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告白

穂乃果の視点


「早く晴人に告ったら? 

どうせ振られるだろうけど、何も行動しなきゃ、可能性ないぞ。」

お兄ちゃんが言った。



「だって…私の事兄妹にしか思えないって振られると思うと…怖くて無理だよ。」



「私だって自覚してるけど、どうせ振られるって酷いよ。」



「だって晴人は、可憐のことが好きなんだ。でも付き合ってからじゃ、言いづらいだろ?」



「そりゃ…そうだけど…わたしの顔、お兄ちゃんの顔がチラつくとか言ってるし。整形したら可能性あるかな?」



「直すとこないだろ? ってか俺のせいで振られるみたいな言い方だなぁ。」

とお兄ちゃんがため息をついて言った。


「って可憐ちゃんのこと…好きなんだ…晴人くん。」


「分かった。明日告白する。」と私は誓った。




「晴人君私の顔どう思う?」

と私は顔を彼に近づけた。


「ねぇ私整形したら、お兄ちゃんの顔チラつかなくなるから、1人の女性として見てくれますか?」

と私は晴人君に言った。



「直すとこないだろ。そう言うこと、言う口はこうだ。」と彼は私にキスをして、私を見つめた。



と言う妄想を学校でしていた。



「なに、にやにやしてんだよ? 良いことあったの?」

と晴人くんが聞いてきた。



「へ? あ…私の顔どう思う?」

妄想を現実にすべく、私は晴人くんに顔を近づけた。



「顔? 凄い可愛いんじゃないかな?」

と彼の言葉に胸がドキドキしてくる。


「本当に? 私が整形したら、お兄ちゃんの顔がチラつく事がなくなるから、1人の女性としてみてくれますか?」


と私は言ったけど…彼の言葉は、妄想では、言われてないから、私の台詞が、変に聞こえたかな? と思った。



「整形? 直すとこないだろ? 急になんだよ?」


「兄の顔がチラつくとか、そんな酷い事だれかに言われたの?

そんなの気にするなよ。」

と彼は妄想とは違う言葉を放った。



いや…あなたが言ったんですけど…この後なんて言えばいいか…思い浮かばなかった。


「あのさ、穂乃果。整形とか、軽く言っちゃ駄目だよ。色々顔に誹謗中傷された人とかが、真剣に考えることだから。」

と彼に叱られてしまった。



「はい…すみませんでした。」と私は答えた。

結局今日は、告白は出来なかった。

「晴人くんは、私の顔好き?」



「はい? 顔自慢か。学校一の美少女穂乃果さんの顔嫌いなんて言ったら、クラスの男にぶっ飛ばされるな。」



「じゃあ好き? 」



「嫌いではないよ。」



「むぅ…好きって言って?」


「強制?」 

彼は笑って言った。


「うん、強制。」


「なんか照れ臭いな。好き。これでいい?」



「心がこもってない…けど、ありがとう。」と私は感謝の気持ち込を込めて言った。

 

「なんだよ? 昨日から、顔の話ばっかり。穂乃果は顔以外にもいいとこ沢山あるぞ?」


「何か顔にコンプレックスでもあるの?」



「ないけど…ちょっと聞きたかったの。」


「それより他に良いところあるってどんなところ? 教えて。」とおねだりした。



「思いやりがあって、人に分け隔てなく接してるところ、料理上手で、頭も良くて、えーと、物怖じしないで、人にちゃんと自分の意見を言えるところ。」



「手先が器用で、スポーツも出来て、あとはそう! 努力家なところだな。どう? これだけ良いところあるんだ。ってかあり過ぎだな。」


私はその彼の言う事を、真剣に眼を見つめてうっとりとして聞いている。



「それは人によるよー」と声をかけてきたのは、美咲ちゃんだった。


「美しさを求めるのが女性だから、もっと美しくなりたいって思う人もいるでしょー。」



「その考えは、否定しないけどさ、それって際限がなくなって、満足いかなくて、何回も整形してって、結局、本当の自分ってなんだろう?って考えてしまうんじゃないかな?」


「まぁ整形するのは本人の自由ってかなんの話だよ。」と晴人くんが言った。



「ふふ晴人に論破されちゃったわ。晴人の癖に生意気だ。」と彼女は呟いた。


「別に論破してないぞ。」


「それより勉強教えてー今ピンチです。」

美咲がちゃんが晴人くんにお願いしていた。


「生意気って言った人に頼むなよ。」彼が笑って言った。


美咲ちゃん、勉強なら私が教えるよ。と思ったのは、やきもちからだろうか?


