31.新たな仲間?
ご飯を食べ終わった後、再びギルドに来ていた。
「ギルドマスター! 私、翔真について行くことにしました!」
「何!? どういう事だ!?」
俺も聞きたいさ。
遠い目をしていると。
「翔真くんは、納得してるのか?」
「いいって言ってくれたよね?」
「俺は、考えてやるって言っただけだ! 勘違いするな! 連れて行くとは言ってない!」
「そんな!」
「話はちゃんと聞け! だから、一緒にギルドマスターに話をしに来たんだ!」
口を尖らせて話をする茜。
ギルドマスターが腕組みをしながら険しい顔をする。
「赤口、君は自分の天職を理解しているか?」
「私の職業は処理師です……」
「その天職は、書類処理などに特化した能力を持っているものだな?」
「そうです。効率的な処理が得意です」
「そうだろう。ダンジョンについて行って何が出来る?」
「でも、ギルドでの処理などのアドバイスは出来ます!」
「それだけだろう? ダンジョンにはついていけない。ただ付いて行っても迷惑にしかならないぞ?」
「うぅ。でも……せっかく分かり合えたのに……」
カウンターに突っ伏す茜。
その肩にポンッと手を置く。
「なぁ、茜。別に俺は二度と戻って来ないわけじゃない。目的を達成したらまた遊びに来るさ」
「ホントに?」
「あぁ。本当だ。だから、ギルドで頑張れ。茜が役に立つところを皆に見せてやれよ! そして、さっき気づいたことを活かしてほかにも友達作れ。茜なら沢山できるさ」
「わかったわ。たしかについて行ってずっと足でまといで居るのも苦痛だろうし。私は残って色んな情報を集めるわ!」
ギルドマスターがにこやかに頷いて茜の肩に手を乗せる。
「赤口、期待してるぞ。こんなに素直になるとは思わなかった。翔真くんに任せて正解だったな! ハッハッハッ!」
このおっさんめぇ。
こっちはめっちゃ苦労したのに。
まぁ、でも付いてくる話がなくなってよかった。
正直、女と一緒なのは落ち着かないもんな。
「俺は、話を聞いただけですよ。茜が自分で気づいて自分の意識が変わっただけです」
「そうか。有難うな」
「では」
そう言って立ち去ろうとすると、袖を引っ張られる。
「ねぇ、すぐにこの町を出るの?」
「いや、ダンジョン攻略を少ししながら、美味いもの食べようかなと思ってるからしばらく居るかな」
「それなら、またご飯ご馳走して?」
上目遣い、反則だ。
ちゃんと顔を見てなかったが。
目がキリッとしてるが、鼻が高く整った顔をしている。
美形だな。
この感じで愛想が良くなったら、人気の受付嬢になるんじゃねぇか?
この先、俺なんかより良い奴が茜を幸せにするだろう。
「あぁ。しょうがねぇな」
「やった!」
その笑顔もいい笑顔だ。
ギルドを出る。
夜ご飯食うかなぁ。
何食おうか……
?……つけられてる?
