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第15回放送【龍帝国について】

リアム「『らぢお♪がやがや冥府』の時間だよー」



オルトレイ「お歌のおにいさんか、お前は」



リアム「こう呼び掛ければいいんじゃないの?」



キクガ「珍しく最初をやってみたいと言うので任せてみた訳だが」



アッシュ「本当に珍しいことを言うな。自分から動いたか」



リアム「うん」



アイザック「成長したようだがね。吾輩は感動したとも、これからも精進したまえよ」



リアム「偉そうだな」



アイザック「何か気に食わなかったかね」



キクガ「今回もまた現世の話題を紹介していく訳だが。今回の国は観光地としても有名なあの国な訳だが」



オルトレイ「今までも観光地として有名な場所だったがな、これ以上があるのか」



アイザック「ふぅむ、吾輩も色々と国を巡ったがなぁ。冥王第一補佐官殿をそう言わしめるほどの観光地とはどこのことだろう」



アッシュ「どこの国を紹介してくれんだ?」



リアム「楽しいところがいいな。じゃなきゃ許さない」



アッシュ「コイツは何で今日に限って暴君みたいなんだよ」



オルトレイ「深淵刑場に新しく入ってきた罪人が舐めた口を利いてきたからだな。英雄様でも苛立っちゃうのだ」



リアム「いいから紹介してよ」



キクガ「それではこちらだ」





現世の話題:龍帝国について





キクガ「今回の話題は龍帝国についてな訳だが。東洋地域随一の観光地として有名で、美食と美酒に定評のある帝国だ」



リアム「おお」



オルトレイ「なるほど、龍帝国。あそこは確かに美酒と美食の国と称される有名な観光地だ。高級料理から屋台飯まで幅広い種類に加え、独自の香辛料を足して進化した辛味が中心となった東洋料理は目を見張るものがあるな」



リアム「いつになく饒舌だね」



オルトレイ「オレに八つ当たりか?」



アッシュ「辛いのか……」



アイザック「おお、辛いものが苦手なお子様舌のアッシュ殿ではまだ東洋料理は早いのではないかね?」



アッシュ「顔が変形するまで殴る」



アイザック「暴力反対!!」



キクガ「そうか、アッシュは辛いものが苦手だった訳だが。ほんの少しでもダメかね?」



アッシュ「悪いな、鼻が馬鹿になりかねねえ」



オルトレイ「まあ、仕方なかろう。生きていれば趣味嗜好も違ってくるしな」



アイザック「しかしなぁ、別に辛いものだけが有名という訳でもないのだがね。東洋料理には極端に辛いものと極端に甘いものがある。その両極端がまた面白いのだよ」



キクガ「お菓子は甘くて美味しい訳だが。食感がとても好ましい」



リアム「ハルアからお土産でもらったことあるな」



オルトレイ「さて、龍帝国について紹介するか。まずは写真から公開しよう。今回は豪勢だぞ」



アッシュ「合成?」



オルトレイ「お前の耳は何か詰まっているのか?」



キクガ「オルトが撮影してきてくれた写真がこれだが」





挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)





オルトレイ「自信作」



リアム「わあ、いいね。テンション上がる」



アイザック「東洋風と聞いただけでテンションが上がるのは何故だろうなぁ。吾輩もワクワクしちゃうぞ」



キクガ「この赤色の使い方がいい訳だが。やはり東洋文化は素晴らしいな」



アッシュ「でも飯は辛いんだろ」



オルトレイ「まーだ引き摺るのか」



アッシュ「甘いものだけで何とか凌ぐしか……」



キクガ「ところでオルト、頼んでいた説明文は?」



オルトレイ「もちろん用意したとも。今回も超大作だ」



アッシュ「また長えのか?」



オルトレイ「詳しく紹介しようとするとな、どうしても長くなるものだ。耐えろ」



アイザック「楽しくなっちゃったのだろう、あれもこれも説明したくて」



オルトレイ「オレの心を覗いたか?」



キクガ「非常に分かりやすい訳だが」





龍帝国

東洋地域で最大規模を誇る国家。険峻な山々を臨む豊かな自然と独特の文化によって発展してきた。特に第3の食事文化とされる東洋料理に関する文化は世界各国でも注目されており、辛い物好きには堪らんというほど有名。