私も中学の時には、晴人くんに勉強を教わってた。けど今は…穂乃果のが勉強出来るから、教える事ないじゃん。と言われてしまう。



はぁ…今日も告白出来そうにないや。私は心で呟いた。


さらに次の日。放課後晴人くんに、遠回しに好きな事を伝えるようにしようと思った。


「私が風邪で寝込んだ時凄い励ましてくれて、サッカーの試合に必ず勝つって言ってくれて…それでちゃんと勝ってくれて…その時にその人好きになったの。」



「へーそいつめっちゃイメケンじゃん!

なんでそいつと付き合わなかったの?

高校違ったとか?」

晴人くんが言った。


いやあなたの事なんですけど!

なんで??

中学生の頃の記憶ないの?

と私は心で呟き戸惑いを覚えた。



ここは、晴人くんのことだよって思い出させるべき…だよね。



「晴人くん中学生の頃の事ちゃんと覚えてる?」


「中学の時?

全然覚えてない! 

あんまり良い思い出なかったからさ。」



「そうなんだ…全然か…」私はがっかりしてしまった。

でもあなたが言ったって伝えたら、それはもう告白だよね…どうしよう。


でも全然覚えてないって事は、私のことなんとも思ってない…からじゃ?


「じゃあ中学生の頃何も良い思い出ないんだね? 」

私は聞いた。



「そんな事ないよ。穂乃果と透に会えて良い思い出貰ったよ。感謝してる。ありがとう。」と彼は笑顔で言った。


彼の笑顔がとても可愛くて、胸が高鳴るのを感じた。彼を好きになって良かった。心からそう思えた。



「こちらこそありがとうだよ。晴人くんに会えて良かった。お兄ちゃんに感謝だ。」と私は彼に言う。



「なんか照れるな…まぁこれからもよろしく!」

と彼は微笑んで言う。


私は顔を真っ赤に染め恥ずかしくて、「うん」と頷くしかなかった。


そして今日も告白出来なかった。


彼とは同じ中学ではなくて、お兄ちゃん繋がりで仲良くなれた。


「えーまだ告白してなかったの?」


「だって…タイミングが合わないんだもん。」



「タイミングの問題かなー。そもそも中学の時に告っとけば、付き合えたのに。お前は先延ばしし過ぎ。」


「しょうがないから、俺が晴人に告るわ。」


私はお兄ちゃんの背中を叩いた。



「いてっ…冗談だって。」


「真剣な話なのに〜冗談言ってる場合じゃないと思うんですけど!」

私はお兄ちゃんを叱った。


「そりゃ悪かったな。けどあながち間違いじゃないぞ。冗談の前に言ったことは。」


「晴人くんに中学の時にか〜そうかな〜付き合えたかな?」


「ああ、奥手の時の晴人だったら直ぐに良い返事したさ。」


「まぁ…もう手遅れだな。」



「なんでそう言う事ばっかり言うの〜お兄ちゃんのばか。」


「妹よ、俺は現実を教えてるだけだ。」


「でも中学の時に、私の顔お兄ちゃんがチラつくとか言われたんだよ?」


「そんな無神経な事、晴人が言うかな? 

お前の勘違いか、聞き間違いかだな。多分ニュアンスの問題とか?」



「うーん、そう言われると…言われたのは間違いないと思う。」


「ならそんな無神経な事言う男に俺の可愛い妹は渡せないな。」

とお兄ちゃんが言った。



「お兄ちゃんが私の心配して言ってくれるのは、ありがたいけど、その一言だけで、無神経とか決めつけるのは、良くないよ。」



「でも言われた穂乃果傷ついてるじゃん。女子を傷つけるような発言は、無神経だろ?」



「もう〜すぐ言い返すんだから。いいの!

好きな人の事悪く言わないで。」

お兄ちゃんに言った。



「なに? 俺悪者にされてない?」

とお兄ちゃんが笑って言った。


「んーお兄ちゃんは、悪者じゃないよ? 

お兄ちゃんには、感謝してるよ…こんな事お兄ちゃんにしか相談できないから…ありがとうね。」と私はお礼を言った。



「ツンデレだ! ツンデレの妹を持ってしまった件。」



「も〜どうしてそう茶化すの?」



「いや…茶化さないと、俺泣いちゃうから。」


「え〜そんなことで…泣かないの。」と私はお兄ちゃんの胸を叩いて言った。



「いや…可愛い妹に感謝されたら、誰だって…泣くって。」


「へへ…ありがとう。」照れながら私は言う。



「おう…なぁ告白出来ないなら、惚れさせるしかないよ。晴人から告白させるように頑張れ。」とお兄ちゃんがそう提案した。



「分かった! 私、頑張るね。」ウインクしてお兄ちゃんにお礼を言った。

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