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最弱テイマーは魔物の王と無双する  作者: ゆる弥


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64.戸知機領へ

 ダンジョンを出た後にあったお婆さんに声を掛ける。


「ダンジョン、クリアしましたから! もう心配しなくて良いですからね!」


「そうかいそうかい。はて? なんのダンジョンだい?」


「落ち武者が出るダンジョンですよ! 町の中にあったダンジョン!」


「なぁに言ってんだおめぇたづ? この村にダンジョンなんかねぇよ」


「えっ? で、でも! 攻略しましたよ?」


「なんのダンジョンを攻略したんだか……ご苦労なこって」


「あっ、はい。では……」


『えっ? どういう事?』


「あのダンジョンは無かったことになったって事か?」


『元々なかった?』


「それは、ホラーじゃん!」


 そそくさと町を出る。

 怖い怖い。


「このまま南下すれば関所あるかなぁ」


『関所も多いわけじゃないからねぇ』


 いつものように人魔一体の能力は閉じているが、もはや一斗の訓練と化している。


「はぁ。はぁ。早くつかないかな」


「壁があれだからもう少しじゃねぇかな?」


 しばらく走ると領の境に着いた。

 ここから東に少し進むかなぁ。

 東に進路を変更し少し進むと関所があった。


 いつも通り関所を通るとまず山だった。

 訓練と称した山登りをすることになった。


 いつも通り蘇芳が行くぞぉ!と言って走っていってしまったのだ。

 なぜ山を登るのか。


 後で聞いてみたところ、そこに山があるからさ。とどこぞの登山家のようなことを言っていた。


 登りが終わると下りが石がゴロゴロころがっている。その狐の顔の石のひとつに締め縄がされている。


 その後ろに階段が続いている。


『翔真、あの階段気にならない?』


「かなり気になる。行ってみるか?」


「えぇー! 大丈夫ですか? なんか曰く付きっぽくないですか!?」


「ま、行ってみっか」


 ずいずい進んで階段をおりていく。

 太刀を構えて進んでいく。


「おいおい……これって……?」


『わぁお! 珍しいねぇ。いきなりガーディアンかぁ』


「えぇぇぇ!? ここって九尾の狐の言い伝えがあるって聞きましたよ!」


「ってことは……」


 扉を開ける。

 開いた先には、九つのシッポに炎を宿した巨大な狐がいた。


「おぉ。デカいねぇ」


『大っきいねぇ』


 ボウッと何も言わずに炎を飛ばしてきた。


「好戦的だな!」


 横に飛んで避けるが次々放ってくる。


「蘇芳は反対から! 一斗はそこで待機! 魔法使えるように溜めとけ!」


『オッケー! 行くよ!』


「わかりました!」


 両方から詰め寄る。


「タイミング合わせろ!」


『いいよ!』


「『せーのっ!』」


「『×(ばっとう)』」


ズバァァァンッ


「決まったか!?」


『それフラグ!』


 クルッと九尾はこっちを見て再び炎を放ってきた。


「まだだったか!」


『無傷じゃない!?』


「あれで無傷は無理ゲーだろ!」


『ギミックあるタイプかも!』


「おれが苦手なヤツ……一斗! いっちょぶちかませ!」


「わかりました! 行きます! 雷撃波!」


ズドドドドドドドド


 一斗の渾身の魔法を放った。

 すると、九尾はキュイイィーと言って炎を丸く並べると魔法陣が出現し壁となって防いだ。


「防御できんのか……」


 魔法に気を取られてる隙に。


「後ろから行くぞ!」


 蘇芳が呼応して駆ける。


「シッ!」


 シッポを1本切りつける。

 ザシュッと1本吹き飛んで無くなった。

 横を見ると蘇芳も1本飛ばしている。


「キィィィーー!」


 残ったシッポから再び炎を放ってくる。


「雷槍」


 細長い槍のような雷が九尾を襲う。

 こっちに気を取られて後ろの一斗には気付いていない。

 魔法が1本の根元に刺さりバリバリバリッと感電して焦げている。


「よしっ! あと6本!」


 再び一斗の方を向いたのでシッポを狙う。


「一気に行く!」


 横から魔力をまとった太刀を構えて駆ける。

 下段に構えて後ろに引き絞り力を溜める。


昇龍(のぼりりゅう)


 力を上に向けて解き放つ。

 溜めてた魔力が龍のような形でシッポを全て食いちぎっていく。


 それと同時に蘇芳がここぞとばかりに切りつける。


ザシュッ


 攻撃が通った。


『通ったよ!』


「よっしゃ! 決める! 一斗!」


「行きまーす! 雷陣!」


 いつものように決めで雷の魔法陣を出して魔法で決める。


バリバリバリバリッッッ!


