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4頭目 スキル開放、蜂戦化

 蜂たちとのリンクが完了し、新たなスキルが使用可能となった。それと同時に今までとは比べ物にならないくらいの力が体に漲るのを感じた。

 

 「これがリンクってやつの力か。しかもあんなにボロボロだったのに傷も完治してるし。まあお手並み拝見と行こうか!」


 サイの魔物の方に向き直り、戦闘態勢に入る。するとそれにかが付いたのか、サイは闘気を漲らせ全力で俺に突進をしてきた。


 「悪いな、もう一度食らってやるつもりはないんでね! 蜂戦化1式、蜜盾(ハニーシールド)!」


 そう叫ぶと俺の左腕に無数の蜂が集まり、ハニカム構造の巨大な黄色い盾が形成される。その盾を構え、サイの突進を難なく受け止めた。


 これこそ俺が蜂とリンクすることで手に入れたスキル、蜂戦化(ほうせんか)だ。蜂を自在に変化させることにより、武器や盾などを形成することが出来る。


 「おお、この盾凄い頑丈だ。よし今度はこっちの番だな、蜂戦化2式、針槍(ニードルランス)!」


 今度は右手に鋭い巨大な槍が形成された。それを盾で受け止めたサイに向かって思いっきり突き刺した。しかしさすがは魔物、外皮が想像以上に固く致命傷とはならなかった。


 俺は後ろに下がり一度体制を整える。サイの初めて傷を負わされたことに驚いていたが、向こうも体勢を立て直してもう一度突進しようとしていた。ところが突然サイは体を痙攣させ始め、まともに立つことが出来なくなった。


 俺が使用した針槍はどうやらただの鋭い槍というわけでは無く、槍自猛毒が付与されているようでたとえかすり傷でも体に毒が入ってしまえば戦闘不能になるらしい。


 「今のうちにとどめを刺したいんだけどお前固いから攻撃が通りずらいんだよなぁ。まあ外からが無理なら中から攻撃すればいいか」


 動けなくなっているサイの元まで近づいていき、の中に思いっきり槍をねじ込む。


 「針槍解除。あとは蜂さんに任せるわ」


 槍の状態を解除すると無数の蜂の姿に戻る。サイの口内で元に戻ったためそのまま蜂たちは内部から攻撃を繰り返し、暫くのたうち回った後、サイの魔物は絶命した。どうやら流石に体の中は外皮ほど頑丈ではなかったようだ。


 『DNAの採取が完了しました。これによりホーネットライノへの擬態が可能になりました』


 突然冒険者カードの音声ガイドが発動し、取り出して確認すると『蜂擬態』というスキルが使用可能になっていた。なんかもう本当に蜂なのかと疑いたくなる。


 「とりあえずは一件落着、かな。あ、そういえば何人か吹っ飛ばされてたような。みんな無事だといいけど」


 ほかの冒険者の様子が気になり駆け寄る。皆命に別状は無かったが、腕や足が折れていたりとなかなかの重傷を負っていた。


 「どうにかしてあげたいけど.... ポーションとか持ってないし、治療してあげるのは流石に無理かな」


 何気なくそう口にすると蜂たちが何かを抱えながら怪我をして冒険者に群がる。暫くして蜂たちが離れていくとその冒険者たちの傷は跡形もなく消えており、折れた骨もくっついていた。


 どうやら蜂が抱えていたのは蜂蜜のようで、この蜂蜜には治癒能力があるようだ。しかもそこらのポーションとは比べ物にならないほど治癒能力が高いみたいだった。


 完治した冒険者たちからは次々とお礼を言われ、街の人たちからも歓声が贈られた。正直恥ずかしかったが、死人が出なかったことに内心ほっとしていた。









 


 次の日急遽ギルドからの招集がかかり、俺はギルド内の応接室にいる。昨日の街の中に魔物が出現した事件について話があると、ギルドマスター直々にお呼びとのことだ。


 緊張しながら待っていると、一人の女性が入ってきた。歳は二十代前半といった感じでピンク色の長い髪をなびかせていた。雰囲気は俗にいうゆるふわ系といった感じだ。


 「お待たせしてごめんねぇ、私がギルドマスターのサクラって言います。よろしくね」 


 そう言い俺の前に座るゆるふわ女子。どうやらこの人がギルドマスターみたいなのだが、何というか全然そんな風には見えない。想像ではもっとこう明らかに強そうなおじさんとかを思い描いていただけあってよけい信じられなかった。


 それにサクラって名乗っていたけどどう考えてもこの世界の人物の名前ではないというか、なんか日本人っぽいというか。もしかしてこの人も転生者なのだろうか。


 「今私のこと転生者かもしれないって思ったでしょ? せいか~い、私も転生者なのです! どぉ? 驚いた?」


 そんなことを聞いてくるサクラさん。ええ、とても驚きましたよ。ってかなんで思ったことが分かるんですかね、俺顔に出やすいのか?


 「そんなことないよぉ。私がちょっと人の考えてることがわかるってだけ」


 当たり前のように言ってのけるがこれには流驚きを隠せない。人の心が読める人物なんてのは、たとえこの世界であってもそう何人も居るものではない。恐らくは転生時にもらったスキルとかの力なのだろうが。


 「うん、そだね。転生の時にもらったんだ。意外に便利なんだよ?」


 「あの、そうポンポンと人の心覗くのやめてもらえます?」


 「え~、別にいいじゃん減るもんでもないし」


 「精神がすり減りますから!」


 うん、この人苦手かもしれない。見た目は滅茶苦茶可愛なんでこうも遠慮がないんだろう。あれか、残念美人というやつか。


 「むぅ、誰が残念美人だってぇ?」


 「だから勝手に心を読むなっ!!」


 仮にもギルドマスターなのになんでこんなに遠慮がないんだろう....


 そんなことはさておき、昨日の出来事についていくつか話があった。あの魔物はどうやら突然街の中に出現したらしく、普通では考えられない事態である。考えられるのは誰かが召喚魔法を使って街中で召喚したというものだが、街には結界が展開されており魔の属性のものは活動することが困難となっている。けれど召喚された魔物はそのような様子が一切見られなかったため、早急に原因の特定をしなければならないそうだ。


 ちなみに俺が倒した魔物は今まで確認されていなかったタイプの新種だったそうだ。想定でもAランクの冒険者案件の強さだったらしく、それを駆け出しの俺が倒したもんだからギルド上層部は大騒ぎだったそうな。


 「せめてBランクとかならまだわかるんだけどねぇ。Fランクの君が倒したってことで皆大騒ぎなの」


 「な、なるほど。そんな大事に....」


 「それでね、その噂の君の力を見てみたいなって思って。だから試しに私と戦って欲しいんだ!」


 「は?」


 俺には暫くこの人が何を言ってるのか理解できなかった。














戦闘描写が苦手で迫力が足りないかも.... お許しを

1話の長さ的にはどうでしょうか。足りないなどの意見がありましたら感想にて教えていただけるとありがたいです。

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