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ACT0-0「殺し屋と殺し屋になる少年」

俺が師匠と会ったのは今から十年前だったと思う。今でも俺はあの時のことを覚えている。

殺し屋に見えない姿、殺し屋に見えない性格。それでも殺し屋だった。最後まで殺し屋としての人生を全うしてきた。

師匠の姿を俺は覚えている。

十年前

僕の母さんと父さんが魔術師に殺された。そう警察の人から言われた。

その後僕は運命に流されるまま、孤児院にたどり着いた。

孤児院で約三ヶ月生活してきた。僕はみんなと距離を置いて一人で魔術の特訓をしていた。

僕の家は魔術で有名だった。みんな死んだとしても汚すわけにはいかない。この家の息子になった以上僕は最強の魔術師になってやる。

とある日の夜みんなが寝たのを見計らって外に出て特訓を始める。孤児院の先生にしっかりと許可を取っている。

いつものように先生たちは「頑張って」と言って応援してくれた。今日も頑張るぞ!!

僕は特訓を始めた。属性魔法から始め、身体強化魔法、魔法で作った武器で練習をするなど様々な練習をした。

「さて水分補給でもしようかな」

そう言って孤児院に戻ろうとする。

「ん?」

孤児院の扉に人が立っていた。

「どうかしたんですか?」

僕は恐る恐る聞いた。その人はこちらを向き

「ここに、時澤時雨ときさわしぐれっていう子がいるって聞いたんだけど・・・」

女の人の声だった。そしてそれは僕の名前だった。

「僕ですけど・・・・何の用ですか?」

「そうか・・・・君が時雨君か・・・・」

女の人は何かに納得したようにつぶやいていた。

そして女の人雰囲気が変わった。そして恐ろしいことを言った

「私はね。殺し屋なんだ。そして今回の依頼が君に関することでね・・・・。依頼主が言うには、時澤家の最後の一人を始末して欲しいって依頼なんだ・・・」

背筋が凍る。何を言っているんだこの人は。死にたくない。死ぬ訳にはいかない!!

「依頼を引き受けたからには殺させてもらうよ。大丈夫。動かなければすぐに天国に行けるから」

街灯に女の人が照らされる。黒スーツに黒いYシャツ、黒いネクタイ、黒い革のロングコートと女の人が身につけるようなものではなかった

黒髪のポニーテールで紅い眼・・・・美人だと思った。率直に。10代後半くらいに見える。

だが、この人は僕を殺しに来た。返り討ちにしてやる。そう殺せばいい。時澤家の人間として魔術で殺してやる。

「ubiquitous・tempus!!」

「!?使えるの」

景色が白黒になる。多分2倍になっているはず。

「うおおおおおおおおお!!」

「やるね!!」

女の人はこちらに走ってくる。

2倍にしてるはずなのになんでこんなに速いんだ!?女の人は回転蹴りをしてくる。その回転蹴りを僕は避けらずを喰らう。

「ぐっ!!」

魔術は解除される。そして地面に叩きつけられる。それとともにリバウンドが襲う。

苦痛。呼吸ができなくなり、心拍数は急激に上がる。くそ・・・・ここまでか・・・・・僕の人生は・・・・

意識が朦朧とする。ダメだ、ごめんなさい。母さん、父さん。もうすぐそっちに行くよ。

意識が消えかける瞬間、女の人は呟いていた。

「気に入った」

そこで意識が消える。


目が覚めたところは見知らぬ場所だった。

「目が覚めたみたいだね」

「!?」

背筋が凍る。そして布団から飛び上がる。そこには前まで僕を殺そうとしていた女の人がいた。

「そんなにびっくりしなくても・・・・まあ当然の行動か。」

「どうして僕を助けたんですか?」

「あれ聞いてなかった?気に入ったからだよ」

確かに言っていた。だが矛盾が生じる。

「でも依頼を受けた以上しっかりとこなすって」

「相手の依頼は『始末』だったからねえ~」

女の人はニコニコしながら言った。そしてこう続ける。

「始末=殺す っていうふうに私は考えてないからね~。始末っていうのはどうにでもしろっていう意味だと思ってるんだけど」

女の人は『始末』の解釈を話している。そして僕の話に移った。

「でも・・・・もし君が死にたいと思っているんだったら殺してあげてもいいよ?」

唐突に恐ろしいことを言ってきた。

「君が生きたいと思うなら生かしてあげる。ただし条件がある・・・」

「・・・・・な、なんですか?条件って?」

普通に喋ろうとしても声が震える・・・・でもそんなことを気にせずに女の人は話を続ける。

「条件は、私の部下&弟子として私の仕事に付き合いなさい!」

いきなり大声を出されて体がビクッとした。そして女の人が言ったことを理解しようとする・・・・・って!?

「え?・・・・・・」

あまりの驚きに声が出なくなった。何言ってんだこの人?

「なるの?ならないの?ならないんだったら銃で天国の特急列車に乗せてあげるけど・・・・」

と言って銃を取り出す。僕は慌てて

「なります!!なりますから殺さないでください!!!」

僕の人生が急転換した瞬間だった・・・と思う。


「さてじゃあ、よろしくねっ!!時雨君!!」

表情が一気に変わり明るい顔になる。僕も慌てて

「は、はい。え、え~と・・・・」

そういえばこの人の名前って・・・・

「ああ!そういえば自己紹介まだだったね。私は本当の名前はもうないからね~。今は『九条清麗』(くじょうすみれ)って名乗ってるからそう呼んで!よろしくね!」

本当の名前がない。というのがすこし疑問をもったがその時の僕は話を合わせるので精一杯だったので気にしなかった。

「よ、よろしくお願いします。清麗さん」

そう言うと訝しげな顔をした。

「『さん』付けしないでよ~距離感じるし・・・・しかも3歳しか歳違わないんだよ?」

?待てよ・・・・3歳しか変わらないって・・・今僕は15歳だから・・・・18歳ってこと!?