美酒と美食の国と称され、多くの観光客がそれらを求めて訪れる。高級料亭から安価な屋台飯まで幅広く取り揃えられており、お土産も菓子から工芸品まで充実している。国民は「おもてなしすることが最大限の礼儀」と考えており、訪れた観光客を最大限にもてなしてくれることでも知られている。


建国から続くワンロン龍帝家は毒殺や暗殺などが繰り広げられていた、血みどろな歴史を持つことでも知られている。ワンロン龍帝家を題材にした娯楽小説は世界各国でも愛読されているほど有名。ほぼ全編に渡って割と事実であることが多いらしい。

またワンロン龍帝家を中心として関係者は竜人で構成されており、龍帝の周囲にも暗殺などを警戒して信用に於ける人物しか配置されない。その為、どこの国にも属さない七魔法王に酷く傾倒しており、行事ごとに招待される。





オルトレイ「以上だ」



アッシュ「暗殺」



リアム「毒殺」



アイザック「悲劇が多いのか、何とも言えんなぁ」



キクガ「こんな泥沼の家系だったのかね」



オルトレイ「詳しくは『龍帝の妃』などの小説を読めばいい。ほぼ事実だからな」



リアム「ほぼ事実って具体的にはどれぐらい?」



オルトレイ「登場人物の名前以外は全部事実だ。龍帝家の関係者がまとめたものだからな。龍帝本人も『面白おかしく書け、面白くなかったら首を刎ねる』と言ったぐらいだし」



キクガ「暴君ではないか」



リアム「皇帝様ってそんなに愉快だったっけ」



オルトレイ「愉快なことに飢えているのだろうよ」



キクガ「あの変態、兄弟愛に目覚めているだけではないのか」



オルトレイ「その部分もちゃんと娯楽小説には書かれているので注目すべきだな」



アッシュ「竜人ってのは聞いたことねえんだけど、そんなのいるのか?」



アイザック「いるとも。体表に爬虫類のような鱗をもつ人のことを言うのだよ」



オルトレイ「加えて、獣人とは違って奴らは魔力回路を有する。外部による魔力の貯蔵装置を調達すれば魔法を使えなくもない、という訳だな」



リアム「ぼく、てっきりアッシュさんは馬鹿だから魔法が使えないのかと思っていたよ」



アッシュ「アム坊、あとで第3刑場まで来い。ボコボコにしてやる」



リアム「その前に逃げるね」



オルトレイ「アッシュなどの獣人は魔力を有する代わりに、魔法を使う為の神経である『魔力回路』が存在しない。だから魔法を扱うことが出来んのだ。代わりに身体能力は発達していて、こちらは竜人には持ち得ないものだから誇っていいぞ」



アッシュ「どや」



キクガ「私も魔力回路とやらを有していないが……」



オルトレイ「まあ、お前の場合は異世界出身だからな。なくて当然だろうよ」



アイザック「よかったではないか、冥王第一補佐官殿。リアム殿と違って」



リアム「どういうこと」



オルトレイ「お前の場合は神々に愛されて神造兵器なんぞに手を出しちゃったから、元からあった魔力回路が塞がれているのだ。魔力回路はあるし魔力も持っているのに魔法が使えんという最悪の事態だな」



