第八話「彼らの迷走・彼女は疾走」
ゴロゴロー。
第八話「彼らの迷走・彼女は疾走」
クエストボードと呼んだその掲示板。
本当にクエストボードという名前らしく、まあ、呼びやすかったのでそれはそれで良かった。
ただ。
問題は内容だ。
賞金首の人間を捕縛、魔物狩り……どのクエストにしろ戦闘が絡むものばかりだ。
これでは経験を積むどころか経験を積まなければ厳しい。
新参者には大変ではないか。
「うーん……。」
クエストボードとにらめっこ。
……語呂が良い、もう一度。
クエストボードとにらめっこ。
「クエストボードとにらめっこ。」
「キイ?」
「……あっ、いや……ごめん。何でもないよ。」
「うん。それで、どれがお肉?」
「どれもお肉じゃないよ……。強いて言うならこれだけど。」
キイは、とある一つの紙を指差した。
「…………にゅーぎゅーりゅー?」
「乳牛竜だ。乳牛竜ってつまり……牛だろ?」
「牛肉!?」
「そう、牛肉。カルビ。ロース。ハラミ。サーロイン。」
「これだよ!これがお肉だよ!!」
「食い付くなぁ……けど問題が2つある。」
「それはお肉より大事なことなの?」
「お肉にありつく為に必要な情報だ。」
「それは重要だ!!」
「まず1つ。この牛だが、最後に竜って付いてるだろ?つまり牛じゃない可能性が高いわけだ。」
「キイさっき牛って言ったじゃん。」
「……忘れてくれ。俺もお腹空いてるんだ。」
「仕方無いね。」
「○○鳥とか、○○牛とか、○○豚とか、肉じゃないにしろ大体最後に動物の名前が来るだろ?」
「そっか。じゃあ乳牛竜は竜なのかな?」
「だと思う。それを裏付けるような情報が……さっき言った問題の2つめだ。」
「うん。」
「この乳牛竜の狩りは、レイド制みたいなんだ。」
「レイド?」
「大規模人数での狩りになるってことだな。巨大なのか狂暴なのか、どちらにしろ危険性の高い相手ってことだろう。」
「ふーん……。」
「ふーんって……アカネ。大規模戦闘って数人じゃ手に負えないから大規模でやるわけだ。俺達には無理。」
「芋れば?」
「お前もそのくらいの言葉は知っているのか……。いや、出来ないよ。」
「大規模ならバレないよ。」
「必死すぎるだろ!どんだけ肉が食べたいんだお前は。大規模だからって自由に動いていいわけじゃない。むしろ統率は基本するだろうし陣形とか組んだらサボれないぞ。」
「なんてこった……。」
「こっそり分け前をいただこうなんて考えは諦めろ……。」
「嫌だよ!!お肉食べるんだ!!お肉だよ!!」
するとアカネは突然駆け出した。
どこに行く…………まさか……ちょっ……。
「待てアカネ!!俺は反対だからな!?」
虹色を読んでいただき感謝です。
いかがでしたか?
んー。語呂が良いって、なんか良いよね。
それでは、またお会いしましょう。
Thank You。