夢の囚われ人(びと)(元未公開作品)
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:(仮)夢の囚われ人
▼登場人物
●湯芽煮カケル:男性。22歳。就職を控えた大学生。小説家になるのが夢。
●湯芽煮武彦:男性。54歳。カケルの父親。某商社の社長。かなりの過保護。
●湯芽煮佳子:女性。53歳。カケルの母親。普通の母親のイメージで。
●夢咲杏奈:女性。20代。カケルの理想と欲望から生まれた生霊。
▼場所設定
●カケルの自宅:都内にある少し大きめの戸建てのイメージで。
●Kingdom of Dream:お洒落なカクテルバー。杏奈の行きつけ。
●街中:こちらは必要ならで一般的なイメージでお願いします。
▼アイテム
●Dream Time:杏奈がカケルに勧める特製のカクテル。こちらは気持ちを落ち着かせる効果があるだけの普通のカクテル。
●Prisoner of Dreams:杏奈がカケルに勧める特製のカクテル。飲んだ人を暖かで幸せな夢の囚人にしてしまう。眠っている時に見る夢から覚ませず、そのまま一生寝たきりにさせる。
NAは湯芽煮カケルでよろしくお願い致します。
イントロ〜
人には誰でも夢がある。
その夢を叶える為に人は生きているのか。
いろいろ思うところはあるが、
夢というのは時にその生活に張り合いを持たせ、
その人のアイデンティティにさえに成るものである。
そして人生を生かされていく内、その夢はいろいろ姿を変えて、
次々新しいものとして生まれ変わる事もある。
でもそれらの夢が全部摘み取られたら、
その人はどうなるだろう。
メインシナリオ〜
ト書き〈自宅〉
カケル「父さん、俺は小説家になりたいんだよ!」
武彦「ダメだダメだ!小説家なんてふざけたこと言ってんな!ワシがせっかくここまで会社を大きくして、お前を次期社長にまでしてやろうと言ってんのに、何が悲しくて自分の息子を小説家になんかせにゃならんのだ!」
カケル「父さん!」
武彦「お前はワシの決めた通りに生きれば良い!それが1番お前にとってイイんだ!余計な事をせず、ワシの決めた通りにやれ!」
カケル「…はぁ(やっぱり何言ったって無駄か…)」
俺の名前は湯芽煮カケル。
今年22歳になる大学生で、もう卒業間近。
そろそろ就職を本気で考える時期になり、
俺は小説家の道を歩みたかった。
でも俺の父は会社の社長をしており、
俺がその会社の次期社長になるのを夢見ていた。
昔からだ。
でも俺も同じくその昔から、幼少の頃は漫画家になりたく、
そして成長するにつれ、自分に1番合った仕事として
小説家がある…それになりたい…!
そう本気で夢見始めてこれまで来たのだ。
しかし父は絶対にそれを許さなかった。
何度話し合おうとしても無駄で、
結局、最後は父が大激怒していつも終わってしまう。
話にならない。
ト書き〈飲みに行く〉
そんなある日の事、大学帰り。
俺はもう家に帰りたくなくなってしまい、
バイトで貯めたなけなしの金を持って飲みに行く事にした。
父には内緒で既に行きつけの店を見つけてあり、
何か嫌な事がある度にそこへ行き飲んでいた。
そうしていつもの飲み屋街を歩いていた時…
カケル「ん、あれ?こんな店あったっけ?」
新装開店でもしていたのか。
『Kingdom of Dream』という
少しお洒落なカクテルバーが建っていた。
俺はどちらかと言うとビールよりカクテルが好き。
何となく気に入り店に入ってカウンターにつき、1人飲んでいた。
カケル「…ったく、うちの親父はなんでああ分からず屋で頑なで、話さえまともに出来ない奴なんだろう!本当に子供の事を思うなら、子供の夢を応援するのが親の務めじゃないのか!」
俺はその日、いつもより荒れていた。
すると背後から…
杏奈「フフ、こんにちは♪なんだかさっきから荒れてらっしゃいますね?もしよかったらご一緒しませんか?」
と1人の女性が声をかけてきた。