リアム「あんなの持たなきゃよかったな」



アイザック「まあまあ、明るく考えたまえよ。あれがなければハルア殿も生まれてこなかったし、貴殿は英雄にはなれんかったぞ」



リアム「ハルアが生まれなかったことに関しては同意するけど、ぼくは英雄になんてなりたくなかったよ」



キクガ「これ以上は空気が悪くなるので無理やり変える訳だが。第3の文化とも呼ばれる東洋料理だが、他にそのような食文化はあるのかね?」



オルトレイ「あるぞ」



アッシュ「あるのか」



オルトレイ「聞かれると思ってフリップに説明文を用意しておいた。ドンとな」





西洋料理:見た目の華やかさが特徴的な料理。前菜、スープ、主菜、デザート、飲み物と順番に食事が出てくるのが基本スタイル。


南洋料理:大皿、鉄鍋でドカッと一気に提供される料理。複数人で分け合うことを前提としているので大皿料理となりがち。東洋料理とはまた違う香辛料を使う。


極東料理:東洋料理よりあとに確立された第4の食文化。野菜や魚を中心とし、素材の良さを生かした料理。小鉢などが複数用意されており、主食に米を配置しているのが特徴。


北洋料理:実は西洋料理よりも前に確立されていた食文化。厳しい大地でも保存が効くように塩漬けや燻製などが基本スタイル。





オルトレイ「東洋料理は極東料理よりも前だな。唐辛子などの香辛料を使い、油でガッと炒めることが多いな。大皿料理が多いのは南洋料理と似通っているが、龍帝国は『腹一杯になるまで飯を食わすのが最大限のおもてなし』と考えているので大皿料理が何皿も出てくるのだよ」



キクガ「確かに大量に出てきた訳だが」



アッシュ「そういや最近行ったな」



リアム「ご飯美味しかった?」



キクガ「美味しかったとも。単純に辛いものばかりではなく、海鮮も美味しいのでお勧めな訳だが」



アイザック「そういえば、龍帝国は海にも面している場所があるから海老や蟹が取れると言われているなぁ」



キクガ「美食と美酒の国の名前に恥じない美味しさだった。アッシュもきっと好きになれる料理はあるはずだ」



アッシュ「そうかぁ?」



オルトレイ「辛いものが苦手ならば屋台飯はどうだ? あれは観光客にも人気の高い料理だしな」



アッシュ「獣王国にも屋台街はあったけどな」



オルトレイ「確かに獣王国にも屋台街はあるが、でも楽しいぞ。獣王国の屋台街とはまた違ったものがある」



リアム「たとえば?」



アイザック「蒸し料理が基本だがね。肉を皮で包み込み、せいろで蒸すのだよ。あとは餅や米など主食が極東料理と似通っているから、色々とありすぎてしまうなぁ。でも辛味のある料理は高級料亭や店を持っていることが多いから、辛いものが苦手であれば屋台飯が最適だと思うがね」



キクガ「ショウも辛いものは苦手のようだが、屋台飯はたくさん食べることが出来たと言っていた訳だが」



アッシュ「キクガんとこの倅が食えたってんならいけるな」



アイザック「吾輩としたら東洋衣装を語りたいなぁ。華やかな刺繍に豪奢な髪飾り、あれらは舞踏会で見かける煌びやかなドレスにも匹敵する妖艶さと美麗さがあるのだよ。さすが東洋ドレス!!」



リアム「食べられないから興味ない」



アイザック「お洒落にも興味を持ちたまえよ」



オルトレイ「確かに東洋の衣装は華やかさがあるな。そういえばエドワードの奴が着ていた東洋服は様になっていた」



アイザック「あれは写真で見せてもらったが、なかなか素敵だったな。あの男らしい身体つきだからこそ似合う着こなしと言えようよ」



アッシュ「へへ」



キクガ「こちらが照れているな」



オルトレイ「息子が褒められて鼻が高いと言ったところか」



アッシュ「殴っていい?」



オルトレイ「照れ隠しで殴ってくるな、阿呆がよ」



キクガ「さてこの辺りにしておこうではないか。午後の業務も頑張りましょう」



リアム「龍帝国に行きたくなってきたな」



オルトレイ「今度行くか。オレも屋台飯を巡りたい」



アッシュ「腹一杯になるまで食ってやる」



アイザック「仲間外れはよくない、吾輩も誘いたまえよ」



キクガ「…………龍帝が兄弟愛に傾倒している変態であることを伏せて彼らに会わせたらどうなるだろうな」



オルトレイ「何か不穏なことを言ったか?」



キクガ「何も」

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