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11話


「あー、ご飯美味しかったー!」


 風花はお腹をポンポンと叩きながらベッドにダイブする。


「もぉ、これじゃあ昨日と同じじゃーん!」


 またすぐ寝ようとする風花の体を揺さぶる。


「あぅ…あぅ…あぅ…」

「あぅ…じゃなーい!ほら勉強やるよ!風花ー!」

「うぅー…もう食べられないよぉ……」


 既に夢現を彷徨う風花。しっかり起こすには……そうだ!


「あ、おばさんが来た」

「えっ!?ママ!?」


 思わず飛び起きた風花が周りをキョロキョロと見渡す。


「おはよう、風花」


 キョロキョロする風花のほっぺを掴んでむにむにする。


「あにゅ…ふぅ……にぁ…ぶめん…なしゃぁぃ……」

「すぐベッドに入るの禁止です」

「はーい、わかりましたー」

「次すぐベッドに入ったら本当におばさん連れてくるよ?」

「それは卑怯だよ〜……」


 ほっぺを押さえながらトホホと泣く風花。少しは釘をさせたかな?

 

 ──19:45──


「さてと、明日は休みだからとことん勉強するぞー!」

「風花、程々にね」

「よし、それで今日はなにをするのかな!」

「………かな?」

「………」


 とぼけた顔で風花がこっちを見てくる。


「風花……やること無いなら私帰るよ?」

「あぅ〜ごめんなさい冗談です。やりますちゃんとやりますから〜帰っちゃ駄目ー!」


 行かせまいと腰に抱きついてくる。


「えっと、今日は『夢と金』って本を勉強する?それともあれ、考えてみる?」

「あれ?どれ?」


 私は部活で玄葉先輩が言っていた事を思い出す。


「玄葉先輩が言ってた、やりたいことを見つけるってやつ」

「あー、確かそんなこと言ってた!そうそう私がパンクした奴だ!」

「ははは……」


 自覚あるんだ……。


「でも、やりたい事かぁ。うーん……咲はやりたいこととかあったりするの?」


「うーん、改めて考えても中々出てこないんだよね」


 うんうん唸りながらも、風花はとりあえずノートを取り出す。


「なら今日のテーマはやりたいこと探しだね!」

「そうだね、そうしよっか」


 確かに本の内容も気になるけど、こっちも今後の方針を考える上で重要だ。


(まずは……)


