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第一話

世の中に不思議な事ってのは、案外溢れてる

宇宙人だの超能力者だの

そりゃあもう飽和し尽くす程にな

まさかこんな目に遭うとは思ってなかった

この科学信仰のご時世に、時代遅れの妖怪に、俺は出逢った

もしよければ、こんな笑いの種にもならねぇ馬鹿話を聞いてくれ

一人の何でもない青年が…ちょっとした神様の悪戯で巡りあっちまった数奇な物語を


あれは梅雨の時期、妙に生暖かい夜だったと俺は記憶している

俺は仕事も終わり、家でくつろいでいた

ついでに自己紹介もしておこう

くつろいでいる様子は自己紹介を聞きながら脳内早送り再生しておいてくれ


名前は篠塚隆司という

歳は22歳くらい

親は小さいときに事故で亡くし、身寄りの無い俺は、以来施設で育った

右目には事故の時に出来た大きな傷が走っている

幸い視力に影響はなかったが、こいつのせいで学園生活はそんなに面白いものではなかった

高校を卒業してからはしばらく食い扶持もなく、困り果てていたところを現在の仕事先の所長に拾ってもらい、今に至る


今日は仕事が昼のみだったので、久し振りに見るゴールデンタイムのバラエティーでも見ながら缶ビールをちびちび飲んでいたところだった


そこまでの説明を終えたところから物語は始まる


「うわ…なんだこれ、最近TV見てないからまったく分からんな」


ずいぶん前に見ていたバラエティーはとっくの昔に終了していたようで、いつから放送していたのかも分からない、若手芸人が司会をしている番組を見ながら俺は独り言を呟いていた

というか、その芸人すら俺はよく知らないのだが

最近の移り変わりの早さには舌を巻く、と思うようになった今日この頃である


「…何か面白くねぇな」


頬杖をついたままもう片方の手でTVの電源を切る

この次の番組は俺も知っていて割と好きなのだが、バイトの疲れと今の番組のつまらなさが相まってとてつもなく眠かった

まあ、仕事疲れのこの眠気は嫌いじゃない

家に帰ってから何一つやる気の起きないあの無駄な時間が俺の至福の時間である

その為にはまず、一日を費やして全力で疲れる必要がある

オーナーにその話をしたらマゾヒストの疑いをかけられたが、別にそれとは違うのだと思う

だが、こう俺の幸福論を述べたところで眠気が覚めるわけではない

しかしだらだらと悪あがきしたせいか、不覚にもソファにてそのまま意識を落とした




…ダンダンダンダン!!


「…ぅ…」


目が覚めたのは12時も回った真夜中だった

このまま布団もかけずに眠りこけていたら、風邪を引くかもしれない

それにつけっぱなしのエアコンの電気代もいくらになっていたか…

妙なところにゾッとしながらも足早に玄関先に向かった

このタイミングで起こしてくれたのはありがたいが、今は寝てる人の方が多い時間帯だ

大方悪酔いしたおっさんなのだろうが、早くお引き取り願おう


「あの…どちら様ですか、階を間違えたんじゃ…」


と、言いながらドアを開けて、俺の思考回路はストップした


「いや、間違いない、儂は間違いなくお主を探しておったぞ」


そこに立っていたのは…


「…?どうした?呆けた面をしおってからに」


鼻先20cm、そこには素っ裸の女の子が突っ立っていた


「…どちらさま?」


………続ける!!

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