結構な美人。
名前は夢咲杏奈さんと言った。
なんでも都内でヒーラーの仕事をしていたらしく、
こんな場所でもキャッチセールスのような事をしているとかで、
悩みを抱えてそうな人を見つけ声をかけ、
そこで商売をすると言った、まぁ外回りの営業のような仕事らしい。
別に断る理由も無かったのでとりあえず一緒に飲む事に。
まぁそんな時でもあったから、正直に言えば
その時の自分の悩みを聞いてほしい…と言うのもあった。
でも喋っている内に何となく不思議を思う。
「昔から自分と一緒に居てくれた人」
のような感覚がまず漂ってきて、
次に自分の事を無性に打ち明けたくなる。
つまり自分の悩みや願い事を彼女に打ち明けて、
何とか解決してほしい…そんな気持ちにさせられるのだ。
そして気づくと俺は、最近の生活の事や将来の夢の事、
そして今大きく抱えている心の悩みを彼女に打ち明けていた。
カケル「ハハwこんなこと初対面のあなたに話すなんてどうかしてますねぇ僕。…でもほんと、悩んでるんです。うちの父は本当に分からず屋で子供の事なんて何とも思ってなくて、全部自分の思い通りにしなきゃ気が済まない、そんな奴なんですよ…」
「俺は小説家になりたい」…その事を踏まえながら、
親父が今自分に押し付けているその全ての事を
本気でプレッシャーに思い嫌っている。
そういう事を全部彼女にぶちまけた。
彼女は親身になって聴いてくれ、なんとその後、
本当に俺のその悩みを解決する為に動いてくれたのだ。
杏奈「なるほど、将来の夢ですか。お仕事についての悩み事は本当に沢山の人が抱えてらっしゃいます。男性だけじゃなく女性も最近では、そんな事で随分悩み、半ばノイローゼになっちゃう人も居るぐらいですからねぇ…」
カケル「はぁ…」
杏奈「分かりました。ここでこうしてお会い出来たのも何かのご縁です。私がそのお悩みを解決して差し上げましょう」
カケル「え?」
そう言って彼女はまず指をパチンと鳴らし
そこのマスターにカクテルを一杯オーダーして、
それを俺に勧めてきた。
杏奈「まぁ景気づけに一杯どうぞ。そのカクテルは私の特製で『Dream Time』という、まぁ気持ちを落ち着かせてくれるカクテルです。飲むと気分が安らぎますよ?」
カケル「はぁ…」
やはり彼女は不思議な人。
彼女にそう言われると自然とその気になってしまい、
俺はそのカクテルを一気に飲み干していた。
そして彼女はいろんなアドバイスを俺にしてくれたのだ。
でもまだ釈然としない。
彼女がその時言った事は、大体世間でよく聞くありがちな事。
彼女はうちの父の事を知らない。
当然だがこれがネックとなって…
カケル「そ、そんな事わかってますよ。でもうちの父は全部それを否定してきて自分の思い通りにし、僕をこれまでずっと自分の言いなりにしてきたんです。大学だって本当は違う所へ行きたかった。本当は芸術大に行きたかったのに父がどうしても一流私学へ行けってうるさくて、それで仕方なく…」
カケル「それに本当は今頃家を出て、アパート暮らしをしたかったんだ。それも『悪い虫がつくから』と親父は許さず、俺をずっと自分の手元に置き続けてきた。こんなんじゃ俺は親父の傀儡で、まるで道化の人生を生きているようですよ…!」
今までの嫌な思い出が一気に甦り、俺は父を憎む勢いでそう言った。
杏奈「なるほど。あなたの場合はその家庭の内容からまず変えなきゃならないようですね。分かりました。それじゃあ私があなたのおウチに行って、お父様にそれなりの事をお話ししてみましょうか?」
カケル「は?…ウチに来るって…ええ?」
杏奈「フフ、どうぞご心配なく。ただ説得してみようと思ってるだけですわ。それでもし無理なら、その次の手を考えますからどうぞご安心下さい」
まさかそこまでしてくれるとは。
俺は少し不思議な気になり、
彼女の事をもう少し知りたくなってしまった。
彼女に対しては不思議と恋愛感情が湧かない。
それ以上に心の拠り所を求める気持ちが働いて、
