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第1話 女子高生探偵

 今僕は樹海にいる。


 「死んでないんじゃないの」


 母は僕に言った。確かに警察の方々が必至に捜索してくれているけどまったく兄の健人の死体は見つからない。


「でもあの兄が会社を辞め自殺するとメモも残してるんだ。その後に監視カメラなどから間違いなくこの樹海にも来てるんだよ」


 いい加減な性格の自分と違いまじめな兄がふざけてこんな事をするとは思えない。


 「でも死体が出ないんだもの・・・」


 母のつぶやきに反論する確かな証拠はない。先ほどから他人の死体は恐ろしい事に少なくない数見つかるが、兄の死体は出てない。


 「首吊り自殺したということだったんで捜索しましたが、見つけられませんでした」


 深夜になってから刑事さんから捜索の打ち切りが、僕ら家族に伝えられた。


 「それは健人が生きているということですか?」


 母が凄い形相で刑事さんに詰め寄った。


 「それはわからんです。ただここに健人さんの首吊り遺体は見つかりませんでした」


 「それじゃあここにいなければ兄はどこにいるんですか?」


 刑事さんが解らない事は理解しているが、大事な兄の事なので考えるよりも先に言葉がでてしまった。


 「そうですね。僕ら警察ではないのですが・・・」


 刑事さんは少し言いにくそうにしていた。


 「お願いします。大切な兄なんです」


 僕と母は頭を下げた。


 「解りました。ただ彼女はお兄さんを発見出来るかもしれませんが、いかんせんちょっと性格に難がありますので、何かありましたら私の方へご連絡して下さい」


 その女の人の事務所の住所と一緒に刑事さんに名刺も頂いた。


 「ありがとうございます」


 その時は兄の事でいっぱいで刑事さんの忠告を聞き流していたが、後に自分が彼女に奴隷のような扱いを受け続けるとはこの時思いもしなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 僕は刑事さんに教えてもらった住所に向かっている。


 「本当にここなんだよな」


 田舎ものの僕は少しびびっでいる。


 なぜならここは日本で一番犯罪遭遇率(犯罪に遭遇する確率)が高い大阪市、その大阪市の中で犯罪が一番多い区である中央区、某野球球団が優勝したら飛び込む事で有名な道頓堀川が流れる。その道頓堀川の近くにのん探偵事務所はある。


 周囲にある風俗の看板などから、この地域の治安の悪さがわかる。


 僕はその風俗街にある雑居ビルにあるのん探偵事務所についた。


 看板には依頼料1億円とふざけた事がかかれている。


 詐欺なら帰ろうと思いドアを開けるとそこには絶世の美女が立っていた。


 身長は160cmぐらいで、髪は 長くて艶やかで水が滴るような光沢のある黒髪で、目はアーモンド型でぱっちりと開いており、瞳に引き込まれそうである。


 僕はあまりの美女に体が硬直してしまった。


 「依頼者さん。そんなところに突っ立てないで、こちらにお座わりください」


 彼女に言われて慌てて近くにあった椅子に座った。


 「で、依頼は何ですか?」


 彼女に言われて改めて彼女を見ると学校の制服を着ている。


 「何故制服を着ているんですか?」


 依頼よりまずその事が口に出た。


 「それは私が世界一の女子高生探偵だからです」


 彼女は踏ん反り返ったが、僕は逆に頭を抱えた。


 (この子に任せて大丈夫だろうか・・・)

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