第十九話「資料室」
しりょーん。
グランガーデン新編
第十九話「資料室」
「ここが資料室だ。」
王都ビリングの城にて、魔王の情報を集めに来たスモモとアカネ。
部隊長のグレースに案内してもらい、資料室へ連れてきてもらった。
「……うーん……?」
アカネが唸る。
理由は恐らく、『広い』からだ。
「…………スモモ……頭が痛いよ……。」
よたよたとスモモに体を預ける。
「だ、大丈夫ですか?」
「うへー……。」
目を回していた。
「彼女はあまり頭が良くないからな。」
さらっと言うグレース。
……容赦無いな。
「それで、魔王についてだったか。」
「あっ、はい。ありますかね?」
「それは調べてみなければ分からない。しかし広くかなり多くの情報が集まっているだろうな。……ふむ、私も協力しようか。」
突然の提案に驚くスモモだったが、それは悪いと思った。
「お気持ちは有り難いのですが、お忙しいでしょう?」
「気にする事は無い。今日の業務は既に終わっているからな。」
そう言って、グレースは適当に本棚を漁る。
「恐らくだが、ここの情報が近いのではないか?魔物関連の本だぞ。」
数冊、グレースが取り出して近くのテーブルへ置く。
その場で読めるように椅子も備え付けてある。
「好きなだけ読んでいくといい。」
「あっ、ありがとうございます!」
頭を下げるスモモ。
一先ずアカネを座らせて、スモモは本棚を見てみた。
「こ、これは……。」
並びが不規則。
あいうえお順でもジャンルごとに収納されているわけでもない。
一度全体を見なければ、目的の情報を探すのは難しいかもしれない。
「根気が必要だなぁ……。」
半ば倦怠感を感じたが、これは頼まれたことなのだ。
やらなければ。
気合いを入れる為に頬をぱちーんと叩く。
赤くひりひりさせながら、スモモは部屋を調べ始めた。
虹色を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
お次は10日の投稿です。
それでは、またお会いしましょう。
Thank You。