何が何でも助けて欲しい…
この今の悩みを解決するまでそばに居てほしい…
その一心で彼女にすがり付くようになってしまい、
やはりここでも不思議な感覚を味わってしまう。
彼女にそう言われたらその気になり、
今彼女が言った事を俺も期待するようになっていたのだ。
ト書き〈カケルの自宅でトラブル〉
そして3日後。
武彦「なんだアンタは!?どこの女だ!」
カケル「と、父さん!彼女になんてこと言うんだよ!」
武彦「うるさい!お前は黙ってろ!ったく、飲み屋で知り合った女だと!?そんなモンがなんでうちの息子に付きまとうんだ!」
杏奈「お父様、どうかお話を…」
武彦「じゃかましい!!アンタみたいなヤツと話す事なんか何もないんだ!とっとと出て行け!そして2度とうちの息子に近づくな!」
カケル「と、父さん!」
武彦「お前もこんな女と一緒につるんで遊んでるんじゃない!お前はうちの会社の次期社長になる身なんだ!今からちゃんと生活を改めて、立派な社会人になる為の準備をしておけぇ!!」
「近くのバーで知り合った」と言ったのがマズかった。
まさかここまで怒鳴り上げるとは思わなかったが、
親父の頑なさ加減はどうやら半端なものじゃないらしい。
「父さんは分からず屋だ!」
そう言って俺も杏奈さんと一緒に家を飛び出し、
最寄りの駅まで彼女を送って行こうとした。
その時ちょうど道なりに公園があったので、
「ちょっと休憩していきましょうか?」
と彼女が言ってくれたのもあり、
そこで2人してベンチに腰かけていた。
カケル「あ、あの、杏奈さん。す、すみません。あんな事になってしまって。…でも、これで分かったでしょう?うちの親父は本当に普通じゃないんですよ。最近特に僕に対する姿勢というか態度がひどくなってきて、何か言う度に喧嘩なんです。だからもう僕も本当に親父と話すのが嫌になってしまって…」
俺は又そこで愚痴を吐いていた。
でも彼女はさっきあった事もまるで気にしていないような様子で、
その時でも優しく俺の言葉に耳を傾けてくれ、
親身になって俺の話を聴いてくれていた。
そして…
杏奈「カケルさん、あなたも大変ですね。確かに、あれ程だとは思いませんでした。お父様はきっとあなたの事を本当に大事に思ってらっしゃって、その将来の先々の事まで今から考えて居られるんでしょうね。見方によっては、これは幸せな事ですよ?親から見放されて捨てられて、そんな将来の事を気にもかけてくれない子供達も、今の世の中には沢山居るんですから…」
杏奈は少し遠くを見ながらそう言ってくれた。
でも…
カケル「じょ、冗談じゃないですよあんなの!うちの親父が俺の事を思ってくれてるなんて…!もし本気でちゃんと思ってくれてるんなら俺の言う事もちゃんと聴いてくれて、その上で、自分の子供の希望を叶えようとしてくれるモンじゃないんですか!?親父はただの独裁者ですよ!あんな親父の息子になんか、僕は本当に生まれたくなかった…!」
なまじ同情を兼ねて慰められたものだから、
つい勢い余ってそう言ってしまい、
日頃から積み重なってきた心の鬱憤が彼女を目掛けて飛び出した。
杏奈「まぁまぁ、どうか気持ちを落ち着けて。大丈夫ですよ。そのうち時が過ぎればきっとお父様もあなたの事を一人前と見なしてくれて、あなたの人生を応援してくれるようになるでしょう。その時まで親孝行だと思って、お父様の願いを叶えて差し上げたらどうですか?あなたも本当はお父様の事を好きで、そんな親孝行の事を常々考えてらっしゃるんじゃないでしょうか」
それでも杏奈はそんな事を言って俺を慰めようとしてきた。
その気持ちは確かに有難く嬉しいものだったが、
でも、俺はどうしても
今の親父の言いなりにだけは成りたくなかった。
カケル「…あなたも結局、他の人と同じような事を言うんですね。そんな事で解決するぐらいなら、今までにとっくに解決してますよ。…今まで俺がどんなに親父に合わせてきて、自分のしたい事も夢も理想も全部犠牲にしてここまでやってきたか。…あなたは僕が恵まれてるみたいな事を言ってましたが、こんな状況ならもっと貧しい家庭に生まれてでも、心の通い合う、仲睦まじい関係を結べる親のもとに生まれたかったです…」