 玄葉先輩が言ってたことを思い出す。


「こういうのがあったら嬉しい物って何だろう」

「こういうのがあったら嬉しい?もしも話?」

「そうなのかな、取り敢えず、もしもこういうのがあったらで考えてみる?」


 そう言うと風花はノートにもしもこういうのがあったら嬉しいと書いた。


「えっとね、タケ○プター、どこ○もドア!」

「風花…それは多分というか絶対に私達だけじゃ無理だし、色んな意味でアウト」

「えー、それじゃ、ドラ……」

「はーい!それ以上は言わないでね。22世紀のロボットを私達が作ることはできません、真面目に考えて」

「えー、うーんと、こういうのがあったらいいいなでしょー……そうだ!自動で本を読んでくれるアプリ!」

「なるほど……確かにそれがあったら風花は結構便利かもね」

「うん!」

「ん?あれ?」


 私の頭に1つの疑問がよぎる。


「もしかしてそれってもうあるんじゃない?」

「え!?本当に!?」

「ちょっとまってね」


 私は本を自動で本を読んでくれるアプリ、と検索した。


「………沢山でてきた」

「え、まじ!?」


 風花は私のスマホをまじまじと見ていた。


「めっちゃあるじゃん……てかあるんだ」


 なんか聞き覚えがある気はしたけど、こんなにあるなんて……。あまり考えたこともなかったけど、改めて考えてみれば私は納得する。


「確かに最近AIとかも進んでるって言うし、こういうのって沢山あるんだね」

「えー、じゃあー、ウキペディアみたいに何でも知ってて、質問したら答えてくれるアプリ!」

「風花……それは流石に…」


 若干呆れながらも、なんでも質問したら答えてくれるアプリ、と検索した。


「───!?」

「どーしたのー?」


 様子のおかしい私に風花が声をかける。


「……あるんだけど………」

「え?」

「……あったんだよ、なんでも質問したら答えてくれるアプリ……」

「ほんとに!?」

「CHATgpt……」


 そのアプリの名前を呟きながらアカウントの登録画面に必要な事を入力していく。


「チャット……?それがそうなの?」


 必要事項を入力し終わり、テキスト入力画面が出てくる。


「アカウント作成できた」

「おぉー!どんな感じー?」

「ここに聞きたい事書くんだって、何聞く?」

「うーん、迷うなぁ………」

「え、もう決まってるの!?」

「ニ択!」

「二択って何と何?」

「頭が良くなる方法と天才になれる方法!」

「あー…………」


 何というか……アホっぽい質問だなぁ。


「どっちにする?」

「うーん……天才になれる方法で!」

「じゃあとりあえず……」


 呆れ半分でスマホをタップし、天才になれる方法と打った。

 すると、


『天才になるためには、特定の分野に深い知識と技術を持ち、継続的に学び、練習し、革新的なアイデアを生み出すことが必要です。以下のようなステップが考えられます。


1、情熱を見つける: 自分が夢中になれる分野を見つけ───────』


 質問への解答が4項目出てきた。


「見てよ!咲!ほらほら!」

「たくさん出てきた……」

「答えてくれたよ!凄いよこれ!これやったら天才になれるんだ!」


 画面を指差しながら大いにはしゃぐ風花。私は驚きながら出てきた文章に目を向ける。

 特定の分野に深い知識と技術を持つこと、継続的に学ぶこと、それを練習すること、革新的なアイデアを生み出すこと……確かにコレが出来れば天才なのかもしれない。

 だが…それと同時にまた疑問が過る。


「この特定の分野って何だろう……」

「うーん……GPTに聞こうよ!」

「あっ…そっか」


 そう言って、特定の分野って何ですか?と打ち込む。

 すると…


『「特定の分野」とは、具体的な専門領域のことで、科学、芸術、スポーツなどが含まれ──』


 と長い文がまた出てくる。それに一通り目を通す。


「なるほど……」

「なんてー?」

「えっとね……つまり天才になる方法は自分の得意分野を知って、それを極めていって、凄い驚くようなアイディアを出すことだって」

「そんなの激ムズじゃん!」

「簡単なら皆天才になってるでしょ」

「それもそっか」


 これが出来れば天才かもしれないが、自分に出来るとは思えない。思えないのは、やっぱり私が天才じゃないからなのかな……。


「うぅー……」 


 うなだれて唸っていた風花だったけど、すぐに切り替えてひょいっ、と起きる。


「次は咲の番だね!咲は聞きたいことないの?」

「え、聞きたいこと…!?えっと……」


 何かあるかな…と考えを巡らせる。


「あっ…これって相談とかも出来るのかな」

「相談?どゆこと?」

「何か悩みとかさ」

「聞いてみたら?」


 そう言うと、咲は相談とかしてもいいですか?と打ち込む。

 すると…


『もちろんです!何かお困りのことがあれば、お気軽に相談してください』


 と表示された。


「相談できるじゃん!何聞くの?」

「うーん……」


 どう書くべきかと考えながら打ち始める。


『はじめまして、私は高校1年生です。親友と一緒に起業を目指しているのですが、やりたいことがまだ見つかっていなくて探しています。こういう時って何をすればいいですか?』


 打ち終わると、すぐに返事が返ってきた。


『はじめまして!起業を目指しているとのこと、素晴らしいですね。やりたいことを見つけるには、まずは自分の興味や情熱がある分野を探ることが大切です。以下のステップで探求を始めてみてはいかがでしょうか?


