってしまった。残された母と私は森に向かった。

森に着き、私と母とで夜叉を呼んだ。

すると、村の向こうからは気だるそうにあくびをしながら、夜叉が歩いてきた。


『おう、どうした?阿須葉。それと、飛鳥。』


『この前の御礼をしようと思ったのよ。』


そう言って、母は夜叉に頭を下げた。


『頭をあげろ阿須葉。御礼をされるようなことなんて俺はしてないんだよ。気にするな。』


『でも、そうもいかないでしょ。』


『あー対価はしっかりもらってるからな気にするな。』


『対価?対価そんなもの私あげたかしら?』


『あーこいつをな。』


そういい、夜叉は私に指を向けた。

夜叉の一言に母は驚き,声をあげた。


『な,何を言ってるの夜叉‼︎この子はあげないわよ!』


『だが,自らなをあげたのだぞ?』


『そ,そんなの関係ないわよ。それにこの子はまだ未熟者だし,貴方の役に立つとは思えないわ』


母は,夜叉にそういうが,その説得させようとする言葉で私が傷ついているのも気づいていないようだった。


『ふむ,役に立立たないとなると要らんな。』


そんな、夜叉の一言に私の心は折れかける。

そして、母もそれに同意するものだから、私は泣きそうになる。


『しかし、未熟者なら、同じように未熟者に付ければよかろう。』


夜叉はそういうと、森に向かって誰かを呼んだ。すると、森の中からは気だるそうな黒髪の男が出てきた。


『なんだ夜叉俺を呼んだか?』


そんな、黒髪の男に向って夜叉は拳を頭に振り下ろした。ゴチン!という物凄い音が聞こえた。かなり痛そうだ。


『いて!何しやがるんだ、この野郎‼︎』


『師に向ってその言葉遣いはなんだ‼︎せめて、様とか殿とか付けろこの馬鹿弟子が‼︎』


『うっせぇ〜!何だよ偉そうに‼︎この白髪頭‼︎』


『黙れこれは生まれつきだ。』


そんな下らない喧嘩を二人はし始め、私と母はただ眺めていることしかできなかった。

そして、夜叉と黒髪の男との喧嘩が終わりわた話の続きをすることになった。


『それでだ、こいつにそいつをつけることにすれば良いだろ?』と、夜叉が相談するが母は断固拒否した。


『だいたい、夜叉。この子は,まだろくに力の使い方を知らないのよ。何が起こるのか不安なのよ。』


しかし、夜叉は『問題無い。』と言いつつ私の方に寄ってきて、両手を私の肩に置いて顔を近づけてきた。私は怖くなり咄嗟に夜叉を飛ばそうと力を入れる。目を閉じてはいたものの、夜叉は木の幹に顔面をぶつけていた。

夜叉は私に力を使わせたのだ。その力を見て母はまた唖然としていた。


『こんなの信じられないわ。』


『あー俺も信じられないがこれが事実だ』


そして、母が夜叉の言うことを承諾した。そして、私は私の合意が無しに旅をする羽目になってしまった…道をどこで間違えたんだろう。そう思いつつ、黒髪の男と旅をする羽目になってしまった。

そして、これからは私が一人前になるお話と私と一緒に旅をしている神様のお話。

そして、新たな物語が始まるのだ。


fin〆

読んでいただきありがとうございます。

いや〜、初めてこう言ったことにチャレンジしてみて思ったことは、楽しさ半分怖さ半分と言った感情が芽生えました。

自分のやりたいことをやる、素晴らしいことです。しかし、それを否定されると言うことはとても悲しいことです。ですが、私はあえて、あえてその言葉を受け止め自らの成長に行かせたいと思います。ここで、最後のご挨拶とさせていただきます。

ご愛読して頂いた皆様方ありがとうございました、妖ノ森まだまだ続きますがよろしくお願いします。感想も待ってます。

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