【15話】隠れ最強騎士は覇道を選ぶ
ヴァルトルーネ皇女との再会を果たした。
そして、劇的な展開としては、彼女もまたあの忌まわしい時の記憶が残っていることだろうか。
「アルディア……貴方、まさか」
衝撃を受けているのは、俺も同じだ。
まさかヴァルトルーネ皇女もまた、死ぬ以前の記憶を持っているとは思わなかったのだから。
彼女は今世という言葉を使っていた。つまりそれは、前世も存在していると言うことを暗に示していた。彼女にとっては無意識に出てしまった言葉だろうが、俺はそれを聞き逃さなかった。
「皇女殿下が想像されている通りです。俺も貴女と同じく苦い記憶を持つ者です。あの時は、貴女の味方になってあげられなかった。でも、今はもう違います」
「そんなこと……」
「そんなこと、あるんです。私は──レシュフェルト王国の騎士でしたから」
俺個人の考えだが、
前世での唯一の汚点は、ヴァルトルーネ皇女に仕えてあげられなかったことだと思う。
彼女と親しくなれたのは、全てが手遅れになってからのこと。
ヴァルカン帝国が崩壊した後のことだった。
今回は違う。
まだ戦争すら起きていない。
ヴァルトルーネ皇女は今目の前でちゃんと生きている。
「皇女殿下……私は、この世界で貴女に忠誠を誓います。迷いなんてありません。俺は貴女を守る盾として……ヴァルカン帝国の軍に入ります。それが……俺が貴女から受けた恩に報いるための唯一してあげられることなのですから」
返せなかったあの時の恩を今──返す時だ。
そもそも俺は平民だ。
レシュフェルト王国に骨を埋めるというような貴族みたいな気概はないし、王国のために戦っていたのも、友人や家族を守らなければという一心だった。
でも、今となってはそんなことに縛られる必要なんてない。
友人は土下座してでも俺が引き抜く。家族には、戦争が始まる前に移住して貰えばいい。
今はまだ何一つとして始まっていない準備段階。
これから起こることに対して、早い段階から対策を立てていけば、上手くいかなかったことだって成功に導けるはずだ。
「ありがとう。アルディア」
感謝なんてしなくていいのにな。
感謝したいのは、俺の方だ。
彼女に仕える機会を与えられて、今度は敵としてではなく、味方として存分に暴れることができる。
俺とヴァルトルーネ皇女は暫くの間、感傷に浸っていた。
落ち着いた頃合いで、俺とヴァルトルーネ皇女は再度握手をする。
「ヴァルトルーネ=フォン=フェルシュドルフよ。改めてよろしくお願いするわ」
「アルディア=グレーツ。微力ながら、貴女様のお力になることをお約束致します。この命尽きるまで、貴女のためだけの剣となり盾となりましょう」
士官学校卒業式。
この日、世界の運命は大きく揺らいだ。
レシュフェルト王国とヴァルカン帝国の対立。
そして、ヴァルカン帝国の皇女が引き入れた目立つことのない平民騎士は──蘇る前の知識を活かして、彼女に尽力する覚悟を決めた。
ヴァルカン帝国消滅も、
ヴァルトルーネ皇女の処刑も、
全ての大切なものを失う経験も、
……今世では、決して起こさない。
──彼女の敵は、全て打ち滅ぼすのみだ。
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