路地に入ると。
後からやってきたのは解放者が5名ほど。
「なんで、後をつけてきたんだ?」
「この間はひでぇ目に合わせてくれたよなぁ? 覚悟しろよ?」
「あぁ、この前の。で? 5人程度で何しようっていうの?」
「あぁ。5人程度じゃねぇさ。おい!」
路地を覆い尽くすように前から後ろから多くの人が集まってきた。
「あのさぁ、この前壁に顔埋められて力の差は感じなかったの?」
「あれは、壁が腐ってただけだ」
「わぁお。ハッピーな脳みそしてるね」
手を大袈裟に広げながら言う。
「てめぇ、バカにしてんのか?」
「してるに決まってるじゃん。こんな弱い奴ら、何人集まっても一緒だぞ?」
「この人数に叶うわけねぇ!」
「ハッハッハッ! 面白いよお前」
『なんか翔真が悪役みたいになってる』
「舐めてんじゃねぇ!」
殴りかかってくる。
受け流して腕をとると。
そのまま反対側の人だかりに投げる。
「うわぁぁぁぁ」
ボゴボゴデゴ
人間ボーリングのように人が弾き飛ばされる。
巻き込まれなかった奴が突進してくる。
腰にタックルしてくる。
ガッ
ガッチリ受け止める。
腰を持ち上げ。
地面に叩きつける。
ズドォォォンッ
地面にめり込んでいる。
前に進む。
前にいる男たちは1歩下がる。
「人数でしかイキレないんだろ?」
「うるせぇぇぇ!」
横に蹴り飛ばす。
ズガァァァァン
壁に穴を開けて家の中に突っ込む。
「きゃぁぁぁ」
家の中から悲鳴が聞こえる。
「お騒がせしてすみません。そいつ適当に追い出していいんで」
「くそがぁぁ!」
「うらぁぁぁ」
一気に2人でくる。
「よいしょぉぉ!」
2人の横に移動し、横から蹴り飛ばす。
「追加でーす!」
ドドーーンッ
空いた穴に再び入れる。
一歩一歩前に行く。
「物量で押すぞ!」
「「「おおぉぉぉ!」」」
物量で押し込んでくる。
「ハッハッハッ! パワー勝負かぁ!?」
前傾姿勢になり迎え撃つ。
両手を前で組み、右の肩を出して。
ショルダーチャージをかます。
ズドドドドドドドドッッ
路地の通りにいた男どもを吹き飛ばしていく。
通り過ぎた後には身体の痛みに悶える男達。
「おい! まだやんのかぁ?」
返事をするものは居ない。
その先には腕組みをしてこちらを眺めている蘇芳がいるが、男達に呆れているようだ。
『こんなに力の差が分からない人達って居るんだね?』
「だから、こんなに人数集めてきたんだろうよ」
『で、この有様』
「わざわざ絡んでこなきゃいいものを。さっ! 美味しいもんでも食べに行きますか!」
『賛成! 何食べる?』
「ラーメン食いに行かない?」
『好きだねぇ』
「新しいとこ来ると、食べたくなる」
路地から出ると音を聞いていたであろう野次馬が集まっていた。
知らんぷりして素通りする。
通りのラーメン屋に入る。
「おっ! ここは豚骨ラーメンの店だってよ! 俺、チャーシュー豚骨にしようかな」
『僕は、普通の豚骨に紅生姜マシマシ』
「蘇芳、なんか通っぽい食い方だな」
笑いながら注文する。
楽しみにしながら待っていると、隣の席に一人の男がやってきた。
店員さんの注文すると話しかけてきた。
「ねぇ、お兄さん。この前ギルドで男を壁に叩きつけてたよね? さっきも男達倒してたでしょ?」
「見てたのか……あんたも文句言いに来たのか?」
「違うよ! あのさ、僕前衛職できる強いひと探しててさ」
「俺はテイマーだぞ?」
「だから? 強いことには変わりない。その辺の前衛職なんかより全然強いじゃん?」
ラーメンが運ばれてきた。
「はいよ! お待ち!」
「いただきます!」
ズズズッとすすると豚骨の匂いと共に来る濃厚な旨み。
麺にスープが絡んで美味い!
「うまっ!」
話してたことを忘れて麺をすする。
あっという間に食べ終わった。
隣を見ると食べ終わる所だった。
席を立つ。
「ご馳走さん。外で話すか」
隣の人に指示し、外に誘導する。
歩きながら話す。
「で? 俺に何の用だ?」
「後衛職欲しくない?」
そう言われて考えてみる。
たしかに火力があればダンジョン攻略はかなり効率よくなる。
それに、援護があれば怪我する確率も低くなる。
「たしかに、いたら嬉しい。けど、何が出来るんだ?」
突然現れた男。
この男、何者なのか?
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