ある一般的な姉弟のお話
「ねえ、お姉ちゃん?」
「なんだ、弟よ」
「聞きたいことがあるんだけど」
「おう、何でも聞け」
「昨日、お姉ちゃんが僕の部屋に来たじゃん?」
「そうだな」
「あの時にさ、お姉ちゃんのポケットからSDカードが落ちてきたんだよ」
「お、おう。そうか。もちろんその…中身は見てない…よな?」
「……」
「(ダラダラ)」
「…お姉ちゃんって、小さい男の子が好みだったんだね…それも、弟系の」
「…えーとだな、これは偶々持っていただけで…ほら!友達に…友達に預けられて…」
「嘘…だね。」
「えっ」
「前にさ、何となく気になってお姉ちゃんの引き出しの中、見たことあるんだ」
「!?」
「びっくりしたよ。お、おねしょた、系?っていうんだっけ…そんなエロ本がたくさん…」
「…」
「あと、夜になると、お姉ちゃんの部屋から変な声が聞こえてたの」
「…あー…」
「あれも、その…そ、そういう事…してたんだよね…」
「…バレてたか…」
「やっぱりそう、なの……ねぇ、お姉ちゃん」
「…何だ?こんな私に幻滅でもしたか」
「…えーっと…その…ぼ、僕じゃ駄目…かな…?」
「…え?す、すまん、よく聞こえなかったんだが…?」
「だ、だから…僕とじゃ…駄目…?」
「えーと、だ。それは…あー…そういう意味…か…?」
「う…うん…」
「ほ…本当に良い…のか?」
「うん…お姉ちゃんの事…大好きだから…」
「(あっ駄目だ一発で理性吹き飛ぶわこんなん耳まで真っ赤にしてそんなセリフとか何なん可愛すぎやろ死ぬわこんなんあーまじで無理だこれ理性返して私の理性家出してんだけど爆散してるんだけど私の理性というか涙目で上目遣いとか反則やろただでさえ男の娘だってのに好みドンピシャときたこんなん運命やんさだめと書いて運命じゃんずっと我慢してきたってんのにあいつの方から求めてくるとかあーもう先に襲っときゃよかったかもなというか)」
「…お姉ちゃん…やっぱり駄目…だよね」
「駄目なわけがねーだろ」
「ふぇっ」
一瞬で理性が吹き飛んだ。
そこから先はよく覚えていない。
〜翌日〜
「…」
「…」
気まずい。それはもう気まずい。
親が偶々居なかったから良いものの居たら割とヤバいことになってたと思う。
「…」
…流石にやり過ぎたか…
「…お姉ちゃん」
「…何だ?」
「また…お願い…しても、良い…?」
予想外な返答に言葉を詰まらせる。
「…駄目…かな…ごめん」
「…良いぞ。いつでも私の部屋に来い。大歓迎だ。むしろ積極的に来てくれ」
「(パアァ)」
笑顔が眩しいです。
それから色々あって最終的に結ばれたのは別のお話。