「何とかなったな……」


『ん? なんかまだ生きてる?』


「当たってる手応えはあるんですけど……」


 雷が晴れると先程のままの九尾がいた。


「キィィィィーー」


 口から炎を吹いて攻撃してきた。

 咄嗟に避ける。


 何が起きてんだ!?

 シッポを切れば本体への攻撃が効くんじゃねぇのか!?


 蘇芳が本体を切りつける。

 やはり、切りつけられる。


『あっ! これ今魔法無効状態かも!』


「あぁ! だからさっき魔法は防御したんですね?」


「じゃあ、最初から雷陣選択してればよかったか?」


『まぁ、今言っても遅いよ。仕方ない。物理でゴリ押ししよう!』


「だな! やるしかねぇ!」


 と言っても魔力を纏わせて切りつけているのだが、浅いのだ。


 あっ。魔力纏わせたって魔法無効だから効かねぇのか。

 こりゃ、斬れ味重視だな。


「蘇芳! 直刀だしてくれ! 鞘付きがいい!」


『はいよ。どうするの?』


「斬れ味重視!」


『あぁ。そういうこと』


 鞘に入れた状態の直刀を腰に構え、抜刀の準備をする。


 加速して九尾に肉薄する。

 すると、攻撃を嫌がって口からの炎で攻撃してくる。


「雷撃!」


バリバリッ!


 九尾目を雷で塞ぐ。


「一斗ナイス!」


 九尾に肉薄する。

 身体の力を抜き腰を捻り力を溜める。

 首が目の前だ。


「シィィィィ!」


 九尾の後ろに立つ。

 九尾の頭がズレていき、ゴトッと落ちる。

 そしてダンジョンに吸収されていく。


「はぁぁぁ。勝った……」


『おおぉぉぉ。凄いじゃん! あの動きは僕でも出来るかどうか……』


「そうか? そりゃ嬉しい」


「やりましたね! 魔法が効かなかった時はどうなる事かと思いましたよ」


「だな! ダンジョンコアを貰おう」


 奥の部屋に行くとバランスボールくらいの大きさのダンジョンコアであった。


「強かった分デカいんだな!」


『やったじゃん!』


「良かったですね!」


 外に転送される。

 外に出て良く山の下を見るとチラホラ広い旅館のようなものが見える。


「あれ? この先の町って良い宿あんじゃない?」


「早く行きましょう!」


『行ってご飯だべようよ!』


 早足て先に行く蘇芳。


「待てって!」


 下に下っていく。

 下っていくとホントにいい旅館が多い。


『ご飯美味しいところがいいなぁ』


「あっ! ギルドあるじゃん。聞いてみよ?」


 見つけたギルドも中に入ると大きくて高級そうな雰囲気のある所であった。


「すみません。換金お願いしても良いですか?」


「はい! 何か物品の買取ですか?」


「あー。ダンジョンコアを……」


 蘇芳に目で出すように促す。

 ゴトゴトッとダンジョンコアをだす。


「これなんですけど……」


「えっ!? そんな大きいダンジョンコアの出るダンジョンがあったんですか!?」


「あっ、1個は違う領のものです。1個は近くの山のダンジョンですね。九尾の狐の─────」


「あそこを攻略してきたんですか!?」


 ダンッとカウンターを叩きながら聞いてくる。


「あっ、はい。なんか不味かったですか?」


「ギルドマスターを呼んできます! 少々お待ちください!」


 受付嬢は奥の方に引っ込んでしまった。

 少し待つとダンディなおじ様を連れてやって来た。


「君かな? 九尾の狐のダンジョンを攻略したと言うのは?」


「はい。何か不味かったんですかね?」


「いや……本来は君のCランクで攻略出来るレベルのダンジョンでは無かったので驚いていてね……」


「あぁ。疑っているということですね?」


「ふぅ。ハッキリ言うとそういう事だ。報酬はギルドのものがダンジョン消滅を確認してからでいいかな?」


「あぁ。構いませんよ。別にすぐに報酬欲しいわけでも無いですから。あっ、宿とりたいんですけど、オススメの所ありますか?」


「オススメかい? それなら、月のリゾートっていうところが良い宿だよ?」


「じゃ、そこに泊まります。ありがとうございます! 報酬はまた来たときでいいですよ!」


 教えてもらった月のリゾートに、向かうのであった。

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