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白き永遠のレナ  作者: ハイネ
3/3

リアルがゲーム世界になった日

「一体、何が起きたんだ・・・?おい、雪乃下大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ。けどあの光何だったんだろうね。」


「分からない。けどシステムの不具合かなにかだろう。ログアウトして外の様子でも一回みて・・・・・って、あれ・・・・・・?」

俺はある異変に気付く。


「どうしたの?」

「ログアウトが、できない・・・」

「え?!嘘!?まさかのソードアートオンライン現実に起きちゃった!?」


「落ち着けって。もしかしたらただのシステムの不具合かもしれない」


「それは違うな。」

突然背後から黒い影が目の前に現れた。


「うあ!!誰だおまえ!」

「召喚に応じ、貴様のデバイスから馳せ参じた。かつては闇の帝王と呼ばれていた。」


「闇の・・・、帝王・・・・。」

え?めっちゃ厨二臭いんですけど・・・!?


「それは不人気漫画キャラのモノマネ芸人さんですか?」

れいなさん?痛い人なのはわかるけど、それは辛辣過ぎだからね??


「私は暗黒世紀と呼ばれる時代において暗黒帝国第一代目皇帝として君臨していた者だ。」

超真面目に自己紹介してくれているが、どう聞いても残念過ぎるでしょ、この人。


「その様子だと、本当に何も知らないようだ。」

「何が起こったのか、知っているのですか?」


「いかにも。簡潔に教えてやると、貴様らの知っている世界はもう存在しない。」

「は・・・?なに、いってんだよ・・・?」


「じゃあ今俺らはなんでこうしてここにいられるんだよ!?」


「落ち着け、今からそれを説明してやる。」

「まず一つ、貴様らの世界がなくなった、という説明からだ。」


「そのヒントはこのゲームにログアウト機能がなくなったことだ。

つまりなんらかの影響でこの空間この世界こそが、今生きる我々の世界にすり替えられたという訳だ。」


「俺たちの現実世界が元々はゲームの『フルランブル』そのものになった、というわけか。」

「いかにも。」

まさかの世界君が異世界転生???いや、全然笑い事じゃないんですけどね??


「二つ、私のことを知らなかったことについてだ。

これは貴様らのいうゲームが現実世界に変わってしまったことに大きく影響している。」


「ゲームというものは元々フィクション、人の想像によって創られたもの。

このゲームに関わった人間すべての思念のようなものがコンタミネーションした可能性がある。」


「現実世界では私レベルのものでなければ思念を実体化することは不可能だが・・・」

さらっと自慢したよ、この帝王さん。


「3つ、ここはゲームの世界であってリアルの世界ではない、ということだ。」

「言っている意味がよくわからないのだが・・・。」


「よくその頭でフルランブル準優勝なんてとれたね、レン君。」

喧嘩売っているのか?


「お馬鹿なレン君の為に説明してあげると、だれも政治や経済活動を起こさなくてもここで衣食住が維持できてしまうのよ。」


考えてみれば、三日三晩フルランブルにログインしていても仮想世界内でも現実世界と変わらず睡眠は取れた。それだけじゃない。


食事も着替えも風呂も・・・なに一つ不自由なく現実世界と同じ生活ができた。

ここがリアルなのではないかと錯覚してしまうくらいに。


しかし現実世界とは幾つか明らかに異なるものがあった。

人を殺してたり物を盗んでも犯罪にはならないし(そもそもシステムエラーが起きたりする)、死の概念はHPに基づいている。HPが0になったら遺体はデーリート対象としてデータが量子化して消える。


経済活動というのは、産業云々のことを指すのだろう。食料はNPCによって作られデータとして提供される。その食料で俺たちは食欲を満たすことができる。

やろうと思えば、メニューバーを開いて検索をかけることによって希望する商品を発注することだってできる。


つまり元の世界の法則や秩序・常識が様々なケースにおいて適応されないということよ。

要するに、現実世界のようにふるまうことはできるが都合の悪いところだけゲームで補正されているってわけか。


――――ピローン。

俺たちに一通のメッセージが届いた。


「ん?なんだ?」

俺たちはメッセージを確認した。差出人は不明だった。


すると、驚きの文面が書かれていた。

『ようこそ新世界、フルランブルへ。

 このメッセージメールを読んでくれたということは、元いた世界に帰れないこと

 にはもうお気づきだろう。だが元いた世界はなくなった訳ではない。データとし

 て保存されている。しかし、そのデータは凍結されているため二度と開けるこ 

 とはできないからなくなったと同義か。

 さて、今回お知らせしたいことは、リアルフルランブル ver.1.00通称「第一世

 代」、そのリリースを記念したイベントの告知だ。まず第一世代開幕を記念に

 第一回フルランブル アルティメットアリーナを開催することが決定した。

 開催日時はこの一か月後。参加資格の条件はなし。トーナメント戦で優勝者 

 にはこの世を治める権限と秩序を改変する権限が与え 

 られる。詳細は追って連絡するぞ。では諸君らの健闘を祈る。』


アルティメット・アリーナ・・・。

この世の秩序をかけた戦い。つまり優勝者は何でも願いが叶うってことか。

ドラゴンボールみたいだな。


「レナ、この大会をどう見る?」


「そうね・・・、参加資格のない大会だからレベルはピンからキリまでね。

ただ現実世界になったこのゲームをまだ理解できていないから、どんな強敵がいるかなんてわからないわ。」


「ダークホースがうじゃうじゃいる可能性は大きいな。序列ではレイナが一位で俺が二位だったわけだが・・・」、


プロフィールのランキング履歴を見るが、やっぱり消去されている。ある意味で別ゲーになっちゃったことか。


「レナは、参加するのか?」

「私は、参加するよ。優勝して、元の世界に帰る手がかりを見つけるの。」


その台詞には彼女の意思と覚悟があった。

さすがフルランブル覇者。もう運営に剝奪されたけど。


「そういうレン君はどうなの?」


「俺は・・・・・・、」

迷っていた。参加するメリットがさして思いつかなかったから。

お遊びならわかる。真剣に打ち込んできたが、所詮は一度は投げ出そうとした趣味の領域。


けど今は違う。今ここが現実世界で今が俺の・・・俺たちのすべてだ。

だから、生半可な気持ちで参加したくはない。だったら・・・・・、


「俺は・・・・・・・・・・・。」

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