第十三話「情報探し~アカネ&スモモ~」
MA・E・!
グランガーデン新編
第十三話「情報探し~アカネ&スモモ~」
「スモモー!早くー!」
「あっ、ちょっ、すみませんっ!……乗りますからっ!」
キイとシルバが図書館へと向かった一方……。
アカネ、スモモは王都ビリング行きの馬車に乗ろうとしていた。
遅れていたスモモを急かすように、アカネは手招きしていた。
「はぁ……はぁ……!」
息を切らし肩で息をするスモモ。
なんとか出発には間に合ったようで、馬車に乗り込むことが出来た。
「はい、タオル。」
「すみません……ありがとうございます……。」
汗びっちょり……といった感じで、いつものニコニコ顔も崩れている。
「はい、水。」
「ありがとうございます……。色々と……。」
竹で出来た水筒を受け取ると、キュッと目を瞑りながら一口飲んだ。
「はい、お弁当。」
「それはおかしくありません!?」
「そんな事ないよ。」
「え。」
「そんな事ないよ。そんな事ないよ。そんな事ないよ。」
「うわああああああああああああ!?」
勢いよく上体を起こしたスモモ。
「…………あれ……?」
「どどどどうした!?スモモ!?大丈夫か!?」
「あっ……キイさん……。」
ドタバタと慌てて部屋に駆けつけたキイがそこには居た。
槍を持って焦っている。
「……夢……?」
外はまだ暗い。
…………これは……。
「キイさん。」
「なっ、なんだ!?ケガしたか!?」
「いえ……大丈夫なので、とりあえず落ち着いてください。ね?」
「おう……。」
キイは胸をおさえながら、一度息を吐いた。
「……うん。よし、大丈夫。」
落ち着きを取り戻し、何事も無かったようにキイは問う。
「それで、どうしたんだ?」
「いえ……ちょっとだけ怖い夢を見ただけです。それで聞きたいんですけど、魔王の情報探しは明日からですよね?」
「ああ。」
何を今さらと言いたげにキイは返事した。
その様子からスモモは安堵の息を吐く。
「…………良かったです。」
にこりと笑ってスモモはベッドから起き上がった。
「ほらほら、女性の部屋に入るのはあまり良くないですよ。」
と、キイを後ろに振り向かせて半ば強引に追い出す。
「ちょっ、本当に大丈夫なのか?」
視線を寄越すキイ。
しかし。
「はい。ご心配ありがとうございます、真っ先に来てくださって嬉しいです!」
バタンと扉を閉めて、スモモはベッドへと戻る。
心なしか、明日が寂しく思えた。
虹色を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
いかがでしたか?
いかがでしたか?
うわああああああああああああ!?
お次は27日の投稿です。
それでは、またお会いしましょう。
Thank You。