そう言って彼女から目を離し、
ベンチを立ち上がって公園を出て行こうとした。
すると彼女は…
杏奈「あ、ちょっと待って下さい」
と言って俺を引き止めてきて、今度は別の角度から
俺の気持ちを確認するような事を言ってきた。
杏奈「カケルさん。あなた、本当に今、自分がこれまで追い続けてきたその夢を叶えたいと思ってらっしゃいますか?もし本当にその覚悟がおありなら、その為のサポートをして差し上げますがいかがでしょう?」
カケル「…は?」
なんかよく分からなかったが、
彼女はやっぱり俺の味方になってくれるようで、
俺の心の奥底にあるこの願いを叶えてくれる…
みたいな事を言ってきたのだ。
カケル「か、覚悟って…」
杏奈「フフ、本気で今の状況でその夢を叶えようとするなら、あなたもそれなりの犠牲を払わなければなりません。それでも良いのなら、私がその願いを叶えて差し上げましょう」
そう言って彼女は又あのバーへ俺を連れて行き、
そこでそれまでと似たような事をいろいろ話しつつ、
また一杯のカクテルをオーダーしそれを俺に勧めた。
カケル「こ、これは…?」
杏奈「それは『Prisoner of Dreams』というこれもまた特製のカクテルでして、それを飲めばあなたの夢は叶えられます。あなたは夢のような第2の人生を手に入れる事が出来、そしてその生活を邪魔する者はもう誰も居なくなるでしょう」
そんな事を言ってきた。
もちろん信じられない。
でも…
杏奈「フフ、カケルさん。信じる事が大事ですよ。夢に向かうというのは、信じる事がその第一歩になるものです。自分の力を信じる上で、夢のような第2の生活を手に入れるというその事も信じてみて下さい。信じれば、必ずその通りに成るでしょう」
ここでも彼女の魅力を感じてしまう。
彼女にそう言われると信じてしまう。
カケル「だ…第2の生活…夢のような人生…」
俺はそのグラスを手に取り、もう飲む気になっていた。
そこで杏奈は最後に俺に言った。
杏奈「改めてお聞きします。夢の人生を手に入れたら、もう後戻りは出来ません。ここに先程から言ってる覚悟が必要になるのです。その覚悟、本当にあなたは持っていますか?持っているならどうぞ…」
その言葉を聞き届けた後、俺はそのカクテルを一気に飲み干した。
ト書き〈ベッドに寝続けているカケル〉
そして翌日。
佳子「カ、カケル…!?カケル!あ、あなた!あなたあ!カケルが…!」
朝になってもずっと起きてこない俺を心配した母親が、
俺の部屋に来て、ベッドに寝続けている俺を見て驚いた。
どれだけ声をかけても何度揺すっても俺は起きなかった。
武彦「カ、カケル!おいどうした!?カケルゥ!?」
(カケルの自宅を外から眺めながら)
杏奈「フフ、カケルはこれで文字通り、夢の中で第2の人生を手に入れる事が出来た。今頃その夢で、カケルは大好きな小説を書き続けている事でしょうね」
杏奈「私はカケルの夢と理想から生まれた生霊。どうしても自分の好きな仕事に就きたい・その夢を叶えたい…と言うカケルの理想と欲望を叶える為だけに現れた」
杏奈「あのカクテル『Prisoner of Dreams』はその名の通り、飲んだ人を夢の囚われ人にする特製のカクテルだったのよ。でもその夢は明るくて幸せで、一生目覚めない代わりに、その人に夢の幸福を与え続けてくれるわ。現実で叶えられない夢だからこそ、その夢を本当の夢の中で叶えたカケル」
杏奈「子育ての仕方を間違う親が結構多い今の世の中じゃ、こんな風に現実逃避させられ、自分が作り上げる夢の王国から抜け出れない子供が多くなるのも、やはり納得できるものよね…」
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬




