アサシン コードネームF
私の名前は……職業柄ありません。コードネームはF。
今回の任務(初任務なので少々ドキドキ)はズバリ、皇太子の暗殺!
丁度良く(?)仮面舞踏会が王家主催で開かれるので参加しようと思う。
招待状?そんなものはアサシンの養成施設の手にかかれば簡単に作れる。
そんなわけで潜入。
私は今はフェリスル=ファクタという名前の子爵令嬢という事になっている。
衣装はもちろんこの日のために自分で用意。
アサシンとして目立たないようなドレスをチョイス!
仮面舞踏会というのもいいわよね。フルフェイスマスクで顔全体を覆い隠す。
完璧!!
これほど、出来のいい出来はないわ!養成施設の先輩が見たら間違いなく120点でしょうね。
先輩視点
はぁ、なんてあんな格好。誰が教えたの?仮面舞踏会なのに、超目立ってるんだけど?
アサシンたるもの、周りに馴染んでこそなのに何目立ってんの?はぁ。そんな子に育てた覚えはありません!
あれ?おかしいな。さっきから会場の令嬢から声が聞こえる(訓練の結果、聴力が鍛えられた)。
「何?あの格好、ドレスなんていつの流行なの?流行おくれも甚だしい!(笑)」
「仮面が変過ぎて笑えるんだけど?私は普通の上半分を覆うマスクだけど、笑いがこみ上げる」
「誰が彼女の相手をするのかしら?彼女は田舎者なのかしら?」
等の声。
え?この格好おかしい格好だったの?正解だと思ってたのに。なんか目立ってるみたいだし。
「お嬢さん、私と踊ってくれませんか?」
キターーーーーー!!ターゲット自ら誘いに来た。
仮面舞踏会といえども衣装で誰かがわかってしまう。
皇太子は王家の紋章付きの騎士の格好をしていたのでバレバレ。
「お嬢さんのマスクの下が気になるな。名前を聞くのは無粋ですね、それが仮面舞踏会ですから」
何?皇太子ってイケメンなわけ?もっと肥えた男を想像してたんだけど?
この男(不敬)はイケメンだし、背も高く、所謂細マッチョ。イイ!!
「私のマスクならあちらのテラスでなら外しますし、名前も明かしますわ」
是非とも、私のものにする!
「ではテラスに行こうか?」
そう言って、エスコートされた。
なんだか、会場から悲鳴が上がったが気にしない。
本来悲鳴が上がるべきはこの後だ。
私はマスクをはずした。
「フェリスル=ファクタと申します。子爵家です」
本当は平民のアサシンです!コードネームはFです!
「こちらもマスクを外そう。私はこの国の皇太子だ。ファクタ子爵家?聞いたことがないな?周辺諸国の家だろうか?」
知らないのは仕方ない。だってその情報は任務が与えられたときに作った情報だもん。
「数にもならない家ですので・・・」
殿下には儚く映ったようだ。
「そのように申すのではない!私は君に一目ぼれをしたようだ。今度はいつ会えるだろうか?」
正直いつでも会えるんだけどなー。
「ところで、君は本当はアサシンだな?今回の任務は私の暗殺。違うか?」
ご名答。
「どうしておわかりに?」
「子爵家が存在しないことと君の服装があまりにも時代遅れだったこと。アサシン見習いくらいにやるミスだと両親から聞いている。まさに君はそのものだ。このまま王家直属のアサシンにならないか?」
悩みどころだ。
「私としてはアサシンをやめたいと思います」
「そうだなぁ。とは言っても、体に染みついた技術は消えないと思う」
「私の希望は皇太子妃です!」
言った。言ってやった!
「王妃教育に耐えられるか?アサシンの方が楽なんじゃないか?今の君にとって」
「頑張ります!!」
そうして本来アサシンとしてターゲットになるはずだった皇太子の護衛をしつつ皇太子妃をしています。きちんと名前をつけて頂きました。
私の名前はサエコ=フランクール。フランクール王国の皇太子妃です♡
はぁ、見習いのあの子が皇太子妃になちゃった。これで、皇太子暗殺が難しくなったわね。側にアサシン経験者がいるのは邪魔くさい。なんとか引き離したい。
毎日、王宮の庭園を二人で散歩するのが日課です!
「最近は王宮に慣れた?」
「はい、食事もおいしいですし、王妃教育の方もバッチリです。アサシンの修行に比べたら…」
私はあの血がにじむような(指先は本当ににじんでいた)訓練を思い出していた。
「ああ、辛かったら思い出さなくていいんだよ。サエコ」
名前に慣れないけど、そっちは慣れるでしょう。だってイロイロ聞くこと多いし。
こんなだけど、アサシン能力は健在です。
「アルス殿下(結婚してから殿下の名前を知りました♡)。庭園にアサシンの気配が…。2・・・3・・・」
「うーん、それは王家の影かなぁ?」
そっかぁ、王家って影を飼ってるんだ。
アルス殿下を護衛してるのは、地味に私と影の皆さんかな?私は役に立つかなぁ?
そんなある日、影の気配が全くない時があった。オカシイ。
「アルス様。影の気配が消えています。異常です。どうしましょう?」
「君がいるじゃないか?」
そんなこと言われても、この格好(ドレス全開)で戦ったりできるかな?ドレスに武器を仕込んだりしてるけど、アルス様がケガしないように。
というのは、アルス様が私の服を脱がすからです。きゃっ♡
茂みの中から現れたのは、私を育てた先輩だった・・・。
「どういうこと?暗殺に失敗して尚且つ、皇太子妃になっているの?私は頭が痛くなったわよ。あ、王家の影はなかなか強かったわね」
先輩一人で数人の王家の影を殺しちゃったの?
「生きてるわよ?ただし、また影として仕事できるかは保証しないけどね」
「君は僕を殺しに来たのか?」
「それが目的かなぁ?誰かさんがミスってから施設の株がダダさがり。コードネームの由来教えようか?その年の成績順にアルファベットでつけるのよ」
Fだったということは、私は指折り数える
「えーと、・・・6番目?何人中?」
「7人中よ!コードネームGはアサシンという職業じゃなくて、パン職人のところに修行に行ったから、実質貴女がビリ。最下位よ!」
そんな…。私は優等生だと思っていた。
「それなら、もっと簡単な任務にすればよかったじゃないですか?」
「何よ?逆ギレ?皇太子暗殺が施設にきた指令の中で一番簡単だったのよ…。仮面舞踏会だし?なんか超目立つ格好して、恥ずかしかったわ」
「そういうわけで、死んで頂きます。さようなら、皇太子」
私はドレスをたくし上げて、アルス様しか見たことがない(きゃっ♡)太ももに装備したムチを構えた。
そうは言ってもvs先輩。分が悪い。私は劣等生みたいだし。
なぜだろう?先輩が怯んでいる。
「貴女、戦闘だけなら優等生なのよね。コードネームだってAだったろうに・・・」
と言って去っていった。
??
私は戦闘は得意だけど、他がダメダメでコードネームがFに?うーん、考えもの。とにかくアルス様に何もなくて良かった。影の人は良くなって欲しいな。
「私だけが見たことのある君の太ももが晒された…」
「大丈夫ですよ。見たのは、スカートをたくし上げた時だから先輩とアルス様だけですよ?」
「影がここに集合しつつあるから見たやつがいるかもしれない」
二人で過ごす夜も影がバッチリガードしてますよ。私は地味に知ってるんです。内緒にしておこう。
月日が流れるのは早いもので、その後は暗殺者も特には現れなかったですね。
王家の影の力と私が側にいるよ~というのが裏社会に広まったんでしょうか?
そんな平和に過ごす中で、私は懐妊しました♡
殿下はもちろん、陛下も大喜び!
跡継ぎを希望しているので、男の子だと助かるそうですけれど、今はどちらでも健康であればいいかな?アルス様に似ていれば絶対美形だろうし。
因みに陛下は女の子がいいそうで。お嫁にやらん!をやりたいそうです。はぁ。
陛下は突然現れました。跡継ぎを希望するのが自然なのに…。
読了ありがとうございます‼
感想・評価・下のほうにある☆・いいね などお待ちしております!