興味のある分野をリストアップする』


 と出てきて、それに続く項目が4つも出てきた。


「凄い……」

「わー!なんかいっぱい出てきた」


 まずはリストアップ。好きな事とかじゃなくて興味があることか……。


「興味があることのリストアップ………なんか面白そうじゃん!」


 そう言った風花は紙を1枚渡してくる。


「はいこれ、咲の分ね!よし書くぞー!」

「書くぞー」


 そう言いながら私達は書き始めた。……ノートって、いつも勉強に使ってる時は気にしないけど、こういうリストアップとかに使うとすごく大きく感じる。……全然埋まらないよぉ。


 ──10分後──


「咲ー、書けたー?」

「うーん…風花は?」


 そう聞き返すと、風花が紙を見せてくる。


「わっ凄い、沢山ある」


 だけど、


(……あれ?)


 よく読むとそこには、


『興味があることリスト


1、起業

2、ビジネス

3、どうやってお金を稼ぐの?

4、何をやればいいの?

5、どうすればいいの?

6、もうわからない…

7、私は幸せ………』


 と書いてある。


「これ……もう最後私は幸せって書いてあるし後半趣旨違ってるし…」

「だって出てこないんだもん」


 風花はふてくされながら床に寝転がる。


「咲のも見せてー」


 寝ながら手を伸ばす風花に紙を渡す。


「おっ!ちゃんと書いてるー!」


『興味があることリスト

1、本

2、知ること、学習

3、新しいこと

4、音楽

5、アプリ

6、CHATgpt』


「うーん、なるほど…難しい」

「そうだよねー」

 

 少しの間、しかめっ面で紙を見る風花。──唐突にハッと目を見開き飛び起きた。何か閃いたみたい。


「でもさ、これ全部使ったら何かできそうじゃん?」

「全部?」

「だってさ!本とか、知ること、新しい事とかって情報じゃん!ほらニュースアプリってそんな感じだし!だからこれ全部繋げていったら新しい何かになりそうじゃん!」

「な、なるほど…」


 私はかなり驚いていた。私はてっきり、リストアップしたものの中からやってみたい事を選んで、それに絞ってやる物だと思っていたけど、全部をくっつけてみようなんて考えてもみなかった。こういうときの風花の思考力……頭のキレってすごいよなぁ、としみじみ思った。欲張りな発想だけど、面白い。


「なら、風花と私の奴を合わせてみる?」

 

 2枚の紙を並べてみる。


「……すごい、何か繋がってる」


 風花の方にはメインである、起業とビジネスがあり、そのアイディア部分が咲が補っている、そしてそれに対し深ぼる言葉、疑問の言葉を風花が書いてあったのだ。


「えっとこれを合わせると…」


 私は紙にペンを走らせる。


『起業するのが目標

 

 ビジネスのキーワード

 本、音楽、新しこと、知ること、学習、音楽、アプリ、CHATgpt』


 こう書かれた紙に更に、どうやってお金を稼ぐのか?何をやればいいのか?どうすればいいのか?と書いていく。


「おぉおおおお!凄いよ!咲!これだよ!これ!天才じゃん!」

「うーん、天才ってまだ何もしてないよ」

「いやいや!本当に何かできそうじゃん!これ!」


 でも、書いてみて改めて思った。ここまで目標やキーワードが可視化されていれば何か出来そうに感じる。


「うん……私もそんな気がする」

 

 だが実際できそうに感じるだけであってできるかどうかはまた別の話だ。


 「でもこの、何をやればいいのか?って所が難しい。このキーワードをつかってどう考えればいいんだろう……」


 私が疑問を口にした時、風花が、


「咲、わからないなら聞くんだよ!CHATgptにさ!」

「たしかに!それなら何かわかるかも!」


 私はスマホを起動した。


『起業するのが目標でビジネスのキーワードは本、音楽、新しこと、知ること、学習、音楽、アプリ、CHATgpt


それに対してどうやってお金を稼ぐのか?何をやればいいのか?どうすればいいのか?』


 と、テキスト欄に書いた。すると、私達が想像すら出来ない答えが返ってきた。

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