「18歳!?」

「なんでそんなに驚いてるの?まさかもっと老けて見える?」

そう言って清麗さんは顔を隠す。

「いやそう言う意味じゃなくて大人っぽいなあ~と思って・・・・・」

でまかせを言う。清麗さんは顔を上げて「そう?」と微笑む。内心ホッとしている僕がいた。

「大人の魅力か~」

なんかさっき僕が言ったことと違う気がするけどまあいいや。

「とにかく清麗さんじゃなくて清麗って呼び捨てで呼んで!」

と怒ってるのかよくわからないテンションで言ってくる。

「は、はあ・・・・分かりました」

「敬語じゃダメ!!」

「・・・分かったよ。清麗」

と普通に言ったつもりだったが、清麗は顔を真っ赤にしていた。あれ?なんかまずいこと言ったかな。僕・・・・・

「よ、よよしOK。さ、さあまず家を周りましょうか~」

なんか様子が変だが怒ってはないらしい。まず良しとしよう。

といって家を紹介された。和室や倉庫、武器庫や風呂場を紹介された。

「ここが私と時雨の寝室ね!」

と紹介され扉を開く。ここで寝るのか~うん?

「清麗と一緒に・・・ってはあ!?」

「そうだよ!」

ベットも一つしかない。おいおいおい!!しかも元気に普通に言っているのに驚きが隠せなかった。

「あの、その・・・これでも男なんだけど・・・」

顔が真っ赤になっているのが自分でもわかる。ああ~耐えられない~今の自分に。

「なんで顔真っ赤にしてるの?・・・・あ、もしかして一緒に寝るの嫌?」

僕はとっさに言葉を出してしまう。

「いやそうじゃないです!!」

「じゃあなんで顔真っ赤なの?無理しなくてもいいよ?」

と悲しい顔で言われる。

「違いますって!!一緒に寝たいです!!」

「え・・・・」

あ・・・墓穴を掘ってしまった気がする。

沈黙・・・・何この間・・・

「そうかそうか!!一緒に寝たいのか~しかたないなあ~」

?気にしてない?

「そろそろご飯にしよっか!!」

確かにもう日が暮れる。それにお腹が空いてきた。

「うん」


まさかインスタントだとは。清麗は美味しく食べている。

「清麗?今度から僕が作るよ」

清麗は完璧に「作れるの?」というふうな顔をしている。

「文武両道がうちの家訓の一つでもあるんだ。だから食材さえあればなんでも作れるよ」

「やった!!ホントに?」

清麗は太陽のような笑顔になる。うっ・・・思春期の僕の心臓がどきっとする。耐えられず僕はここで話を切り替える。

「ねえ清麗」

「?何」

「依頼ってどのくらいのペースであるの?」

そう言うと少し清麗は考えこみ、しばらく経ってから話し始めた。

「う~ん1ヶ月に2回くらいかな」

「・・・・少なくね?」

「まあ少ないっちゃ少ないけど報酬はたんまりだからね~」

そう言って清麗は悪い顔をしてお金のマークを手で作る。

「1つの依頼で1000万くらいだし。」

「まじで!!」

思わずテーブルを叩く。

清麗は頷く。

「そうなんだ・・・・」

ご飯をパクパクと食っていく。食べ終わったら、お風呂に入ろっと。


「ごちそうさま」

さてお風呂入ろうかな。あと武器も見てみたいし。

「ねえ~清麗~先風呂入っていい?」

清麗に尋ねる。

「ごめん私先でいい?」

「え?ああいいよ。」

武器庫の鍵は預かっている。じゃあ先に武器庫に行かせてもらうかな。

ガチャという鍵を開ける音とともに、重い扉を開ける。やっぱりホコリ臭いなあ~

さて、何があるかな~見渡す限り武器。正直僕は銃などが好きだ。そこには映画やゲームで出てくる武器がたくさんあった。

やばいテンションが上がってきた!!

「銃・・・くわしいの?」

清麗が後ろにいた。いつから居たのかわからなかった。そういえば風呂に入ったのか?

「風呂入ったの?」

「うん。もう入ったよ」

早いな。女の人って長風呂するというふうに考えていたんだけど・・・・・

「銃は詳しい方だと思う。それにしてもかなりの武器の量と種類があるね~」

「そうでしょ。まあ、私自身はあまり使わないんだけど」

「え?どうして?」

「使い慣れないからだよ。正直撃つの得意じゃないから。でもまあ、使う時はP90とかグレネードくらいかな。」

「ふーん」

まあ、魔術師が銃を使うなんていうこと自体が外道だっていうふうに考えるやつもいるしね。それにしても・・・・すごい量だよな。マジ

「アサルトライフルだけでもAK47、FNC、SIG552、M4、M16、L86、G36その他もろもろ。」

「弾倉は1種類100個位あるし、替えもかなりあるよ~」

恐ろしい・・・武器屋かここは・・・・

ピンポーン

そんなことを考えているとチャイムが鳴った。

「あ、やっと届いた」

「ん?何が届いたの?」

「お楽しみ♪」

そう言うと清麗は玄関に行ってしまった。

「ふむ・・・・」

今日はたくさんのことがあったな。全くこれからの僕の人生はどうなるんだか・・・・・

バタバタバタと走ってくる音。

「時雨~届いたよー!!」

「何が?」

「あなたにとって最強の武器の一つになるであろうもの」

そう言われて目の前にアタッシュケースを出された。

「開けてみて」

僕はそのアタッシュケースを受け取る。そして地面に置き、ゆっくりと開く。

そこには銀色のクロスボウがあった。

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