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『感謝』『奇蹟』

作者: 安岡 憙弘

  感謝

                             安岡 憙弘よしひろ

 ミナがリオンの胸にとびこみました。

「私はあなたが好き。貴方はわたしの心を一つ一つジグソーパズルのように埋めていってくれるから。」




  奇蹟

                             

 お年寄りでごったがえした病院の待合室で今日会ったばかりのご夫人と老紳士がどちらともなく会話をはじめました。

「ほう、胃癌の手術をなさったのですか。それはお苦しみになったことでしょう。それでその後の調子はいかがですかな。」

「ええ、おかげさまで悪くはなっておりません。」

「ほう! それは奇蹟ですな。」

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